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サローム(こんにちは)!
ウズベキスタン旅行において、各都市移動は安くて便利な列車利用という方が大多数のはず。多くの方はまずタシケント空港へ降り立ち、一息置いてタシケント駅から各地へ向かっていくことになります。文字通りタシケントの玄関口であり、無数の旅人を送り出してきたタシケント駅についてこの記事でご案内しましょう。
なおこの国の看板列車の高速列車アフラシャブ号や、シャルク号・ナサフ号といった特急列車は現在のところ(2022年12月)全てこのタシケント駅発着ですが、夜行列車はこの駅とは別のタシケント南駅から発着することがほとんど。タシケント駅とタシケント南駅の間は約9km、タクシーで15分ほど離れているので、間違えないよう必ずどちらの駅から出るかチケットを確認するようにしましょう。両者を区別するため、タシケント駅をタシケント北駅と呼ぶこともあります。
また先日の記事で紹介した近郊電車(78. 鉄道ファンにはたまらないタシケント発エレクトリーチカ(近郊電車)に乗って小旅行へ)は全路線タシケント南駅発着で、ホジャケント行きの路線のみタシケント駅を通ります。
(※2024年7月追記:上記の通り、日中に走る長距離特急列車は基本的に全てタシケント駅発着でしたが、線路工事の影響で2024年7月15日から8月15日までの間ほぼ全ての列車がタシケント「南駅」発着に変更となります。詳しくはこの記事をご覧ください)
タシケント駅があるのは市内南部、幹線道路のティムール大通りの突き当り。ロシア諸都市と鉄道がつながった1899年に建設され、当時はヨーロッパの歴史あるターミナル駅のような重厚な建物だったそうですが1957年に今の駅舎になりました。
すぐ近くには地下鉄タシケント駅があり、メトロに接続しています。以前の記事でさんざんタシケントメトロの魅力を述べましたが(19. 地下に広がる美の空間!タシケントのおすすめ地下鉄駅ベスト5)、タシケント駅もホーム壁面が陶器で彩られた素晴らしい駅なので、ぜひ鑑賞してみてください。
また駅を正面に見て左側には市バスが発着するバス停もあります。主な路線は、繁華街のショタ・ルスタヴェリ通りや地下鉄ハルクラル・ドストリギ駅を経由してチョルスーバザールに至る81番バス、地下鉄が通っていない市内南部の幹線道路フェルガナ通りを走る37番バスなど。
まず長距離列車の切符購入方法のご案内から。切符はタシケント駅の駅舎内ではなく、向かって左側のTEMIR YO'L KASSALARIと書かれた建物で購入します。パスポート原本が必須なのでお忘れなきよう!
ただ日本のみどりの窓口などとはいろんな意味で大違いで、混雑していても窓口が少ししか開いていなかったり行列に割り込む利用者がいたりすることもあり、時間帯によってはカオスかつ非常にストレスフルな空間になることがあるので要注意。混雑時は入口で整理券が発行されることもあるため、係員の指示に従いましょう。切符購入後は記載された日時、区間、自分の名前(記名式のため綴りが間違っていると列車に乗れない恐れがあります)に間違いがないか必ず確認。
またウズベキスタン鉄道公式サイト(https://railway.uz/uz/)や公式アプリ(Google Play、Apple Storeともにuzrailwaysで検索)からもチケットを購入できます。ただこちらも不具合が多く、また国外発行のカードが弾かれることがあったり、購入できたとしても決済レートが良くなかったりと不便な点も多いのですが…。
しかしここ数年ウズベキスタン国内の列車は慢性的に混みあっており、タシケントに着いて窓口に行っても目当ての列車に空席がないという可能性も十分あり得るため(逆に代理店がブロックした席がリリースされるのか直前になって一気に空席が出ることもあります)、事前にオンライン購入できれば買っておくのがベストでしょう。もし窓口で購入する場合でも、アプリで目当ての列車を表示した画面をスクショしておいて窓口で提示すれば、係員に言葉が通じなくても乗りたい列車と日にちを伝えられるでしょう。なお列車チケットは乗車日の45日前から予約可能です。
