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今月のお題「電気のお話」。久しぶりに参加してみたいと思います。
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年間を通じて慢性的な電力不足であるネパールでは、常に、Load Sheddingとよばれる計画停電が実施されています。
水力発電であるため、水の豊富な雨季中(6月~9月頃まで)は停電時間も短くなり、現在では週11.5時間のみの停電が実施されていますが、乾期、それも、終盤の1月~4月頃になると、例年、毎日10時間を超える停電が実施されます。
私が体験した中での停電最長時間は、2009年の1月~4月頃まで続いた、毎日平均16時間の計画停電。週でも、月でもなく、毎日16時間、です。
いわずもがな、1日の長さはネパールでも24時間ですから、1日の3分の2は電気が来ない生活を送っていたことになります。
時々、計画停電以外の突発的な停電もあったりして、連続20時間ほど電気が来なかったことも何度か経験しています。
さらっと書いていますが、連続20時間電機がない生活、非常事態を除き、日本やその他の先進国であれば、まずありえないでしょうね。でもこちらでは、さらっと実施されてしまいますので、あきらめるしかありません…。
では、停電中は本当に電気が全くないのか、といいますと、実はそうでもありません。大きなホテルや会社はもちろん、外国人や、ある程度裕福な現地人家庭には、たいてい、自家発電機があるためです。
供給できる電力は発電機の種類によっても異なりますが、大きなホテルでは、停電中であることなど全く気付かないほど、電力のほとんどを自家発電でカバーしていますし、家庭では照明としての電気程度は使えるように設定していることが多いです。
しかし、一般庶民の多くは、停電中、一切電気のない生活を送っています。それなのに、それほど不便を感じているようには見られません。それはきっと、一般庶民は、あまり電気を必要とする生活をしていないからなのでしょう。
たとえば、ご飯は炊飯器ではなく圧力鍋でたくことが多いですし、冷蔵庫、洗濯機、掃除機、電子レンジを持つ庶民はごくわずか(というより、ほとんどない)。
アパート暮らしの場合、湯沸かし機どころか、室内にバスルームがないことも普通なので、真冬でも、日中日が差している時間帯に、屋外の共同井戸などで水浴びをする人たちも多いのが実情。
停電で困るのは、テレビが見られないこと、携帯の充電ができないこと。(部屋に水道がひかれていないようなアパートで暮らす庶民の家庭にも、テレビと携帯は必ずあるといっても過言ではありません)
また、夜、電灯が使えないことも不便ではありますが、早寝早起きのこちらの人たち、停電の日は、夕飯を食べ終わったらすぐ就寝、朝は日の出とともに起きる、という人も多いので、それほど不自由は感じないようです。
寒い冬、日没後の停電時に、道路でたき火をして暖を取りながら、近隣たちが世間話に花を咲かせたり、暗闇の中ベランダに出てギターの練習を始めたりする光景も、見たことがあります。
ある意味、優雅な生活ですね。
こんな状態なので、長時間の停電でも、一般庶民にとっては、けっこうすんなり受け入れてしまえるのかもしれません。
電気のお話、次に続きます。