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1月のお題「各国トイレ事情」。
トイレの話を書き始めると、一冊の本が書けるのではないかと思うほどネタに尽きないネパールのトイレ事情。何回かに分けてアップしてみたいと思います。
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ガイドブックなどには、「ネパールでは他のアジア諸国と同じように、用を足した後トイレットペーパーは使わず、水できれいにする」というような説明がされていることが多いと思います。
実際、カトマンドゥをはじめその他多くの地域では、水の入ったひしゃくのようなものを右手で持ち、おしりを流しながら、素手(左手)できれいにするのが一般的です。(余談ですが、女性の場合、小の後は拭くこともせず、そのままお尻を振って水分(おしっこ)を切るだけで終わり、というのが一般的)
トイレットペーパーで後始末をする私たち日本人にとって、手動式ウォシュレットともいえるこの方法を試すには、勇気がいります。ネパールに住み始めて10年になる私ですが、この方法はいまだに未体験です。(今後、試すつもりもありません!)
しかし、かつて、知人の村を訪ねた際、これを機に、挑戦しようと心に決めたことがありました。
タマン族のその知人(女性)の村は、カトマンズからバスで1日、歩いて1日の山の中にあり、ネパールの村のほとんどがそうであるように、電気も水も引かれておらず、多くの村人が、自給自足の生活を営んでいました。
土で塗り固められた家には、トイレはありません。その村では、家にトイレを作る習慣がないのです。
では、どこで用を足すのかというと、屋外で。家以外の場所なら、どこでも排泄可能。ネパールには、いまだにそんな村がけっこう残っているのです。
そんな村でトイレットペーパーを使い、自然のもとに放置することに気がひけたため、ネパール流手動式ウォシュレットを試そうと心に決め、あえてトイレットペーパーは持たずに村に出かけたのです。
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村に着き、トイレ初体験のときがきました。とはいっても、先述の通り家にトイレはありません。
屋外で、人気のない、用を足すのに適した木陰を知人に探してもらい、連れて行ってもらうことからはじまります。
もよおしているのは大きい方。排泄後にきれいにする水がそろえば、いつでも青空トイレ開始可能です。
覚悟を決め、知人に水の用意も頼みました。すると、知人はあっけらかんとこう言ったのでした。「水を使うのなんて、カトマンドゥだけよ。私たちの村ではみんな、そんなもの使わないわ」
私「???」
よくよく聞くと、水場が近くにないこの村では、往復1時間かけて、毎日何度か山の下の川まで汲みに行っているとのこと。水は貴重なので、排泄後には、水など使わないというのです。
では、何でおしりをきれいにするのかというと、葉っぱか石!! 「どっちにする?」と笑顔で知人に聞かれ、愕然とする私。
こんなことならトイレットペーパーを持って来るべきだったとつくづく後悔しましたが、時すでに遅し。
似たような感触である、ということを基準に、葉っぱを選び、トイレットペーパー代わりに使うことに決めたのでした、、、。
しかし、葉っぱならどれでもよいというわけではないのが、また厄介なところ。村には、イラクサに似た植物も自生していて、間違ってこの葉っぱでおしりを拭いた日には、焼けるような痛みに長時間苦しむことになります。
おしりを拭いてよい葉っぱ、悪い葉っぱの見分けがつかない私は、村に滞在した10日間、便意を催すたびに、知人に葉っぱの採集まで頼まなくてはならず、自分の意思でトイレもできないことに、何とも無力さを感じたのでした(笑)。
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ネパールトイレ事情。今回は、とある村のトイレ事情を書いてみましたが、旅行で訪れるときには、葉っぱも石も使わなくて大丈夫ですので、ご心配なく!
次回からは、状況別トイレ事情を書いてみたいと思います。
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村のトイレの話 参考記事(私の個人ブログ):