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1ヵ月ほど前、オックスフォードシャー州にあるアッシュダウンへ行ってきました。
ここは景観保護団体ナショナル・トラストの所有地。まるで自然林のように広い庭園は、年間通していつでも無料で入れます。
でも中にあるお屋敷のほうは毎年4月から10月までの水曜日と土曜日の午後のみ、予約制ガイドツアー参加というかたちで入る事ができます。
しかも入れるのは、階段と屋上だけ。というのもお屋敷は借地権つきで民間人が所有し、実際に住んでいるからで……現在の住人はロックバンド「ザ・フー」のギタリスト、ピート・タウンシェンド!
それでも貴重な歴史的建物なので、一部を公開しているわけです。
私たちが訪問した時は、あいにく外壁の補修工事中。足場が組まれていて、外観イマイチでしたけど。笑
それでも17世紀に貴族の狩猟用別荘として建てられたオランダ様式の家は、ドールハウスのようなかわいらしさが十分わかりました。
ウェブで予約しておいたツアー開始時間になったら、入口に集合。ガイドさんとともに中に入ります。
もちろんインテリアは代々の当主によって変わったけれど、建物本体にはあまり手を加えてないのが貴重。350年ほどの間、増改築をせず17世紀のままのたたずまいを残しているそうです。
ツアー参加者は10名くらい。皆マスクを装着していたものの、なるべくお互いに距離を置くようにしていました。参加者の平均年齢が高めなせいか、皆お行儀よくてマル♪
さて、アッシュダウンハウスの建設が始まったのは1662年。
第一代クレイヴン伯爵ウィリアムが、親しくしていたエリザベス・スチュワート(ジェームズ1世王の長女・フリードリヒ5世の妃)のために、彼女が好きだった狩猟を楽しむための別荘として建てたそうです。
すでに未亡人となっていたエリザベスと彼にはロマンティックな関係があったのか、それとも意気投合した親友だったのか……どちらにしてもエリザベスは、この家の完成を見ず65歳で逝去。
というガイドさんの説明を伺いながら、屋上に向かって階段を上って行くのですが。
各階の踊り場に並んでいる茶色の椅子を指さして、「この椅子ちょっと変わったデザインでしょう? なぜこんな形なのかご存知ですか?」と言うガイド氏。
誰も正解を答えられなかったのを確認してから、彼が実際に座ってみせてくれました。それは背もたれ部分を抱えるようにして、通常とは反対向きに座るスタイル!
それは召使いたちが寝室ドアの前に控えて夜勤中、座ったままでも仮眠を取れる工夫でした。
そこでガイドさんの許可を得て、私も座ってみましたよ! 寝心地はよくないけど、確かにこれで仮眠したら首がカックンとならないのは確かね。笑
最後に屋上から敷地を見渡しながら貴族の狩猟場だった頃や、第二次世界大戦中は軍に接収されていた事などを伺って、約1時間のツアー終了。
お屋敷ツアーは11月~3月の間お休み。また4月に再開するので、庭園でのピクニックがてら行ってみませんか?