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ネパール中部パルパ郡、標高約400mのカリガンダキ川沿いにある、ネパールのタージマハルと呼ばれる、廃墟「ラニマハル」(王妃の宮殿)。
1893年、当時の将軍であったカドゥガ・サムセル・ラナが、亡くなった彼の最愛の妻を想い建てた宮殿であると言われています。
しかし、1902年に将軍はこのラニマハルを離れインドへ移り住んだため、宮殿は無人となってしまったとのこと。
今でこそここまで通じる車道(未舗装)ができていますが、当時は車道などなく、周辺に民家もなく非常に不便な場所ということもあり、そのまま長いこと放置され廃墟と化していきました。
近年になりネパール政府が宮殿の再建と修復に乗り出し、ある程度は管理され、知る人ぞ知る観光地としても注目を集めつつあります。休日になるとネパール人見物客がたくさん訪れるそう。
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標高約1350mの山の斜面に栄えた町「タンセン」から北に約14km程離れた場所に位置するラニマハルまでは、公共交通車両は出ておらず、道も悪いためジープをチャーターしていくのがベター。
道中、途中ポツリポツリと小さな集落を通り過ぎますが、それ以外は山の中を走ります。こんな辺鄙な場所に本当に宮殿があるのだろうか、という不安を感じながら標高を下げて進むと、突然立派な宮殿が現れ、異次元に迷い込んだ錯覚を感じます。
高原の気候だったタンセンに比べ、標高約400m程しかないここに降り立つとむわっとした空気の違いを感じるのも、異次元感を盛りたてます。
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秘境&廃墟という冒険心をくすぐる条件がそろったラニマハル、宮殿内にも入ることができます。しかし、中はがらんとしていて、家具などは一切なく、外観からの異次元さと比べると、さほど感動はありません。
宮殿からはすぐに川に降りられるようになっています。ラナ将軍家族が暮らしていた当時、ここから降りて洗濯をしたり水浴びをしていたりしたのだろうかと、昔に思いをはせてみます。
対岸には車道を作る工事が進められており、カリガンダキ川にかかる人用の吊り橋の向こうには、車用の橋も建設中でした。
近い将来観光地として整備されてしまうと、今の様な秘境感は感じられなくなるでしょう。是非今のうちに訪れてみてください。