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8月24日付、在ネパール日本大使館からのお知らせを転載します。
===以下転載===
ネパールにおける感染症情報(ツツガムシ病 Scrub typhus)
ネパール国内において、今年7月上旬から76例のツツガムシ病患者が確認され、8月中旬の段階で少なくとも2人の死亡例が報告されています。
ネパールでは、2004年にカトマンズ市内で初めてツツガムシ病と診断された患者が発生しました(パタン病院において頭痛と高熱症状のカトマンズ在住ネパール人)。ツツガムシ病は、ダニを媒体として感染する病気で、診断や発見に特殊な検査が必要です。「腸チフスtyphoid」の症例とよく似ているため誤診される可能性もあり、また、近年、ツツガムシ病患者の診断報告数及び死亡者数の報告も増えてきていることから、実際の患者数はもっと多く潜在していると考えられています。
現在、ネパールでは、西部及び南部での症例報告が多いようですが、カトマンズ市内でも例外ではありません。肌を露出した状態で藪や草むらのなかに入らないよう十分注意にしてください。ツツガムシ病に対する予防接種はありません。
○なぜ注意しなければならないのか
・初期は、頭痛と高熱だけの症状であることが多く、当地で一般的な疾患である「腸チフス」や「インフルエンザ」と誤診されやすい。
・適切な抗生剤(doxycycline, minocycline, tetracyclineなど)によって、早期に治療開始しなければ死に至る確率が高い。
・腸チフスなどの治療に使用する一般の抗生剤ではツツガムシ病は治癒しないので、適切な初期治療の時期が生死を分ける可能性がある。
・確定診断のための検査は、特殊で高価であるため、医師が積極的に疑わない場合にはツツガムシ病の検査を行わないことが多い。(特に小さな医療機関)
・医療機関では、特に大腿部を露出してダニの刺し口をさがす必要があり、肌を露出することを躊躇することで診断が遅れてしまうことがある。
○高熱と頭痛といった症状が3日以上続くときには
・出来るだけ大手の医療機関を受診してください。
・主治医にツツガムシ病の検査を依頼してください。
○参考
ツツガムシ病についての日本語での詳細については、国立感染症研究所の以下のサイトを参考にしてください。
日本においてもツツガムシ病の診断が遅れて、死に至る症例が例年あります。
http://idsc.nih.go.jp/idwr/kansen/k02_g1/k02_13/k02_13.html
===以上転載===
ツツガムシ病他、ネパールでは、日本ではかかることもない感染症にかかることがあります。
私の体験談で恐縮ですが、、、
昔、旅行者として3回目のネパールを訪問し、10日ほどの滞在を終え日本に帰国したあとのことです。帰国後もしばらく軟便が続き、2週間ほどたった後、体温計では測りきれないぐらいの高熱が出、苦しみました。解熱剤も効かず、頭がかち割れるかと思うほどの痛みが続き、悪寒で震えが止まりませんでした。
自宅近所のクリニックで点滴を打ってもらうもよくならず、総合病院への紹介状を書いてもらい受診したところ、そのまま即、感染病棟で隔離入院させられることに。
当時の法定伝染病の規則に従い4週間隔離されたのですが、検査の結果、「パラチフス」「ジラルジア」「イソスポーラ」に感染していたことが判明したのでした。
中でも、日本におけるイソスポーラ感染例は稀なそうで、学会ネタにされたことがあります(苦笑)。
短期滞在の旅行者でも感染症にかかる恐れがあるということ。心のどこかで気にとめながら、旅行を楽しんでください。