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2021年2月10日、CDC(アメリカ疾病対策センター)は、布マスクと不織布を二重に着用することで遮断率が最高92.5%まで高まり、感染の予防に効果的との実験結果を公表しました。この公式発表と新たな変異種ウイルスの検出により、マスク着用のトレンドが新たに変わりつつあるサンフランシスコの様子をレポートします。
サンフランシスコのワクチン接種状況について
先週のコラムでもお伝えしたようにサンフランシスコでは、市内にある大型コンベンションセンターが2月5日からワクチン接種会場に指定され、1日7000人~1万人近くのワクチン接種が可能になりつつあります。そんななか今週2月9日の通例会見で市長から新たなプランが発表されました。
これは、現在医療従事者と65歳以上の高齢者をおもにに進められているワクチン接種に、2月26日から新たなグループが追加されるというもの。このグループは、緊急対策にともなう仕事・教育機関・スーパーなどの小売店関係の仕事に携わる人たちとなります。
これによって従来のシナリオ通り、外で働く必要のあるエッセンシャル・ワーカーから、徐々にワクチンの接種が進んでいくことになりそうです。
新たな変異種がベイエリアで検出
今週は、南アフリカで最初に見つかった感染力の強い変異種がサンフランシスコ近郊で検出されたことでも話題となりました。これは「B.1.351」と呼ばれる南アフリカで最初に確認された変異種で、サンタクララ郡とアラメダ郡の2ヵ所で検出が確認。2月10日(水)、ニューサム州知事による会見で明らかとなりました。
この南ア種の変異種は、カリフォルニア州全体で見ても今回が初となります。サンタクララ郡でコロナ対策の指揮を取るコーディー博士は、すでにこのウイルスは地域に出回っているのではとの見方も示しています。
現在進められているワクチンはこの変異種にも効くとされていますが、このニュースによりサンフランシスコでも二重マスクの着用がより増加する傾向を見せています。
カリフォルニア州の感染状況
ここ数週間お伝えしているように、カリフォルニア州の感染状況は1月14日を境に減少傾向にあります。今週1週間の1日における新規感染者数の平均は「1万1804人」。過去3週間の平均新規感染者数字「1万6317人」「2万3024人」「3万3181人」と見比べても、減少傾向であることが見て取れます。
加えて、今週の州全体の人口10万人当たりの平均感染者数は33.1人・陽性率8.5%・ICUの空き状況・13.6%。 これも先週の統計・人口10万人当たりの平均新規感染者数は47.7人・陽性率10%・ICUの空き状況・11%に比べると明らかに減少しています。現在カリフォルニア州では508万人がすでにワクチン接種を終えています。
ただし、カリフォルニア州が定める規制緩和システムを見ると最も危険である紫レベルの地域は99.8%と変化がありません。このまま減少が続けば、来週あたりから紫から赤レベルに改善される地域が徐々に出てくる予想です。
最後に
このコラムを書いている2月11日現在、LA timesの統計 によると、サンフランシスコの感染者数は3万2,695人・死者数351人。先週の3万674人・死者数308人に比べ、今週の新規感染者数の増加は870人。1日の平均数は124人・陽性率2.9%・人口10万人当たりの感染者数19人と先週に引き続き減少しています。