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私は、旅行でしかアジア方面は行った事がありません。中国語圏で行ったのは、香港と台湾だけです。旅行程度しか知らない私が、いつか再訪したいと思わせてくれるディムサム(点心)屋さん。食事をとても大切にする中国の人たちの朝ごはんを国際色豊かなサンフランシスコで擬似”食”体験?アメリカでアジアの空気を感じ、懐も気にならない朝ごはん。疲れた胃袋の旅行者にもお助け的なチャイナタウンです。
今年の1月にミュニメトロTラインがチャイナタウンまで開通したおかげで、チャイナタウン駅周辺はミュニバス#30・45・8・1を含め、東西南北の市内長距離路線が集約されました。
駅はチャイナタウンの中心にあり、主要銀行や郵便局もあって、頻繁に用事をたしに行くようになりました。そんなある朝、銀行の営業時間前来てしまって大失敗!出直すのも面倒な上にお腹も空いた…(孤独のグルメ・井之頭五郎状態)
駅前の点心屋さん「ヤミー・ディムサム&ファストフード(Yummy Dim Sum & Fast Food)」に朝ごはんを食べに行くことにしました。
場所は、Tライン・チャイナタウン駅のストックトンStを渡って反対側です。創業何年だろ?とにかく昔からあって、老いを知らないお母さんが表をガッツリ切り盛りしています。観光、グルメ雑誌にはおよそ縁がなさそうな点心屋さんですが、暗黒のパンデミックを見事に乗り越え、店内も値段もちょっとよくなり、小さいテーブルが4つほどある店内は、いつ行っても1〜2組のお客さんがいて中国語が飛び交っています。
ガラスケースに並ぶ点心は、裏のキッチンから、英中堪能な息子さんと思われるシェフが出来立てをどんどん運んできます。実はかなりお腹が空いていたのでまだ未体験の「雲呑スープ($7.50)」を頼みました。この値段は、この店では最高値ランクです。
カウンターのお母さんの頭上には、70種類以上あるメニューボードがデーンとあります。以前は手書きでほとんど漢字表記だったのが英語も加わり分かりやすくなりました(謝謝)そうなのですこのお店は基本中国語です。何度か行くうちにお母さんは、中国語が通じない外国人と認識してくれ私には「ハロー」と「サンキュー」は英語で言ってくれるようになりました。会計は中国語です。
時は朝8時半。通勤通学の人達が次々に買いにくる事に気がつきました。中国の食文化によれば、基本的に中国の人達は外食だとありましたが、朝ごはん、ランチと何種類か持ち帰り用のコンテナに入れて立ち去る人ばかりでした。毎日弁当に悩む日本のお母さんにはちょっと羨ましい光景かもしれません。
待つこと10分くらい。可愛い丼に雲呑とレタスとグリーンオニオンちょろっとが入っています。薄味に仕上がってるクリアスープにはお好みでお醤油(中国風醤油)かチリソースで味変。もしかして白胡椒をふってもいいかもしれません。そして、スープの温度は嬉しいくらい熱々。
しかし、このお店の朝の目玉は、一杯たった3ドルのお粥さんです。
突然お母さんが、こっちこっちと手招きして保温機の蓋を開けてお粥さんをすくって見せてくれ、落花生・皮蛋の張り紙を指差しました。今度はこれを頼みなさいと言っているのかもしれません。
8時半〜9時、熱々点心が次々と出来上がってきます。雲呑を頬張りながら横目でみてるとまぁよく売れていました。蒸し器の蓋を閉める暇がないほど。昼過ぎに来るとほとんど何もない理由が分かりました。
やっぱり朝〜昼ですね(読んだ本のとおり)中国の朝ってこんな風なのだろうか?アジアンパワーが言われるようになってまだそのパワーを間近に感じた事のない私。本物のアジアに行ってみたくなるようなサンフランシスコチャイナタウンのストックトン通りです。
使い込まれたチップ缶に1ドル入れ、お母さんに「アリガト」って言ってみたらニッコリ笑ってくれた。
アメリカンスタイルのブレックファスト。パンケーキやエッグベネディクトも美味しいサンフランシスコですが、ご馳走で胃袋が疲れた朝、少しお財布が心許なくなった朝、ユニオンスクエアから散歩がてらトンネル超えて中国の朝粥・点心いかがですか?