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2020年3月17日からロックダウンが続くサンフランシスコ。アメリカ合衆国では、新型コロナウイルスに感染する数が増加を辿り、3月26日には、ついに感染者数が中国やイタリアを超える事態となりました。
今回のコラムではロックダウン3週目を迎えたサンフランシスコの様子をレポートします。
USA全体の感染者が中国・イタリアを超える事態に
まず3月26日に、USAの感染者数が世界一に躍り出ました。これは、以前は国が行っていた感染テストが3月から各州で行えるようになり、ニューヨークをはじめ、感染テストを数多く実施しはじめた結果によるもの。
WHOのアドバイスどおり、できるだけ多くのテストを行い、感染者を割り出して隔離するという対策が普及している証拠になります。
また、わずか15分程度で結果が分かるテストがFDAで認可されたのもこの週です。4月1日から実際に、このRapid Testの実施がはじまりました。
カリフォルニアの出来事
3月19日に、カリフォルニア州全土にStay at Home order(自宅待機令)が出されました。これはサンフランシスコがこの指示を受けてからわずか3日後のことになります。
4月1日には、カリフォルニア知事が、全公立学校を来年度まで休校することを正式に表明しました。現在カリフォルニアでは、人の密集を避けるために州立公園などの閉鎖が進んでいます。
サンフランシスコの出来事
当初3週間の予定だったStay at Home Order(自宅待機令) ですが、3月31日の時点でサンフランシスコ市長が、この法令を5月3日まで延期する、と正式に表明しました。すなわち、サンフランシスコ市民は3月17日から5月3日まで約1ヵ月半の間、自宅に留まり人との接触を避ける日々を過ごすことになります。もちろんこの法令は、延期される可能性も十分にあります。
また、市内にある大きなコンベンションセンターが、ホームレス用のシェルターとして使われることも発表されました。加えて、現在開発が進む建築工事なども、4月1日の時点で一旦中断するように、との指示が出ています。
市内の様子
先週と変わらず、サンフランシスコは交通渋滞や人通りが減少し、たいへん静かな状態です。
今週1週間で気づいたのは、数多くのホテルやリテール店舗が営業を中止し、防犯対策として通りのウィンドウにベニヤ板を貼りつけた様子が目立つようになってきたこと。
また、外出の際にマスクを着用する人が、人種を問わず多くなってきたのも今週1週間の間です。アメリカでもマスクの重要性について見直しが始まり、症状が現れない時点での感染を防ぐためにマスクを着用する流れができつつあります。
最後に
このコラムを書いている2020年4月2日現在、LA timesの統計 によると、サンフランシスコの感染者数は450名、死者数は7名。先週から、倍近くの数になったものの、市内でのクラスター感染などはまだ発生していません。
今後2週間で感染死者数が大幅に増加する、といわれているアメリカ。暗いニュースが多く、非常に重苦しい雰囲気のなか、人気のない公園で桜がひっそりと見頃を迎えています。引き続き、来週もサンフランシスコの様子をレポートします。