A34 地球の歩き方 クロアチア スロヴェニア 2024~2025
ガイドブック ガイドブック ヨーロッパ
2023.11.16 発売
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旅行・観光の基本情報
スロヴェニアの歩き方
スロヴェニア(スロベニア)は、中央ヨーロッパに位置する小さな国だが、その美しさと多様性は驚くべきものがある。東西ヨーロッパの文化が交差するこの国は、アルプス山脈の雄大な風景から、アドリア海沿岸のリゾート、さらには中世の街並みが残る美しい都市まで、魅力にあふれている。自然愛好者や歴史好き、さらには美食家にとっても、スロヴェニアはまさに宝石のような存在だ。首都リュブリャーナは、古き良きヨーロッパの雰囲気を持ちながらも、モダンで洗練された都市。美しいリュブリャーナ川が市内をゆったりと流れ、カフェやレストランが川沿いに立ち並ぶ。また、スロヴェニアの自然の魅力は格別だ。国土の半分以上が森林に覆われており、四季折々の風景を楽しむことができる。美しい自然と調和した生活が息づくスロヴェニアは、訪れる人々に癒しと感動をもたらす場所だ。
スロヴェニア随一の景勝地ブレッド湖。アルプスの山々に囲まれたこの湖は、絵画のように美しく、湖の中央に浮かぶブレッド島は、まさに童話の世界のようだ。湖畔を歩いたり、手漕ぎボートで島に渡ったりして、静けさに包まれた時間を楽しもう。湖畔を見下ろすように建つブレッド城には小さな博物館やレストランが併設されており、眺めを楽しみながら食事をするのもおすすめ。
首都リュブリャーナは、ルネッサンス、バロック、アールヌーボーなど各様式の建築物が調和した小さな芸術の都だ。リュブリャーナ城から一望できる、赤瓦の屋根が折り重なる旧市街の町並みは、中世へとタイムスリップしたような錯覚を起こさせる。散策しながら、カラフルな建物や石畳の道を楽しもう。リュブリャニツァ川沿いのカフェでひと休みし、地元のスロヴェニア料理を堪能するのもお忘れなく。名物のギバニツァという多層ケーキは一度は味わいたい逸品だ。
内陸のカルスト地方には、世界に誇る鍾乳洞があり、その地下には驚くべき世界が広がっている。ポストイナ鍾乳洞は、広大な地下洞窟システムが観光客を魅了してやまない。洞窟内にはトロッコが走り、幻想的な世界へと連れて行ってくれる。世界遺産に登録されたシュコツィヤン鍾乳洞は、洞窟内に大渓谷が広がり、つり橋から眺める深さ約45mの渓谷は迫力満点だ。数百万年の歳月をかけて形成された石灰岩の造形美は、自然の力と時間の偉大さを感じさせてくれるだろう。
スロヴェニアはワインの隠れた名産地でもある。ワイン街道というルートが数多く設定されているほど。特にプリモルスカ地方では、地元産のワインとともに、豊かな食文化を楽しむことができる。ワイナリーツアーに参加し、ブドウ畑を見学したあとは、地元の料理と一緒にワインを味わおう。新鮮な食材を使った料理は、シンプルながらも深い味わいで、どのひと口も驚きと感動に満ちている。
スロヴェニアのアドリア海沿岸は、比較的小さいが、その美しさはほかに引けを取らない。特にピランの町は、ヴェネツィアの影響を受けた美しい町並みが特徴で、歴史ある建物と青い海のコントラストが印象的だ。海辺でのんびりと過ごし、地元のシーフードを楽しむことで、心身ともにリフレッシュできるだろう。海の透明度の高さも、シュノーケリングやダイビングを楽しむには絶好の環境だ。
スロベニア共和国
約2万273平方キロメートル
約210万人
リュブリャーナ
カトリックが過半数を占める。その他イスラム教やセルビア正教、プロテスタント、無信仰など。
スロベニア語
日本とスロヴェニアを結ぶ直行便はなく、イスタンブール、フランクフルト、パリ、アムステルダムなどの都市で最低一度は乗り換える必要がある。日本からのフライト時間の目安は、周辺国経由で14〜15時間。
アルプス型、大陸型、地中海型の3つの気候区分があり、地域によって気温、降水量ともに大きく異なる。夏はどこも過ごしやすいが、冬の山岳地帯は降雪が多く、リュブリャーナなどの内陸地域では平均気温が0度以下となる。降水量は春と秋に多く、年間降水量は800〜3000mmと地域により大きく異なる。ベストシーズンは夏。5〜9月が快適な気候だ。スキーシーズンの冬も人気。ブレッド湖など内陸部では夏でも夜間は涼しいので、長袖シャツや、薄手のカーディガンが必要。どの季節もフレキシブルに対応できるような服を用意しよう。
以下は一般的な営業時間の目安。
日本との時差は8時間で、日本時間から8時間引けばよい。つまり、日本のAM7:00がスロヴェニアでは前日のPM11:00となる。これがサマータイム実施中は7時間の時差になる。サマータイム実施期間は、3月最終日曜~10月最終日曜。
年によって異なる移動祝祭日(※印)に注意。
220Vで周波数50Hz。プラグはC型。日本の電化製品を使う場合、変圧器とプラグアダプターを持参のこと。
スロヴェニアにはもともとチップの習慣はなかったが、近年海外からの観光客の増加によって、観光地を中心にチップの習慣が一般化しつつある。
水道水は都市部では飲用可能だが、一部農村地域では化学薬品による汚染が指摘されている。ペットボトルに入ったミネラルウォーターは500mlで0.50〜1ユーロ。
スロヴェニアでは商品代金にPDVと呼ばれる付加価値税がかかっており(22%または9.5%)、旅行者は手続きをすればこの税金の一部が戻ってくる。
還付されるのは一度に50.01ユーロ以上の物を買い、未使用の状態で国外へ持ち出す場合のみで、ホテル料金や食事代、たばこ、アルコール飲料などについては適用されない。免税の取り扱いがある店舗では、買い物時に書類を作成してもらい、出国時に税関で証印をもらう。それを払い戻し窓口に提出すれば、還付金を受け取れる。
ほかのヨーロッパ諸国と比べて、スロヴェニアの治安はいいほうだ。しかし、近年はスリやひったくり、置き引きの被害に遭う日本人旅行者も増加傾向にあるなど、過度に安心するのは禁物だ。夜間は都市部でも中心街を外れると街灯が少なく暗いので、ひとり歩きには注意したい。また、団体旅行者や何人かで一緒に旅行している人が注意したいのは置き引きだ。ホテルのビュッフェスタイルの朝食で、荷物を置いたままテーブルを離れ、戻ってきたら荷物がなくなっているというケースが何件か報告されている。何人かで一緒に行動していると、つい話に夢中になったり、ほかの人が見ていてくれるという安心感が働いたりして、注意力が下がってしまう。ひとり旅のとき以上に荷物には気をつけるようにしよう。
スロヴェニアでは18歳未満の酒類とたばこの購入は不可。レンタカーは21歳以上(免許取得から2年以上が好ましい)。21〜25歳は追加料金が必要だったり、借りられる車種に制限がある。
日本の度量衡と同じで距離はメートル、重さはグラム、キロ、液体はリットル。服や靴のサイズは日本とは異なり、メンズ、レディースによっても異なるので注意が必要。