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日本人にとってはバンクーバーよりましなソチ五輪

武田 信晃

武田 信晃

香港特派員

更新日
2014年2月17日
公開日
2014年2月17日
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オリンピックも後半に入りましたが、日本ではソチ五輪一色かと思います。しかし、香港ではウィンタースポーツといわれても実感がわかない人がほとんどです。そりゃそうです、香港は亜熱帯に属するので雪が降ることはありえないのですから。雪を見るためにわざわざ海外旅行にいきますが、スポーツを体験するとなると、はやりハードルがあがります。

ということで前回のバンクーバー冬季五輪は地上波での中継はありませんでした。強いて言えばニュース番組のスポーツコーナーで短く扱うことがあったという程度です。例えば、香港在住の日本人は浅田真央とキム・ヨナの対決をテレビで見ることはできなかったのです。

ところが今回のソチ五輪では、開会式が生中継されました。そして中継はありませんが朝、ゴールデンタイム、深夜にハイライトが放送されることになりました。香港の現状を考えると画期的なことです。なぜかといいますと、香港代表が男子ショートトラック1500メートルで冬季五輪に参加したからです。選手の名前は呂品韜で、香港代表唯一の選手です。香港にはロンドン五輪の自転車で李慧詩が銅メダルを獲得するなど夏のスポーツの施設はあるのですが、アイスリンクはショッピングモールにあるだけで、練習には十分な環境ではありません。呂も韓国で調整をしていたほどです。結果は初戦で5位となり次のラウンドに進むことができませんでした。

その後、悲しいことが起こりました。足に故障があったのですが専属の医師がおらず自分で治療していたとのこと。これをメディアに語ったのです。香港のオリンピック委員会としては予算に限りがあることと選手村にも医者がいるということで専属医師をソチに派遣しなかったと反論。冬季五輪に参加する南国の選手の厳しさがあらわになった出来事でした。

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