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香港のアカデミー賞である金像奨(Hong Kong Movie Awards)で、2016年に作品賞を受賞した「十年(10 Years)」が7月22日より新宿にあるK's cinemaを皮きりに全国順次公開されることになりました。
映画は大体大手映画会社が製作した作品が受賞しますが、この作品は50万香港ドル(約750万円)というインディー作品であったというところに価値があります。小さな作品だったので、公開最初は単館上映で注目されていなかったことがわかるかと思いますが、観賞をした人による口コミやSNSで広がって上映館が増えたり、近所のコミュニティー施設で上映会を開催などもして香港で大きな話題となりました。その映画が日本に上陸することになり、日本の香港映画ファンでも喜びの声が上がっています。
香港人の共感を呼んだのは、10年後の香港の姿がかなり現実的に起こりそうな形で描がれている点です。『エキストラ』、『冬のセミ』、『方言』、『焼身自殺者』、『地元産の卵』という5作のショートムービーで、5人の新鋭映画監督がメガホンを取っています。いずれも新進気鋭の監督なので、新しい映画の形で将来の香港を表現していると言えるでしょう。
ちょうど2017年7月1日で香港は中国返還20周年を迎えた節目の年です。香港映画といえばジャッキー・チェンのアクション映画を思い浮かべがちですが、今の香港を知る上でも見る価値が高い映画だと思います。