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ひと口に温泉宿といっても、湯の色、景色、建築、過ごし方はさまざま。白濁の名湯や海辺の絶景露天、森の一軒宿、ランプの灯りで過ごす夜、津軽の手仕事を感じる空間まで――青森で“旅の目的になる宿”を厳選して紹介します。
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深い森に抱かれた高地で、四季の移ろいを感じながらくつろげる宿と、津軽の文化を“しつらえ”で味わえる宿をご紹介。自然に浸る時間も、地域文化に触れる時間も大切にしたい人におすすめです。
木のぬくもりに包まれて過ごせる山岳リゾートです。館内には美しい木の照明が配され、棟方志功の作品も飾られるなど、随所にこだわりが感じられます。標高約900m、八甲田大岳を望む十和田八幡平国立公園内に位置し、周囲にはブナの原生林が広がる自然豊かな環境。春夏秋冬で表情を変える八甲田の景色に癒やされながら、ゆったりと滞在を楽しめます。温泉は、青森ヒバの香りが心地よい大浴場で湯あみできるほか、姉妹館である「酸ヶ湯温泉旅館」の湯もあわせて楽しめます。泉質は酸性・含鉄-アルミニウム-硫酸塩・塩化物泉とされています。
津軽の手仕事「こぎん刺し」の美しさを館内各所で感じられる温泉宿です。青森県出身のkoginアーティストとして知られる山端家昌氏がプロデュースに関わり、伝統の文様や素材感を生かした意匠が滞在の随所で楽しめます。空間づくりは、ル・コルビュジエに師事した建築家・坂倉準三が創設した坂倉建築研究所が手がけ、民芸の温もりと洗練がほどよく調和した雰囲気も魅力です。温泉はナトリウム-塩化物・硫酸塩泉とされています。
湯の花が舞う名湯や、海と夕景を望む絶景露天、森と渓谷に抱かれた一軒宿、湯色に個性のある温泉まで、ここでしか味わえない魅力的な宿をご紹介。建築やレトロな湯屋、文人ゆかりの物語、ランプの灯りだけで過ごす静かな夜など、温泉そのものに加えて“滞在体験”も特別。自然と歴史に浸りながら、心と体をゆっくりほどいてみては?
昭和29(1954)年に国民保養温泉地の第1号に指定されたことで全国的に知られる名湯です。名物の大浴場は、柱を使わない総ヒバ造り。160畳もの広さが印象的で「千人風呂」として親しまれています。浴場は混浴で利用されており、湯けむりに包まれながら酸ヶ湯ならではの雰囲気を味わえます。泉質は酸性硫黄泉。また、版画家の棟方志功がこの地を制作活動の場としていたことでも知られ、館内の「御鷹々々(おたかたかたか)サロン」には、志功が描いた鷹の作品のレプリカが飾られています。
版画家 棟方志功ゆかりの宿として知られる老舗旅館です。浅虫温泉のなかでも歴史ある湯として語られ、県内でいち早く飲泉の許可を得たともいわれています。敷地内には複数の源泉を有し、湯はナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉。館内や客室には棟方志功の小品が飾られており、志功が折々に浅虫を訪れて湯に親しみ、滞在中に制作した作品は「棟方志功ギャラリー」で鑑賞できます。
明治5(1872)年創業の老舗旅館です。館内には、剥き出しの太い梁や柱など、時代を感じさせる意匠が随所に残り、レトロな浴場とあいまって大正ロマンを思わせる雰囲気をただよわせています。建物は国の登録有形文化財として紹介されることも多く、温泉街の歴史を体感できる一軒として注目されています。湯はナトリウム・カルシウム硫酸塩・塩化物泉。また、作家の太宰治ゆかりの地として語られ、高校3年時に自殺未遂をしたのち、母親と長期滞在したというエピソードが伝えられています。
波打ち際に設けられた露天風呂が名物の温泉宿です。湯船のすぐ眼下に日本海が広がり、開放感たっぷりのロケーションで湯あみを楽しめます。なかでも、太陽が水平線へ沈んでいく夕景は見逃せない魅力のひとつです。泉質は含鉄・ナトリウム・塩化物強塩泉。鉄分を多く含み、湧出直後は透明でも、空気に触れることで酸化が進み、次第に茶褐色へと色合いが変化していきます。
見た目にもインパクトのある真っ黒な湯で知られる温泉です。「日本有数の黒湯」として紹介されることもあり、肌あたりがやさしいといわれ、美人の湯として親しまれています。温泉は、植物が長い年月をかけて堆積した亜炭層などを通って湧き出すことで独特の色味が生まれるとされる、いわゆるモール泉。泉質は弱アルカリ性の単純泉と案内されています。
鉄分を含む湯が特徴の温泉宿です。湯は湧出直後は透明に見えることがあっても、浴槽で空気に触れることで鉄分が酸化し、次第に赤褐色へと変化していきます。こうした湯色から「赤湯」と呼ばれ、古くから自噴する源泉を持つ温泉として親しまれてきたとされています。泉質はナトリウム-塩化物泉で、温まりを求めて訪れる人や、湯にじっくり浸かって過ごしたい人に選ばれる一湯です。
八甲田の山あい、標高約800mの高地に佇む“秘湯”の趣あふれる温泉です。高山湿原に囲まれた静かな環境で、運がよければテンなどの野生動物に出合えることも。湯は、湯の花で白く濁り「熱湯」とも呼ばれる上の湯と、透明で比較的温度が低く「霊泉」と呼ばれる下の湯の、趣の異なるふたつを楽しめるのが魅力で、約400年の歴史を持つ湯守の文化が受け継がれています。八甲田高田大岳などの登山の帰りに立ち寄る人も多く、自然の余韻に浸りながら湯あみができる一軒です。泉質は単純硫化水素泉と案内されています。
“蔦の森”の名で親しまれるブナ林に抱かれた、奥入瀬エリアの一軒宿です。足元から源泉が湧き上がる自噴の温泉として知られ、湯の息づかいを間近に感じながら湯あみを楽しめます。館は、趣ある本館に加え、洗練されたしつらえの客室が揃うモダンな西館、そして静かに過ごせる離れも備え、旅のスタイルに合わせて滞在を選べるのも魅力です。建物では、大正7(1918)年築の木造2階建て本館が象徴的な存在で、大町桂月や井上靖をはじめ、文人たちに愛された宿としても語られています。湯処では、ヒバ造りの浴場が印象的で、浴槽から天井の梁まで、高さのある空間が生む開放感も見どころのひとつ。泉質はナトリウム・カルシウム-硫酸塩・炭酸水素塩・塩化物泉と案内されています。
青荷渓谷の渓流沿いにひっそりと佇む一軒宿です。夜になると館内を照らすのはランプの明かりが中心となり、静けさの中にゆらぐ灯りが、どこか幻想的な雰囲気をつくり出します。総ヒバ造りの湯処「健六の湯」では、やさしいランプの光に包まれながら湯に浸かるひとときを楽しめるのも魅力。日常の喧騒から距離を置きたい人に選ばれており、滞在中は携帯電話の電波が届きにくい環境としても知られています。泉質は単純泉と案内されています。
白濁の名湯、黒湯や赤湯、海辺の露天、森の一軒宿、文人ゆかりの宿や手仕事を感じる空間まで、青森の温泉宿は一軒ごとに魅力がはっきりしています。気になる宿が見つかったら、季節の景色やアクセスもあわせて検討し、旅の目的に合う一軒を選んでみてください。
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