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震災後、日本で「計画停電」という言葉が出回り、計画停電の大変さなどがネットで取り上げられ始めたとき、不謹慎ながら、私は、「ネパールと同じ!」と親近感を持ってしまいました。
前回の記事にも書いた通り、年間を通じて慢性的な電力不足であるネパールでは、常に計画停電(Load Shedding)が実施されています。
ネパール旅行にいらっしゃるお客様が高級ホテル以外のレベルでホテル選びをされる際、ネパールの過酷な停電事情を念頭に置き、どの程度停電の影響を受けることに耐えられるか、という基準で選ぶことをお勧めしています。高級ホテル以外は、停電中電気の使用が制限されたり、お湯が出なかったりすることもあり、不便を強いられることがあるためです。
また、停電は、一応毎日の予定表が決まっているのですが、細かい地区ごとに、毎日異なる時間に消えるため、常にすべてを把握することはできません。また、突然当日になり停電時間帯の変更が決まったり、予定とは全く関係のない時間に停電になることも多く、混乱させられることも多くあるのが実情です。
このような、停電により起こりうる不便な状況を、いくら事前にお客様に説明していても、今までは、なかなか「計画停電」自体を理解してもらえないことが多くありました。それもそのはず、日本では日常生活で停電を体験する機会は、ほとんどないため、日本で生活を送っている方たちに、停電時に発生する不便なことをあらかじめ想像してもらうことなど、無謀なことだったのかもしれません。
お客様の帰国後「ホテルでお湯が出なかった」「電気がつかなかった」「エレベーターがずっと動かなかった」「突然電気が消えて困った」「'計画'停電なのだから、あらかじめ消える時間を客に教えるのが筋じゃないのか」というような苦情が寄せられることがよくあり、そのたびに、だから事前に停電の影響を伝えていたのに、、、と、やりきれない思いをしたことも何度もあります。
私が努力して回避できるのであればいくらでも努力しますが、こればかりはどうすることもできないのです。
しかし、日本で「計画停電」が知られるようになってから、ネパールの計画停電事情についても、すぐに理解を示していただけるようになった気がします。「停電に備えて何を持参したらよいですか?」というような前向きな質問があるのも、以前には考えられなかったことです。
日本の「計画停電」のおかげで、といういい方は適切ではないかもしれませんが、以前のように長々と停電事情を説明する必要がなくなり、不謹慎ながらも助かっています。
次の記事では、ネパールのホテル滞在時に受ける停電の影響について書いてみたいと思います。