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3月3日といえば日本ではひな祭りですが、ブルガリアではそれとはまったく違った国民の祝日です。
この日はブルガリア解放記念日、ブルガリア国民にとって非常に大きな意味をもっています。
2020年の今年は私もソフィアで3月3日を迎えたので、ソフィアにおけるブルガリア解放記念日の様子をお伝えしたいと思います。
ブルガリア解放記念日って何?
ブルガリア解放記念日とは1878年3月3日に露土戦争にてロシア軍がトルコ軍に勝利し、サン・ステファノ条約を結んだことをきっかけにブルガリアが自治公国として独立した日です。
いい換えれば、ブルガリアが約500年に渡るトルコ(オスマン帝国)の支配から解放された日ともいえます。
トルコとブルガリアは宗教も言葉も違うため、その支配下ではブルガリアの主要な宗教であるブルガリア正教(キリスト教の一派)の言葉も否定され、肩身の狭い思いをしてきました。
けれど約500年という長い年月その支配下におかれながらも、ブルガリア独自の言葉や文化を絶やさずに築いてきたブルガリア。
この点からブルガリア人の国家への愛を感じることができます。
そんな愛国心に溢れたブルガリア人は、この解放記念日には自宅の窓や、門、ベランダなどにブルガリア国旗をよく掲げています。
解放記念日前には写真のように道端や商店でブルガリア国旗を売っているところをよく見かけます。
ブルガリア解放記念日って何をするの?
先ほど説明した露土戦争では多くのブルガリア人、ロシア人兵士が犠牲となったためその追悼式典が毎年執り行われています。
ブルガリア国内各地でセレモニーが開催されますが、特にソフィアの解放者祈念像の前とカザンラク付近のシプカ峠では盛大なセレモニーが執り行われます。
朝からテレビでは多くの特番が組まれ、セレモニー前のシプカ峠や解放者祈念像前、祈念像のすぐ近くにあるアレクサンドルネフスキー大聖堂の様子などが映されていました。
当初は取材の意味も込めてセレモニーを観に行こうかと考えていましたが、現在の新型コロナウイルスの広まりや一部で囁かれているアジア人差別などの影響を考慮し、センターに近づくことは危険と判断し、テレビ中継を鑑賞。
11時からソフィア聖堂前の無名戦士の墓にてセレモニーが始まり、それに合わせて空砲が鳴り響きました。
厳粛なムード、多くの観客、制服に身を包んだ衛兵さんたちの凛と張り詰めた様子。
それを見て、気軽に見に行ける類のものではなかったと実感しました。
もし当日観に行かれる方は周囲のブルガリア人に倣ったマナーなどを心がけましょう。
メインのセレモニーはソフィア解放者祈念像前にて18:30から開始されており、ほぼ1日がかりでセレモニーが執り行われていました。
ソフィア市内を観光で訪れる方に関係ある場所としてはアレクサンドルネフスキー大聖堂・ソフィア聖堂かと思いますが、この日は人込みも予想されるため行かないことをおすすめします。
ブルガリア解放記念日の町の様子は?
セレモニーの始まる時間帯には一部道路が封鎖されていました。
具体的な封鎖状況に関してはソフィアの中心部の交通情報に関する公式Webサイト(Urban Mobility Centere)に記載があるためそちらをご参照ください。
封鎖されるのは道路のみで地下鉄は通常通り運行していたのでこの日、中心部を移動される場合は地下鉄の利用がおすすめです。
セレモニーが行われる場所以外ではあまり普段と変わらない様子で、公園には親子連れがあふれていたり、レストランなども通常営業をしていました。
なので町に出るのが危険などの感覚はありませんでした。
この日にブルガリアを観光目的で訪れる方はセレモニーの時間や場所、道路状況に配慮しつつ、観光をお楽しみください。