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58本の十字架に癒される-銃乱射事件から1カ月たったラスベガス #VegasStrong

石川 葉子

石川 葉子

アメリカ・ネバダ州特派員

更新日
2017年11月9日
公開日
2017年11月9日
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58人の方が亡くなり、500人以上の方が負傷したアメリカ史上最悪となったこの惨劇は、簡単に言葉で表せないほど衝撃的な出来事でした。10月1日の前と後では、ラスベガスで何かが大きく変わってしまったと感じている人も少なくありません。

しかしここはホスピタリティあふれる街。深い悲しみの中にありながらも、この大きな悲しみを癒すために「何かをしなければ!」という気持ちに突き動かされた人たちが素早く行動を起こして、ラスベガスというコミュニティに癒しの輪を広げています。

〇ラスベガスコミュニティ ヒーリングガーデン

事件からわずか5日後の10月6日、ダウンタウンのアートディストリクトの一画に「ラスベガスコミュニティ・ヒーリングガーデン」がオープンしました。

造園ビジネスを営むJay Pleggenkuhle氏の手によって空き地を利用して作られたこのガーデンは、亡くなった方々の形見や思い出の品が集められたあたたかい場所。

1本の木を中心にしてその周りに作られた木の壁、それを囲む遊歩道と58本の木々で守られたこの場所は決して広くはないけれど、58人の方々の思い出がぎっしりと詰まっています。

〇ラスベガス・ウェルカムサインに並ぶ58の十字架

いつも観光客でにぎわう人気スポットの「Welcome to Fabulous Las Vegasサイン」、今は追悼に訪れる人であふれています。

10月5日、ここに58本の十字架がずらりと並べられました。

これはシカゴに住む元大工さんのGreg Zanis氏による手作りの十字架。2日間で58本を完成させて自ら車でラスベガスまで運んできたのだそうです。

白い十字架の1本1本には大きな赤いハートとともに亡くなった方の名前がしるされています。

それぞれの十字架には、様々な想いの込められた写真や国旗、花や飾りがいっぱい

これらの十字架は今週11月12日に、この場所から終の棲家となるクラーク郡博物館に移されることになっています。

〇壁いっぱいに並ぶ58個のハート

こちらは10月23日に民家の壁にお目見えしたグラフィティ。

壁にずらりと描かれているのは亡くなった方ひとりひとりの名前が入った光り輝く58個のハート。

よく見ると、ハートは全部つながっています。ここにも「ひとりきりじゃないよ、みんなここにいるよ。」というメッセージが。

〇癒されるラスベガスの今とこれから

現在も募金・寄付・献血などは引き続き行われていますが、それだけでなく、このように犠牲となった方々の魂を癒し、さらには残された私たちも癒されることで、ラスベガスが悲しみから回復できるのだなと強く感じています。

そして、事件の3日後、10月4日からスタートしたラスベガスの新しいテレビスポット広告では、テニス界のレジェンド、アンドレ・アガシ氏(ラスベガス出身)によるメッセージが淡々と、しかし力強く、真っ暗な画面に響きます。

「What is strengh? (強さとは?)」という問いかけから始まり、

最後に、「強さ」とは「(ラスベガスのコミュニティが)ひとつにまとまって立ち上がること」であり、その「強さ」によって、この街が立ち直れるのだと締めくくられていて、心にがつんと響いてきました。

#VegasStrong

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