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世界遺産でもあるヨセミテ国立公園は、年間500万人以上の観光客が訪れる、そのほとんどが春から秋にかけてのシーズンだ。 冬場はまさにアンセル・アダムス(Ansel Adams)の世界で、冬のヨセミテは一年で最も神秘的な季節だ。
静かなヨセミテ公園の2月にほんの数日賑わう場所が、高さ2307m地上で最も大きな一枚花崗岩 『エル・キャピタン(El Capitan)』 いつみても"さるかに合戦"の臼どんみたいに見えてしまう。
冬場エル・キャピタン東側から流れる 『ホース・テール滝(Horse tail Fall)』 というのがある。 2月20日前後の日没の頃、この滝に夕日があたり滝がオレンジ〜赤く輝いて見える自然現象がある "ファイア・フォール(Fire Fall)" とも呼ばれている 今年は2月26日がベストの日だったのが "雪の予報" だったので急遽前倒して前日行ってみた。
『自然の火の滝(Natural Fire Fall)』 とも言われているこの現象は、1968年に中止になったが、かつてホテルのあった『グレシャー・ポイント(Glacier Point)』から燃えた樅の木のクズを落としていた客よせイベントがあった。 落ちていく炎がまるで滝の様に落ちていく様子を "火の滝(Fire Fall)" と言っていた。 夕日が滝に反射し、まるで火の滝のようなので、自然のファイア・フォール(Natural Fire Fall)と呼ばれている。
日没の5時半頃に間に合えばいいのだけど、場所取りもあるので4時頃近くにトイレもあるピクニックエリアに陣取る。
オネエ二人が「あらっ?ここ川なんじゃない〜」と嫌な事を口走る。
そうなんですよ、この段階でお察しいただけたと思うのですが、今年滝の水が無かったんです! それでも糸こんにゃくみたいな白い筋が見えていた様な気もするし、17:30から15分ほどの年に一度の赤く燃える馬の尻尾の様な滝を写真に収めようと人が集まる。 日が当たってる間は少し暖かいけど日が陰ってくると一気に冷え込んできた(日没時の気温は3℃となっていた)
少しずつ日が当たっている部分が細くなってきている。
尻尾じゃなくて馬のお尻みたいに丸くなってしまった。
もちろんオレンジの滝は見ることはできない。
一本でも見えないか拡大した。 もちろん無い。
誰となく帰り支度を始める。
終了。
自然現象とはそういうもんだ。 今年は気温が低くあまり雪が溶けていなくてほとんど水が落ちていなかった。 見れたらそれに越した事はないけど、それに文句をいうわけでもない。
逆に普段は日帰りで分からなかった日没の頃の急激な気温変化を体験し、いつもとは違う太陽の角度で珍しい風景も見ることができた。 文句の多いオネエ達も妙に満足していた(ようだ)
あるご婦人が反対側を指差した
針葉樹の深い緑と雪に反射したオレンジ色の夕日、群青色の空に白く少しぽっちゃりした半月、僅か4色でこんなに素敵な風景ができていた。
このホーステイル滝近くの駐車場は、この時期は入場制限があり先着順で許可書を申し込まなければならないが、苦でなければ少し遠くに止めてトレイルがてら歩いてもいい。
夕方6時頃の空の様子。
少しずつ日は長くなっているけど、未だ冬の景色満喫できるヨセミテ公園。
期間限定のヨセミテの風景、
来年この時期にヨセミテ公園に行く予定があるのならば、是非みて欲しい!
様子も分かったので来年チャンスがあればリベンジしたい。
【Horse tail/Fire Fall】