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イースターはキリスト教における大切な日のひとつで、磔になったイエス・キリストが復活した日とされています。
ブルガリアのメインの宗教はキリスト教の一派であるブルガリア正教。
なのでブルガリアではイースターは毎年盛大にお祝いされています。
なお正教会が定めるイースターはカトリックなどの定めるイースターとは少し日程がずれていて、
2020年の今年のブルガリア正教会のイースターは4月19日です。
ブルガリア人にとってのクリスマスとイースターは、日本でいうお正月とお盆に似たような位置づけで、家族で集まる日&数日間の連休となります。
例年であれば、遠方に住む家族と集い、イースターのための食事を準備し、当日には教会に行くのが習わしです。
(ブルガリアの伝統的なイースターの祝い方に関してはこちらをご参照ください。
けれど今年は新型コロナウイルスの影響で例年のようなお祝いはできません。
そのため、非常に残念に思っているブルガリア人も多いでしょう。
ただ少しでもイースターを楽しもうと着々と準備は進められているようです。
新型コロナウイルスが流行る前、12月頃から徐々にイースターグッズは売られ始め、2月頃からはその売り場はかなり充実していました。
イースターの1ヵ月ほど前からスーパーマーケットではイースターコーナーが設けられ、イースターエッグ作りのキットや飾りが売られています。
また、2週間前は政府も【イースター期間中の教会への参拝は慎むように】との声明を出していたのですが、イースター期間中の参拝は許可する方向に変更しました。
その代わりに4月12日から施行されたのが【公共の場に出る場合は屋内外問わずマスクをしなければならない】というもの。
実はこの法案は3月31日の議会でも可決され施行される予定でしたが、市民から「マスクが手に入らない!!」という声を受けて、24時間以内に撤廃されました。
けれど、4月に入り気温が上がってきたこともあってか、出歩く人が町に増え、緊急事態宣言直後と比べると人々の疲れと気の緩みが目立つようになってきました。
そこで政府はこの法案を再び可決し、マスクが手に入らないという意見への対応として【マスクがない場合にはスカーフなどで鼻と口を覆うように】という代替案も用意しました。
先週末に教会の近くを車で通りかかったら、普段は入口が解放されているのですが、ドアは基本的には閉まり、警備員らしき人が配置されていました。
参拝者のマスクの有無や教会内の人数を考慮して、入場できるかどうか判断しているようです。
新型コロナウイルスが流行りだしてからというもの、ソフィアのランドマーク的な存在のアレクサンドル・ネフスキー大聖堂の周りにも人はまばらで、いつもなら満車の駐車場もガラガラという状況が続いているソフィア。
けれどイースター当日には例年多くの人が教会を訪れるのでどうなることか、少し心配が残ります。
4月12日にはブルガリア新型コロナウイルス対策センター長は新型コロナウイルス感染者を積極的に受け入れている病院の責任者と共に記者会見を行い、国民に対して外出自粛措置などを遵守するように下記の通り強く呼びかけました。
〔医師協会代表発言〕
―現在,ブルガリアは,新型コロナウイルス感染拡大対策に関しては欧州の中で最も優れた結果を出している国の一つであり,国民の理解と協力に感謝したい。
―しかし,これは2週間前の措置の結果である。ここ数日の通りや公園に人が溢れている状況に多くの医療関係者や対策関係者が懸念。
―ソフィアが大きな懸念。ソフィアの人口200万人に対し,医師数は9000人。その3分の2は新型コロナウイルスに対応。医療関係者,薬剤師,病床数も限られる。非常に深刻な問題。
〔アレクサンダル病院長発言〕
―死亡した息子を埋葬できない母親の姿を見たことがあるか,遺体を包むビニールが足りない状況を経験したことがあるか,遺体を保存する霊安室が足りない状態を経験したことがあるか。そのような状況を作らないで欲しい。毎晩21時の医療関係者への拍手に感謝。感謝を違う形で表して欲しい。
〔ピロゴフ病院長発言〕
―ピロゴフ救急病院は最も厳しい状況。11名が人工呼吸治療,31名が中~重症の患者。新型コロナウイルスが完全に浄化されるには14~28日を要する。ベッド占有時間も長い。ここ数日の通りや公園の様子は大きな懸念。今後2週間が極めて重要な時期。どうか,家に留まって欲しい。
〔ブルガリア新型コロナウイルス対策センター長発言〕
-(イースターに向け更なる厳しい措置を検討するか問われ)我々が国民の責任ある行動を待たなくてはならないのか。我々が教会を閉鎖するのを待つのか。
(引用:外務省海外安全ホームページ、領事メール、「新型コロナウイルス関連情報(ブルガリア新型コロナウイルス対策センター長等による改めての注意喚起)」)
この会見の中でも触れられているとおり、現在ブルガリアは大きな感染拡大は食い止められている状況です。
なのでなんとかこのまま踏みとどまってほしいと願ってやみません。
2020年のイースターは例年とは違い、かなり小規模なものになるかと思いますが、今後のためにも今年はぐっと我慢が必要となるでしょう。