ブエノスアイレスの観光を調べて、カミニートという名前がでてこないことはないでしょう!
それぐらい観光メッカなラ・ボカ地区のカミニートですが、フォトジェニックなカラフルな「街並み」の背景である歴史に注目しながら、見どころや楽しみ方をご案内しましょう。
まずはここです。

こちらがカミニートでまず写真を撮ってほしい場所です。バスやタクシーで来るとたいていここに着けてくれます。
Vuelta de Rocha ローチャの曲がり角 と呼ばれ、正確な住所はこちらです。
Av. Pedro de Mendoza y Del Valle Iberlucea
この地域の土地を所有していたローチャさんに由来します。
右側が現在の「カミニート」です。
リアチュエロ川沿岸で小川が流れていたので少し曲がっています。
1898年鉄道が通っていまして、その後干上がった小川跡の道を車両を保管したりする場所に使っていましたが、1928年に鉄道は閉鎖され見捨てられた地域となっていました。
しかしながら 1959年地域住民の、特にラ・ボカ地区の活動を生き生きと描いたキンケラ・マルティンという画家のイニチアチブで、今でいうこの地域の発展のため、プロデュースされたのが 野外美術館「カミニート」です。
もともと、1926年にCAMINITOというタンゴがフアン・デ・ディオス・フィルベルトの作曲で作られ、それをオマージュとして命名されました。

もちろんイタリア移民がアルゼンチンに到着したときにはこの地域の長屋で大勢の家族で住んでいたという歴史的経緯もあり、祖国を偲ぶ望郷の念のノスタルジーと、港という哀愁を帯びた場所にカラフルな色をパッチワーク状に施した画家の腕と協力者らによる美術品の寄付、そして新進画家が自身の作品を道で売ることができる野外美術館に変貌したのです。

なお、カミニートとは小道という意味です。
CAMINOは道で、ITOという縮小辞でCAMINITOカミニートになるわけです。スペイン語では小さいを意味し、アルゼンチンでは特に親しみを持って縮小辞を付け加えることが多いのでいわば、私たちの小道ともいえるでしょう。
ですからこのようにカラフルな壁に身をおいて写真を撮るのも楽しいです。お薦めは是非、ご自身もカラフルな服装で、そして何を隠そう、足元も重要です。

昔は船の浮力のために、ヨーロッパから石を詰めてアルゼンチンまでやってきてそれを降ろして、アルゼンチンの農作物や牛肉を輸入しに来たと言われます。そのときに置いて行った石がもしかしたら今私たちが踏んでいる石かもしれませんよ。

と言ったら、ノリのいいお客さまが足を出してくださり皆で記念写真しました。。。
景色の写真はいまどきインターネットできれいなのがありますし、これからはもっともっとこんな体験が重要ではないかな、と夏の観光ハイシーズンを終えて思う今日この頃です。
またカミニートの散策の仕方、見どころ、楽しみ方をお伝えしますね。

