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【新型コロナウイルス】イギリスの現況&政府の方針(2020年3月13日現在)

小野 雅子

小野 雅子

イギリス特派員

更新日
2020年3月13日
公開日
2020年3月13日
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イギリスでもいまだに衰える兆候のない新型コロナウイルスCOVID-19。本日2020年3月13日現在での国内感染者数は798名(うち死亡者11名)と、ついに日本国内での感染者数(ダイアモンド・プリンセス号やチャーター便を除く)を超えてしまいました。

また上記の数字は検査を受けた人々の結果にすぎず、自覚症状があまりないため検査をしていないが実は感染している人は1万人を超える可能性があるという専門家もいます。

イギリス政府は現在の状況について、もはやウイルス拡散の阻止ではなく感染ピークを遅らせることに重点が置くことを発表。国民には「咳や高熱のある者(新型コロナウイルスと診断されなくとも)はすべて、最低1週間の自宅待機をする」よう指導しています。

なぜ感染ピークを遅らせることを重視するかというと、まず例年より国民医療機関(ナショナルヘルスサービス:通称NHS)の繁忙期が冬そして春先まで続くため。現状のままだと1ヵ月後に感染ピークに達するとの推測があり、それを6月ごろまで引き延ばせれば病床数などの施設や人員数という点において多少なりとも対応しやすくなるという見解です。

なお隣国アイルランド共和国では学校や公共施設の閉鎖に踏み切りましたが、イギリスは今のところ公立校の休校などは行われていません。休校によって感染数を15%減らすには最短でも13週が必要という試算もあり、また若年層は比較的このウイルスで重症にならないこと、そして休校によって共働きの両親が子供を祖父母(高齢者でハイリスク層)に預ける事態も望ましくないことなどが、イギリス政府の論拠となっています。

また大勢の観客が詰めかけるスポーツイベントに関しても、現時点ではイギリス政府は禁止していません。もしそのような措置をするとパブのような小さい室内に観戦者が集い、かえって逆効果だとしています。とはいえ各団体が自主的に中止や延期を発表しており、本日はついにサッカーのプレミアリーグが4月上旬まで中断することを決定しました。

まだ未知の要因が多いウイルスだけに専門家の推測もさまざまな見解があり、試行錯誤しながら進んでいる状態です。

イギリス国民医療機関NHSによるCOVID-19公式Webサイト

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