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先週、アメリカを代表するクラフトビールの老舗サンフランシスコのアンカースティームが127年の歴史を閉じ、事業精算するとお伝えしました。ビールラバーはもとより、普段気兼ねなく頼んでいたアンカースティームがもう飲めなくなるという本当のラストコール。本社隣のタップルームは翌日から長蛇の列となっていました。もう行かないわけにはいきませんでした。
金曜日の午後、私も売り切れる前にスティームビールを飲みに行かねばと、ポトレロのマリポサ通りのタップルームに向かいました。1930年代の旧コーヒー焙煎工場だった社屋には、時折通りかかる人が写真撮ったりするくらいで、ひっそりとしていました。閉鎖が伝えられた日(7/12)は、非常事態の意味になる社旗が”上下逆さま”に掲げられたそうです。
到着して後悔したのが、飲みに行くことだけを考え大きなバッグを持って行かなかったこと。多くの人がビール販売の列に並び、6本パック、箱でごっそり買い求めていました。これはかなりショック。
しかし、気を取り直し飲むだけで十分と言い聞かせ。列に並びました1杯5ドルのビールを求め30分以上並ばなければなりませんでした。が、これが最後かもと思うと、並んででも飲みたいという気持でした。ちなみにこのお値段、破格と言っていいほどの安さです。他の醸造所直営でもこの値段では提供していないと思います。
広々したタップルームの中心には郷愁をそそる季節外れのクリスマスツリー!アンカー名物、ホリデーシーズン限定版の”クリスマスエール”を懐かしむものです。この瞬間、本当に無くなるんだとちょっと胸がつまりウルウル涙流れそうになりました。
タップルームにある醸造ステンレスタンク前には近郊のブルワーさん達も集まっていました。後に分かったのですがアンカーのブルワーも姿を見せていたとの事でした。
*アンカースティーム(右側)言わずと知れたアメリカ初のクラフトビール。濃いめのアンバーカラーでラガーの新鮮さとエールのまろやかさのバランスが絶妙。今や世界でここだけでしか生産されていないスチームビール。
*クリスマスエール(左側)1975年にアメリカで最初のホリデーシーズン用ビールとして限定販売されていたビール。カラメル色の寒い時期らしい色合い。実は毎年レシピを変えて楽しませくれていました。スパイス香は、暖炉のそばでゆっくり飲みたかったです。
思えば、毎年6月に精算開始するのを今年はしないと発表があったのが事業精算の序章だったのです…
他にも飲んでおきたかったけど、アンカー代表2作を飲みました。
在庫がある限り販売しますとの告知です。
関係者によれば週末には完売かもしれないとの事でした。
また、タップルームの営業時間は下記
【7月31日までのタップルーム営業時間】
月曜日16:00〜 21:00
火曜日 休み
水〜土曜日 12:00〜22:00
日曜日 11:00〜20:00
この日は絶好のビール日和でした。良い天気がかえって切なくなり、久しぶりにビールが苦いと感じた訪問でした。週明け、労働者共同組合で運営できないか?完全閉鎖を何とか免れるため試行錯誤が開始されています。奇跡がおこりますように…