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「大坑ファイヤー・ドラゴンダンス」、2017年は10月3~6日まで

武田 信晃

武田 信晃

香港特派員

更新日
2017年9月23日
公開日
2017年9月23日
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毎年旧暦の8月15日から3日間は、MTR天后(Tin Hau)駅の南側にある浣紗街(Wun Sha Street)周辺で「舞火龍(Fire Dragon Dance)」が開催されています。2017年は10月3日~6日です。実は筆者は火龍の儀式が行われる蓮花宮という廟のすぐそばに住んでいたことがあるので、毎年見る事ができました。

これが始まったきっかけですが、1880年の中秋節の前日に台風が香港を襲います。漁村だった大坑村は(まだ埋め立て前だったので、村の近くに海岸線がありました)、被害を受けただけでなく、裏庭で飼育していた家畜はニシキヘビに食べられてしまいました。そこで住民はニシキヘビ駆除します。しかし、ニシキヘビの死体が消えたとほぼ同時に、感染病が発生し大勢の村民が死亡したので、復讐として伝染病が起こったのだと村民は考えます。「中秋節間、ファイヤー・ドラゴンダンスを踊って爆竹を鳴らせば、疫病を追い払える」と仏陀からのお告げがあったと村の長老と語ります。村民は早速「火龍」を作り、3日3晩踊り続けると伝染病がなくなったという言い伝えです。

昔は藁で作られていましたが、今は珍珠草で釣られています。ドラゴンの大きさは全長約67メートル、32個の節があります。歯の部分は鉄で作れている事もあり、総重量は100キロを超え、頭の部分だけでも48キロあります。ダンスの後、昔は銅鑼湾(Causeway Bay)の台風シェルターに捨てられていましたが、環境汚染のことあり、火で燃やしています。

大量の線香に一気に火をつけそれを胴体に刺していきます。ダンスは20時15分から本格的に開始されます。沿道にはたくさんの人で熱気にあふれていますし、煙がすごいのでハンカチがある方がいいでしょう。また、火の粉が結構飛んでくるので気をつけて下さい。踊りが一定の時間がたつと線香が皆さんに配られます。その間に、再び大量に線香に火をつけて、再び龍の本体に刺して再び舞が始まります。太鼓とシンバルに合わせた踊りは迫力満点で、ランタンを持った子どもたちも龍の近くを歩くので、華やかな雰囲気にもなります。

筆者が現地に住んでいたのは15年近く前ですが、当時は、自動車の板金屋、ローカルな床屋などでした。しかし、ここ7、8年、お洒落な店が並ぶようになり雰囲気が一気に変わりました。ローカルなイベントとお洒落な店というある意味、対照的なものを同時に体験できる=そう言う意味でも香港らしいイベントだとおもいます。

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