それでは列車に乗ってみましょう。タシケント駅だけでなく、この国の鉄道駅ではだいたいどこも以下の流れで列車に乗車することになります。
日本のように誰でも駅に手軽に入れるわけではなく、駅に入るには駅舎両端のゲートから入ります。ここでパスポートと切符のチェックを受けて駅舎内へ。つまり外国人旅行者はパスポートがなければ列車に乗れず、また原則切符がなければ駅の中に入れないということになります。
駅舎に入ると今度は荷物をX線検査に流し(刃物類などはここで没収される恐れがあります)、やっと解放。気が緩んで荷物を取り忘れないようにしましょう。
またここでやらなければならないのが、検査場を過ぎた両脇にあるカウンターで切符にスタンプを押してもらうこと。窓口で買った切符、サイト・アプリで買って印刷した切符両方スタンプが必要です。なおサイト・アプリで購入したeチケットは印刷せずともスマホ画面を見せれば乗車可能で、その際このスタンプは不要ですが、念のため印刷しておくことをおすすめします。
さあ列車に乗るまでもう少しです。駅は決して広くはなく、このフロアにある施設も軽食を売っている小さな売店や土産屋、ATM、トイレがあるのみ。コインロッカーはありませんが、地下には荷物預り所があります。2階には食堂があると書かれていますが、開いているのを見たことがありません…。
発車ホームの案内も目立つところにはなく、たいていスタッフがどこどこ行き、どこのホーム!と口頭で叫んでいます。アフラシャブ号はここを出てすぐの1番線(多分どのホームが何番線か決まっていませんが…)から発車することが多いですが、分からなければ必ず確認しましょう。スタッフに切符を見せ、ウズベク語でPlatforma qaerda?(プラットフォルマ・カイェルダ?)と聞けば教えてくれるはずです。
(2024年7月追記:タシケント駅に限らず、最近列車の発着時刻変更が多発しているようで、列車を乗り逃してしまったという話もちらほら聞きます。もし乗車予定の列車の時刻が変わっても、不親切なことにメールなどのお知らせは一切ありません。必ず発車予定時刻の30分前には駅に到着し、列車に早く乗り込むことをおすすめします)
ご覧の通り、一旦駅舎に入れば日本と違って改札を通ることなくホームに行けてしまうのですが、その代わり車両のドアにスタッフが立っており、チケットを確認しています。そのため基本的にはホームから自分の車両を探し、そのドアから乗ることになります。自分の席が6号車なのに3号車から入って車内を移動して…ということは原則できません。
各列車の詳しい情報は、この記事最下部のリンクにある記事で解説しています。
なおこれもこの国すべての駅で言えることですが、タシケント駅到着時は駅舎に入らず、ホームの端近くにある出口から出ることになります。ここではたいていタクシー運転手が待ち構えていますが、旅行者と見るや吹っ掛けてくるドライバーも多そうなので、ヤンデックスアプリなどで配車するか、荷物が少なければ地下鉄で移動することをおすすめします。
トイレなどのために下車後も駅舎に入りたい場合は、スタッフに一声かければ入れてくれます。
最後に駅周辺の情報について。この周辺は外国料理屋が多く、中華料理、インド料理、韓国料理とよりどりみどり。皆でワイワイ楽しめる店ばかりなので、出発前の景気づけに、または到着後の打ち上げにぜひどうぞ。
特筆すべきが、駅を出て右に曲がって徒歩5分のところにあるタシケント鉄道技術博物館。かつてこの地を走っていたSLや客車などがずらりと展示されており、実際に乗ってみることもできます。こちらももし列車乗車前に時間があればぜひ。
なおウズベキスタンの鉄道全般については、こちらの記事 104. 旅行者必見・ウズベキスタンの鉄道攻略法!高速列車アフラシアブ号から旅情溢れる夜行列車までで解説しました。こちらもぜひ合わせてご覧ください。
それではオク・ヨル(良い旅を)!