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バレンシア郊外ハティバの貴族ボルハ家(イタリアではボルジア)から出たローマ教皇
アレクサンデル6世は、ルネサンス期の世俗化した悪徳教皇として有名です。マキャヴェッリの
君主論にも登場するイタリア中で戦いに明け暮れスペインで命を落とした息子のチェーザレ(※)や、
父や兄と近親相姦の関係にあったと言われる娘のルクレツィアともども、オペラや小説、ドラマ、
映画、はては漫画にまでも描かれています。だいたい、なぜカトリックの聖職者に何人も
子供がいるのか(笑)
この教皇は、1485年に息子の1人であるフアンをローマからバレンシア郊外のガンディアへ
送ります。第2代ガンディア公となったフアンはガンディアに小さな宮殿を建てました
(このフアンは兄であるチェーザレに殺されたと言われています)。以後、18世紀の半ばまで
悪徳教皇アレクサンデル6世の子孫がここに住んでいました。幼いころから信心深かった
第4代ガンディア公のフランシスコは、妻の死後イエズス会の修道士になり、後には会の
総長に就き、死後99年で列聖されています。悪徳教皇のひ孫が聖人になったわけです。
宮殿は一般公開されており、このフランシスコが日々祈りを捧げた礼拝室も見学することが
できます。小さいながら、当時の面影を残した趣ある宮殿です。
そういえば、バレンシアの大聖堂にはあのゴヤが描いたフランシスコの絵画が2点ほど
飾ってあるんですよ。1点には修道士になる直前、もう1点には修道士になってからの姿が
描かれています。
ビーチリゾートとして有名で夏になると多くの人で賑わうガンディアには、
こんな歴史的モニュメントもあるのです(^^)機会があったらぜひお訪ねくださいね。
※ チェーザレについては、新潮文庫で塩野七生著の『チェーザレ・ボルジアあるいは優雅なる
冷酷』 が出ているほか、講談社の漫画モーニングで惣領冬実が『チェーザレ 破壊の創造者』を
不定期に連載中。この漫画は現在11巻まで発売されているそうです。私も読みましたが、
面白い!!。イタリア好きの方には特にオススメです。
Palacio Ducal de los Borja
住所: Carrer del Duc Alfons el Vell, 1 Gandía
WEB:http://www.palauducal.com/?i=es (英語、スペイン語、バレンシア語)
◆ガンディアの鉄道駅、バス停から徒歩7~8分。ビーチからは5kmほど離れています。
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