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Sut mae!
皆さま、はじめまして。ウェールズ特派員ブログを担当させていただくことになりました、キャノン純子です。イギリスのなかでもあまり知られていないウェールズの魅力や旅行に役立つ情報を現地よりお伝えしたいと思います。よろしくお願いいたします。
私が住む町、ウェルシュプールのおすすめ観光スポットとアクセス情報をご紹介します。ウェルシュプール(ウェールズ語: Y Trallwng)はウェールズとイングランドの国境から約6.5kmに位置する中部ウェールズ、ポウィス州の町です。セヴァーン川の低地にあり、ウェールズ語名のY Trallwngは「湿地または沈む土地」を意味します。町にはタウンホールなど、ジョージ王朝時代の建築物が多く残り、ポウィス城や蒸気機関車、運河クルーズの観光拠点として、夏は多くの観光客でにぎわいます。
ウェールズは日本の四国と同じくらいの大きさですが、確認されている城(城址も含む)の数が641もあり、城の密度は「世界一(※ウェールズ政府公式サイトによる)」を誇ります。そのひとつがウェルシュプールのポウィス城で宮崎駿監督が映画『天空の城ラピュタ』を制作する際、ウェールズを訪ねて大いに参考にしたと公式発表していることから、このポウィス城も映画のモデルになったといわれています。
城は13世紀中頃に頑強な要塞として建てられましたが、歴代の所有者によって改築が行われ、18世紀から19世紀に現在の優美な宮殿風の姿となりました。城内は豪華な内装だけでなく、東インド会社の事業で財を成したロバート・クライブとその息子エドワードがインドから持ち帰った調度品や美術品の数々で贅沢に装飾されています。
クリスマス時期は城内もクリスマスの飾り付けがされ、一部撮影が可能でした(通常は撮影不可)。
また、美しく壮大な庭園もこのポウィス城の見どころです。小高い丘の上に城が築かれているため、庭園は斜面を利用したテラス式に造られていて、巨大なイチイの生垣がたくさんあるのが特徴です。一歩足を踏み入れれば、目の前に広がるラピュタの世界観にテンションが上がること間違いなしです。テラスからはウェールズの雄大な景色も見渡せます。
1952年、最後の城主ハーバート伯爵の遺志により、ポウィス城は景観保護団体のナショナル・トラストに寄贈され、現在は同団体が所有および運営を行ない、一般公開されています。
入城料: 大人£14.20 小人£7.10(2020年1月現在)
■Powys Castle and Garden : National Trust
・住所: Welshpool SY21 8RF
鉄道発祥の地、機関車トーマスの故郷でもあるイギリスには今でも100以上の保存鉄道がボランティアによって運営されています。そのひとつがウェルシュプール&スランフェア鉄道で、イギリスでも今では珍しいナローゲージ(線路幅762㎜)をかわいい小さな蒸気機関車が走っています。
車窓からは緑豊かなウェールズの丘陵地に羊や牛、馬が草をはむ長閑な放牧風景が楽しめ、蒸気機関車の心地よい揺れや汽笛の音、時折、車内に入り込んでくる煙が旅情気分を一層盛り上げてくれます。
機関車は全長約14kmのウェルシュプール~スランフェア間を約50分とゆっくり走行するため、途中、村人や子供たちと手を振り合ったり、美しい景色の撮影を楽しむことができます。また両駅での折り返し時には、SLの回転作業や給水の様子などが間近で見学可能です。
スランフェア駅(Llanfair Caerenion:地元ではランバー カレニオンと発音します)にはティールームがあるので待合時に軽食やお茶を楽しめますが、フィッシュ&チップスやウェルシュティーがサービスされる食堂車や、イースターやハロウィン、クリスマスなどのイベント車両が編成されるスペシャルデーもあり、いずれも事前の予約が必要なほど、観光客に大人気です。
往復乗車料: 大人£14.80 小人(3〜15歳)£5 (2020年1月現在)
■Welshpool&Llanfair Railway Preservation Co Ltd
・住所: Raven Square, Welshpool SY21 7LT
・URL: https://www.wllr.org.uk/
イギリス国内には網の目のように張り巡らされた運河網が約3500kmもあります。モントゴメリー運河もその一部で、 世界遺産のポントカサステ水路橋で知られるランゴレン運河からウェルシュプールを経由し、隣町のニュータウンまでの約53kmを流れています。
ナローボートとは、この狭い運河に合わせて設計された「屋形船」のようなレジャーボートで、昔は貨物輸送に使われていました。このナローボートで運河や川下りを楽しむのは、イギリス人にとっても贅沢な余暇の過ごし方といわれています。
ウェルシュプールでは春から夏の間、週末だけですが、この人気のナローボートで2時間のショートクルーズを気軽に体験できます。時速約6kmでゆっくり航行するナローボートからは水面で遊ぶ白鳥や水鳥、草花などが間近で見られ、陸上からとは、また違うウェールズの風景をのんびり楽しめておすすめです。
乗船料: 2時間定期クルーズ 大人£8 小人(2〜15歳)£4(2020年1月現在)
■Heulwen Trust
ウェルシュプールへのアクセスは車、バス、電車の3通りです。
【1】車の場合
以下のウェルシュプール案内所の住所をナビに設定して、お越しください。案内所の隣には予約不要の州営有料駐車場もあります。
■Welshpool Tourist Information Centre
・住所: Welshpool SY21 7DD
[所要時間の目安]
ロンドン~ 305km(約3時間45分)
バーミンガム~ 110km(約1時間30分)
【2】バスの場合
ロンドンのヴィクトリアコーチステーションからウェルシュプール行きの長距離バスがバーミンガム経由で1日1便運行されています(所要時間5時間50分)。時間はかかりますが、どの方法よりもリーズナブルに訪問できます。また、長距離バスの発着場所は案内所前なので便利です。
往復割引や事前予約割引などもあるので、ご利用時にはバス会社National Expressのホームページ(https://www.nationalexpress.com/en)を確認されることをおすすめします。
【3】電車の場合
ロンドン・ユーストン駅から途中、バーミンガム経由または乗り換えのウェルシュプール行きが1〜2時間毎に運行されています(一部、シュルーズベリー駅乗り換えもあり)。 バスに比べ料金は高く、乗り換えも必要ですが運行便が多く、所要時間3時間10分というのがメリットです。また、イギリスは列車の往復割引や事前予約の割引率が高いので、それらを上手く使って、おトクに利用できます。列車のスケジュール確認やチケット手配は、こちらのサイト(https://www.thetrainline.com/train-times/welshpool-to-london-euston)を参考ください。
ウェルシュプール駅から案内所や町の中心部、タウンホールまでは徒歩約10分(600~700m)です。
ウェルシュプールの町には、創業約300年の老舗ホテルThe Royal Oak Hotelがあります。町のメインストリートのブロード通りに建っていて、観光にも便利です。2010年にエリザベス女王とフィリップ殿下がウェルシュプールへお越しになられた際、昼食会が催された場所でもあります。
■The Royal Oak Hotel
・住所: The Cross, Welshpool SY21 7DG