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お知らせしたショーが今月14日から16日の3日間にわたっておこなわれました。
この歌舞伎スペクタクル、ベラージオホテルを持つMGM Resort社と松竹株式会社の協力、
そしてパナソニック株式会社の協賛によって行なわれたもので、舞台はなんとベラージオホテルの前にある湖(人造湖です)。
観覧は無料ですが、歩道側から噴水側に向かって立ち見で見物することになります。
公演は14日(金)が21:15、15日(土)と16日(日)は21:15と23:30の計5回で、1回のステージは30分。
ストーリーも仕掛けもぎゅっとつまった30分間、ラスベガスならではの「歌舞伎」を堪能できましたよ!
演目は夏のお芝居でもある「鯉つかみ(Koi Tsukami "Fight with a Carp")」。
舞台は琵琶湖、市川染五郎さん演じる志賀之助と中村米吉さんの小桜姫の踊りが、
春・夏・秋と移り行く季節を背景に繰り広げられます。
春から夏へ。
夏、水際を蛍がとびかっているようす。
そして季節は変わって秋の月夜。志賀之助は月に照らされた小桜姫の影が鯉であることに気づきます。
実は小桜姫は人間にフィアンセを殺されて恨みをもつ鯉の化身だったのです。
小桜姫は舞台のスクリーンで巨大な鯉のお化けとなって、志賀之助に襲い掛かる!
湖いっぱいに広がった噴水のウォータースクリーンで、縦横無尽に暴れまわる鯉の姿。
次々と現れる琵琶湖の鯉たちと戦う志賀之助。
闘いはついに水の中へ!
激しい戦いの末、勝利は志賀之助の手に。噴水はドドーンとお腹に響くうなりとともに、
ベラージオの32階まで届くんじゃないかと思うくらい吹きあがりました。
カーテンコールでは拍手喝采。スタンディングオベーションと言いたいところですが、
招待者席以外はもちろんみんな立ち見なので、すでに満場総立ちです。
小舟に乗って退場してゆく志賀之助と小桜姫。
ここラスベガスで歌舞伎を見られること自体素晴らしいことですが、それが斬新で
躍動感あふれるエンターテイメントになっていることにちょっとドキドキしました。
5月の記者会見の際に、染五郎さんは「(この舞台で)歌舞伎の底力、日本の底力をお見せしたい」とおっしゃっていましたが、
その通りベラージオの湖と噴水という舞台装置を見事に使いきった、ラスベガスならではの「歌舞伎」を演じていただいたことで、その大きな力を感じたように思います。
そして「伝統芸術」と「最新テクノロジー」という日本の誇る二つの力によって創り上げられたダイナミックなステージ、まさに日本の底力でもありますよね。
公演日には開始時間の2時間以上前から集まり始めた観光客や地元の見物人で、
噴水前の歩道はもう身動きも取れないほど。
夜とはいっても30度を超える気温の中で立ち見という公演でしたが、
3日間でなんと約10万人の観客を動員したそうです。来年はゴールデンウィーク期間中に歌舞伎をテーマにした「Japan KABUKI Festival in Las Vegas」の開催で、
歌舞伎公演やイベントが予定されています。
今回の「鯉つかみ」が大成功に終わったことによって、来年の公演に向けて大きく弾みがついたことでしょう!
来年も楽しみです。
■これまでの関連エントリー
○絶対に見たい!ベラージオの噴水を舞台にした市川染五郎さんの「歌舞伎スペクタクル- 鯉つかみ」[ May. 2015 ]