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さだまさしが香港でコンサート

武田 信晃

武田 信晃

香港特派員

更新日
2015年5月5日
公開日
2015年5月5日
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「関白宣言」、「雨宿り」、「案山子」などたくさんのヒット曲を持つさだまさしが1980年、1982年以来につづく3度目のコンサートが5月2日、荃灣大会堂(Tsuen Wan City Hall)で行われました。

これは2011年3月11日に発生した東日本大震災で香港がいち早く義援金を送ってくれたという感謝の意味をこめたコンサートです。記者会見では「日本に留学する人への資金としても役立ててもらいたい」とも話していました。音楽作りについては「日常では言いにくいこと、言いたくても言えないこと、しらふでは言いにくいラブソングのようなこと、照れくさくてなかなかまじめにいえないことを、どう音楽に載せるかという苦労があります」とも。

記者会見のようす

コンサートは「案山子」から始まりましたが、彼のコンサートの楽しみの1つは曲目の間のフリートーク。3歳からバイオリンを始めた話、ドキュメンタリー映画『長江』のエピソード、それにまつわる借金、日本人最初のプロサッカー選手である弟の佐田繁理さんは香港プロサッカーリーグでプロになったことなど、お得意の「漫談」を披露。この面白さを香港人の観客に知ってもらうため主催者はレシーバーを貸し出して同時通訳をつけていました。

歌われた曲を見てみましょう。「関白宣言」は香港人のサンドラ・ランが「大女人宣言」という曲でカバーしたので香港人にも知られていますが、今回はそのアンサーソングである「関白失脚」が演奏されました。また、「北の国から~遥かなる大地より~」と「桃花源」はバイオリンを使って演奏したり、「秋桜」(ヨリンダ・ヤンが「深夜港灣」という曲名でカバー)などヒット曲を連発して演奏。アンコールでは、今年3月14日に映画として公開された『風に立つライオン』を歌ってコンサートは終了しました。ある歌手のコンサートに行くとミキシング技術が発達して生歌とCDの落差にがっかりすることが多いのですが彼の声は生歌とCDのギャップがほとんどない実力派の典型でした。

コンサートの印象について「感動した」などと書かれますが、そうではなく「エンターテイナーとしてすごい」という感じです。コンサートに参加した香港人女性は「初めて聴いた曲ばかりだけど歌が本当にすばらしかった。来てよかった」と話していたことがすべてをあらわしているのではないでしょうか。

聞かせる演奏をしてくれます

63歳のさだまさしですが、何とこのあとタフネスぶりを見せます。日本人学校小学部でNHKの『今夜も生でさだまさし』の生出演をしたのです。NHKおよびNHKワールドプレミアの放送で見た人も多いでしょうが、ここでも「さだ節」が全開。倍率15倍を勝ち抜いた15組30人の番組観賞者はただただ笑っていました。番組終了後はホワイトボードに書かれた香港の景色をバッグに記念撮影が許されみなさん思い出作りに励んでいました。

このホワイトボードに書かれた絵はまさに芸術

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