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皆さん、こんにちは!
12月も中旬に入り、朝、晩はロングコート、手袋、マフラー、毛糸の帽子が体を暖かく包んでくれる必需品となりました。
さて、日本人がイタリア(海外)へ出発し、いずれは暮らす目的として大きくあげられるのは、仕事、勉強、結婚です。
さらに勉強の場合には、私のような声楽(音楽)分野、語学分野、建築分野、料理分野、美術分野、ファッションなどに分かれます。
その後、現地で仕事をしそのまま移住し海外制覇か、帰国して、日本で錦かになります。
望月貴文さんは、留学後現地に残って活動をされて、フィレンツェに工房を持ち、成功された数少ない日本人です。
その日本木象嵌細工職人(Zouganista) 望月貴文さんのイタリア初展覧会へ行ってきました。
場所は、アバノテルメ(パドヴァ)、代々から続いている老舗のメネゲッティメガネのお店で行われました。
さて、木象嵌細工とはイタリアの伝統技法のひとつで木の表面を糸鋸で彫り、5,6色の異なる木を嵌め絵や模様を表すことを言います。
イタリアではフィレンツェを初め、ミラノの郊外やベルガモ付近などで木象嵌細工の仕事が細々と続けられていますが、最近ではこの仕事をするイタリア人職人が減少しました。
その仕事を日本人の望月さんがフィレンツェでされているのです。
これは、大変素晴らしいことだと思います。
私は、以前ナポリから列車で約1時間ほどで到着するソレントへ仕事に行ったときに、インタルシオというソレント名物の寄木細工を沢山見たことがありました。
インタルシオとは、これもイタリアの伝統技法のひとつで、薄い木で切り合わせた絵を厚い板に専用の機械で圧着させつや出し加工をすることを言います。
ソレントの大聖堂にはキリストが自ら十字架を運びゴルゴダの丘で処刑されるまでの過程が場面ごとにインタルシオで描かれていました。
イタリアの教会には、天井や祭壇もインタルシオで装飾されているところがあり、寄木好きな人は必見です。
私はお土産に、オルゴール付きのジュエリーボックスを購入しました。
家具なども売っています。
木象嵌細工の作り方とは若干違いますが、どちらもイタリアの伝統を誇る貴重な文化作品の一つです。
さて、当日の展覧会の写真を撮りましたので、良かったらご覧ください!
当日は、実際の作業のデモストレーションパフォーマンスが行われました。
望月さんは、なんと身長が190センチメートル近くあり、それなのに4,5センチの紅葉の形を糸鋸で丁寧に作っていました。
このギャップがとても印象に残り絵になっていました。
ゆっくり話をされるとても落ち着いた印象で好感度抜群のイケメン望月さんでした。
望月貴文さんに独占インタビューをさせて頂きました!
木象嵌細工職人になりたいと思いイタリア、フィレンツエを選んで留学したきっかけを教えて頂けますか?
(望月さん)
日本でも家具関係の仕事をしていたのですが家具のもっと深い部分を学びたいと思い、アンティーク家具の修復に興味を持ちました。
修復を学ぶ環境が整ったFirenzeを選び、修復の工房で2年間ほど勉強しました。
木象嵌細工は修復の技術の一部でその工房のマエストロが得意としている技術だったんです。
木象嵌細工職人になるのは、幼いころからの夢だったのでしょうか?
また幼いころから美術は好きだったのでしょうか?
(望月さん)
祖父も父もプレス金型職人なので幼い頃から職人仕事には興味を持っていました。ただその頃の夢はスポーツ選手。
美術も5段階評価で大体が4。可もなく不可もなくといった感じです。
大学では違った分野の勉強をされたと聞きましたが、この仕事を選んだきっかけを教えて頂けますか?
(望月さん)
大学は経営学部でしたが在学中から家具職人という仕事に興味を持ち大学卒業後1年間インテリアの専門学校に通いました。
その後、家具職人という仕事では就職が難しく家具メーカーの営業職につきました。
そこでいろいろなお客様に接するうちにもっと家具のことを知らなければと思ったんです。
そして、質問1のような経緯で木象嵌細工に出会いイタリアはもちろん、ヨーロッパ各都市の有名な木象嵌細工を見て回りました。
それらを見てこの技術の素晴らしさと可能性を感じたのですが技術自体は職人さんがいなくなり滅びつつあるという現状。
ならば自分がと決心し、職人としてこの技術を伝えていくという道を選びました。
現在のフィレンツエの生活はいかがでしょうか?
(望月さん)
古い町なので不便なところも多いですがその古さの活かし方を少しずつ学んできたのでだいぶ快適にはなってきました。
木象嵌細工職人になられて、初めての作品はなんだったのでしょうか?
(望月さん)
イタリアでも有名な葛飾北斎の富嶽三十六景を選び、マエストロに許可をもらって工房で制作させてもらいました。
今考えてもとても難しいものだったのですが周りの職人さんたちも興味を持ち始めてくれて完成の頃にはすっかりベテランの職人さんたちとも打ち解けることができました。
今回の展覧会のテーマは何でしょうか?
(望月さん)
テーマは「和(日本)」
今はほとんどいなくなっている木象嵌細工職人を日本人がやっているということに興味を持っていただきこの展示会のきっかけになったのですが
イタリアの伝統技術を通した和のデザインや繊細な感覚がお互いにとても新しいと感じたんです。
日本では、どこで展覧会をされましたか?
2011年 テーマ(逸話) 東京 早稲田スコットホールギャラリー
2012年 テーマ(融和) 東京 A.S ANTIQUES GALLERY代官山
2013年 テーマ(出帆) 東京 A.S ANTIQUES GALLERY代官山と京都町家ギャラリーまほら
今後の、計画、企画を教えて頂けますか?
(望月さん)
しばらくはFirenzeの工房を拠点に展示会等をしながら木象嵌細工という技術を知っていただく活動をしていきます。
今は小さなモノが多いのですがテーブルや収納、扉など大きいモノが出来るようにしていくつもりです。
近々の企画ではファーストシューズデザイナーとの二人展をFirenzeで行います。
革・木、ファッション・インテリアとジャンル・マテリアルの壁を越えた異色のインスタレーションになると思います。
開催情報
Exhibition "Circus" Hisashi Hidano Baby × Zouganista
via del moro 56r,Firenze
2015年 1月10日(土)〜16日(金)
(Pitti Uomo開催期間中)
ちなみに趣味・スポーツはサーフィンで夏にはForte dei Marmiでサーフィンをしたりしています。
ありがとうございました!
フィレンツエの工房
展覧会の望月さん
フィレンツェの工房
ネットでもご購入できるそうです。
詳しいお問い合わせはこちらまで
(フィレンツェ工房)
Via dei Cardatori, 20r 50124 Firenze
カルダトーリ通り、20番rフィレンツェ
電話番号 3318223767
mail@zouganista.com
www.zouganista.com
フィレンツェに来られるときにはぜひ立ち寄って見てください!
ケイコ