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〈コロナ禍〉生け花をして過ごすアルゼンチン人マルタ・カブレラ(Martha Cabrera)先生

相川 知子

相川 知子

アルゼンチン特派員

更新日
2020年6月7日
公開日
2020年6月7日
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生け花を愛するアルゼンチン人の友人を紹介します。

マルタ・カブレラ(Martha Cabrera)先生は30年以上、生け花に打ち込んでいます。

小原流生け花の 師範、MASTER TEACHER DE IKEBANA DE JAPONの資格を持っています。

1990年からアルゼンチン全土23州だけではなく、近隣諸国のパラグアイ、ウルグアイ、チリにおける国際生け花展に参加。

在アルゼンチン日本大使館文化センターで長年生け花クラスを受け持っていました。

また一方でフラワーアレンジメントの仕事で、結婚式などの花嫁のブーケやイベント会場などで花による彩を常に行ってきました。

2016年からアルゼンチン生け花学校を設立しました。

生け花は少し高尚な趣味というイメージから離れ、誰でも生け花に親しむことができるというコンセプトのクラスを2018年から2019年にかけて模索し始め、2020年3月ブエノスアイレス州カンパナ市で亜日文化財団主催の日本展で始動しました。

ちょうどこれから誰にでも親しめる生け花を発展させようとした矢先、3月20日から全国強制隔離措置……。

生け花をする機会のある文化行事、外出、などすべてがキャンセルされました。

マルタ先生がもつ日本の歴史ある文化、芸術の視点は、アルゼンチンの多くの芸術家に影響を与えています。

特に自然と共存すること、そしてまた花と触れ合い、保存したいという本能が生け花という作品を作り上げること。その精神によって毎日の生活をより豊かに、そして和を保つことができる、と主張しています。

ですから外出制限があり、食料品や薬など、日常に最低限のものしか買いにいくことが許されない毎日でも機会を作り、制限の範囲でマルタ先生の人生でもある、生け花を行っています。

例えば、野菜や果物を利用した生け花……この葉は庭のものを利用しました。

しかし隔離期間も2ヵ月が過ぎ、花屋が開くようになりました。本来なら花市場で新鮮な花を買いに行きたいところですが、年齢のこともあり気をつけなければなりませんので、外出もままなりません。しかしながら、2ヵ月過ぎてやっと初めてきちんと花を使って生け花をすることができたと写真を送ってくれました。

アルゼンチンは花を愛でる人が多く、小さな花束をうしろ手にもって走る若者を見るのは日常のこと、きっと恋人との待ち合わせに持って行くのでしょう。もちろん、大きなバラの花束を頼む紳士もいます。花屋さんは町角にあるキオスクという花屋さんから店舗を構える花屋さんまでさまざま。

特に10年ほど前に閉鎖してしまいましたが、ブエノスアイレス市の目抜き通り7月9日通りから1本入ったサンタフェ大通りにあった「IKEBANA」という名前の花屋さんは市民にはたいへん有名で、花屋といえばIKEBANAでした。

またアルゼンチンへの日系移住者の近年の二大業種のひとつが花き栽培です。ブエノスアイレス州北のエスコバールは花のメッカとして毎年花祭りが開催されていて、その委員長をはじめ、重要なポストは常に日系の人の役割となっています。

なお、折しもこの記事を書いた本日6月6日は「生け花の日」だそうですね。マルタ先生がこのビデオを見ているのよ!と送ってきてくれましたので、私も勉強を始めようかしら……。

小原宏貴の「始めよう、いけばな」ビデオレッスン第3回

アルゼンチンは6月6日現在、延べ感染者数は2万1037人、死者は642人、回復者は6180人です。

ここ2週間で急激に感染者数が増えています。

ただ、同じ南米でもブラジルやペルーほどにはいたっていません。

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