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香港アートのハブとなる美術館「M+」

武田 信晃

武田 信晃

香港特派員

更新日
2022年1月18日
公開日
2022年1月18日
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香港は20年ほど前から芸術の町を目指してきました。それを具現化したのが九龍(Kowloon)地区西部に作られた「西九文化区(West Kowloon Cultural District / WKCD)」です。約40ヘクタールの土地に総合芸術のエリアを作るという壮大な計画です。2016年にオープンした、小型のアートイベントを行う「M+展亭(M+ Pavilion)」や2019年に開館した広東オペラを中心とした大型劇場の「戲曲中心(Xiqu Centre)」など、着々と香港のアートハブに変貌しつつあります。(写真提供:Herzog & de Meuron)

そして、2021年11月12日にグランドオープンしたのが「M+」です。設計を担当したのは、北京五輪のメインスタジアム「鳥の巣」や東京のプラダ青山店などを手がけたスイスのヘルツォーク&ド・ムーロンです。

2021年12月31日に少しM+を紹介していますが、この建物は18階建て、大きさ6万5000平方メートル、そのうちメインのエキシビションスペースが1万7000平方メートルあります。展示室は33あるほか、3つの劇場、メディアテーク、ラーニングハブ、リサーチセンター、ミュージアムショップ、レストラン、ティー&コーヒーバー、メンバーズラウンジ、オフィススペース、ビクトリア・ハーバーを見渡せるルーフガーデンが備えられています。建物上部が直方体の形をしていますが、その外壁には無数のLEDファサードが組み込まれています。外から見るとひとつのスクリーンのように見え、その大きさは高さ65.8メートル、幅110mと巨大です。

総作品点数は7978点でうち20%が地元香港の芸術家の作品です。コレクション自体は4万6750点で28%が香港のアーティストの作品です。絵画、彫刻、映像、デザインなど幅広く展示されるます。面白いところでは、1988年に新橋にオープンしたすし店「きよ友」を丸ごと香港に移設したというものです。きよ友は倉俣史朗氏が内装などを手がけましたが、経営難で2004年に閉店。M+が買い取っていました。

展示以外にも、ツアー、ワークショップ、上映会、ライブパフォーマンスなども行われる予定です。また、現在、WKCDでは香港故宮博物館の建設も進められており、早ければ今年夏にもオープンする予定になっています。

■M+

住所: 38 Museum Drive, West Kowloon, Hong Kong

電話番号: 2200 0217

入場料: 2022年11月12日まで無料

営業時間: 10:00~18:00(金曜日は22:00)

定休日: 月曜

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