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帰りたくなる北スウェーデンの町・ピーテオへ

たってぃ

たってぃ

スウェーデン特派員

更新日
2020年9月28日
公開日
2020年9月28日
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ルレオからバスや車で南へ約50km、およそ1時間の道のりにPiteå(ピーテオ)はあります。

ピーテオへ向かうときの走行時速は70〜110kmなので、まるで高速道路を走ってるような感覚です。南スウェーデンのHelsingborg(ヘルシンボリ)からフィンランドのTornio(トルニオ)までを1本で結ぶEuropian route 4、通称E4という道路で、一部高速道路区間もありますが、ここ北スウェーデンでは一般道路として使用されています。

そのため、ここをずっと南下し続ければストックホルムにたどり着くことができます。

Piteåには「Det är hit man kommer när man kommer hem(デット エール ヒット マン コンメル ネール マン コンメル ヘム)」、日本語で「帰りたいとき、行き着く場所がここにある」という言葉があるとおり、なぜかUターンして戻りたくなる町がピーテオです。地元民にとても愛されている町です。コンパクトな町ながら、ヨーロッパ で随一を誇るものがいくつかあります。

ヨーロッパいちの○○

まずは、煙がモクモクとひと際目立つ製紙工場Smurfit Kappa Piteå(スムールフィット カッパ ピーテオ)です。

ここは、「クラフトライナー」という段ボールの原紙を製造するヨーロッパ最大の工場です。

煙に見えるものは実は、製紙の過程で排出される水蒸気です。ただ臭いが少々きつくて、何か臭うなと思ったら、ここから出ているものです。まるで、腐卵臭や強い温泉のような臭いがします。地元では「お金の匂い」と言われるほど、ピーテオで最も大きな私企業で、多くの地元民が働き、また地元貢献度の高い企業です。

ここではバイオガスもさかんに生成されています。そのため、スカンジナビア航空や地元大学のルーレオ大学などとともに、航空機用バイオ燃料の研究・開発プロジェクトに参画していて、2030年は国内線フライト、2045年には国際線フライトの脱化石燃料を目指しています。早くて来年にテストフライトを開始したいようです。

そしてエネルギー関連では、風力発電のウィンドファーム開発が進んでおり、現在283基の風力発電機がまもなく完成予定です。最終的には2023年に700から800基が建てられる計画で、ヨーロッパ最大の陸上建造のウィンドファームとなる予定です。ちなみに、洋上については、世界最大のウィンドファームがイギリス・Cumbria(カンブリア)にあるようです。

ピーテオが詰まったStorgatan(ストールガータン)

スウェーデン初といわれている歩行者天国がピーテオにあります。ここにはショッピングモールやレストランなどがぎゅっと集まり、地元民の憩いの場ともなっているメイン通りです。冬になるとたとえマイナス30度になって、雪が降ろうと、この中心街では地面が見えます。それは、先ほど紹介したSmurfit Kappaの製紙過程で排出される温水がパイプを使ってここまで運ばれ、地中を温めているからです。

またロサンゼルス・ハリウッドを彷彿させるようなウォークオブフェイムもあり、現在は22名のゆかりのある著名人の星が刻まれています。

名物料理Pitepalt(ピテパルト)

ピテオ発祥の(北)スウェーデン料理があります。

作り方はシンプルで、生のジャガイモをすりおろす、あるいはゆでたジャガイモをマッシュにして小麦粉または全粒粉と混ぜます。できあがった生地をいくつかに分けて丸く伸ばし、刻んだ豚バラ肉を包んで、1時間ほどゆでます。

茹で上がったパルトは、バターとリンコンベリージャムとともにいただきます。そして飲み物は牛乳が欠かせません。

かなりのボリュームで、2個程度でお腹がいっぱいになります。余ったパルトはサイコロサイズに細かく切って、翌日フライパンで焼いて食べます。焼きパルトは香ばしく、こちらを好んで食べる人も多いです。

Öjebyn(エイエビーン)という地域にはPaltzerianといって、パルト専門レストランもあるので、いつでもパルトが食べたいときに食べられます。またICAなどの食料品店では手軽にパルトを作れるように、パルト粉も売っています。おみやげ用にいいかもしれません。

そのほかには、ルーレオのように凍結する湖、そして川があったりします。

また冬には氷を砕きながら湾内を突き進むクルージングを楽しめる「アイスブレーカー」や水の中を浮遊できるアクティビティもあります。

北スウェーデンでしか感じることができない体験をぜひ味わってみてください。

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