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125. サマルカンドで貴重なアンティーク雑貨をゲット!週末に行きたい蚤の市ダルニーラーゲリバザール

伊藤 卓巳

伊藤 卓巳

ウズベキスタン特派員

更新日
2023年10月18日
公開日
2023年10月18日
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サローム(こんにちは)!

以前特集した、夢とロマンの詰まったタシケントの巨大蚤(のみ)の市ヤンギアバッドバザール(46. 「人間以外何でも売ってる」タシケントの巨大のみの市、ヤンギアバッドバザール探検!)。記事をご覧になった読者さんより、本当に人間以外何でも売っていそうなカオスな空間だった!ここで散在しまくってしまった!と、たびたび訪問報告をいただきます。ウズベキスタンの知られざるスポットをどんどん紹介していきたい私としては、このようなお声を頂くとライター冥利に尽きます。
というわけで、今回はサマルカンドにある、アンティーク雑貨を仕入れるのにぴったりのバザールをご紹介。それがサマルカンドが誇る蚤の市、ダルニーラーゲリバザールです。カオス度は体感でヤンギアバッドバザールの3割ぐらいでしょうか。ただその分蚤の市ビギナーの方にもおすすめでき、(あくまでヤンギアバッドバザールに比べると)攻略しやすい構造になっています。

12月の訪問時は入口の木に適当な飾り付けが。ナチュラル系クリスマスツリー?

このバザールがあるのは、市内西部の住宅や工場が建ち並ぶエリア。サマルカンド駅からはタクシーで10分ほど、レギスタン広場からはタクシーで30分ほどと少し観光には不便な立地です。開催曜日は水・土・日で、特に賑わうのがやはり土日の午前中。もし週末にサマルカンドに滞在するなら、午前中ほぼ丸々時間を費やすつもりで朝一に出発するのがいいでしょう。ローカル市場やアンティーク品が好きな方はこれでも時間が足りないかもしれませんが…。
ダルニー・ラーゲリ・バザール とはなかなか呼びにくい市場名ですが、ロシア語でダルニーは遠い、ラーゲリは収容所またはキャンプ場の意味(日本人シベリア抑留者が抑留されていた場所もロシア語で「ラーゲリ」)。または地名を取ってハゾラバザール Hazora bozoriと呼ばれることもあります。

それでは市場内のおすすめ売り場を簡単に解説していきましょう。ゲート前から自家製サモサやビチャック(素朴な野菜サモサ)を売るおばさんたちが並び、並のバザールでは感じられない異様な雰囲気が漂います。メインゲートをくぐるとまずは服売り場が登場。スーツからウズおばさん御用達の派手なワンピース、果ては作業服や軍服までもが売られています。

このバザールは縦横に規則正しく引かれた通路の間に売り場が建ち並び、構造は意外と整然としています(肝心の売り物は全く整然としていませんが)。ぜひ訪れておきたいのが、メインゲートをくぐってすぐ左へ曲がり、5つ目の角を右に曲がって歩くと右手に見えるアンティーク雑貨店。店主のジャムシドさんは英語が堪能な古物コレクターで、彼が収集したありとあらゆる骨董品が店を埋め尽くしています。マニアにはたまらないソ連時代のピンバッジ、埃を被ったサモワール(ロシア製湯沸し器)、ティムール時代のものというコインetc…。

このジャムシドさんのお店からさらに奥へ向かい、突き当りまで行くと調理器具売り場。プロフ用大鍋カザンや、いぶし銀の輝きを放つビンテージのキッチン用品などを売っています。
少し左に向かうと、全アンティーク食器ファンにおすすめしたい、食器倉庫とも呼ぶべき広大な空間が広がります。この市場内は他にも食器売り場が点在していますが、ダントツに数が多いのが食器で満たされたこの倉庫なのです。

床にもおびただしい数の食器が積まれているので、足元や荷物に気を付けて満足いくまでこの倉庫を見てまわってください。色鮮やかなソ連時代のウズベキスタン陶器が目を引きますが、他国製の陶器やガラス食器も数多く陳列(放置?)されています。ロシア語やウズベク語が話せる方は、店主のおばさんに生産国や生産時期を尋ねてみてください。
ここでの私の一番の収穫品がこの模様の食器。何気なく買ったお皿ですが、家に帰った後でふと裏を見てみるとMade in DPRKの文字とハングルが書かれているではありませんか。そう、知らず知らずのうちに北朝鮮製陶器を買ってしまったのです…。

この市場で売られているのは生活用品だけではありません。調理器具売り場から東側へ向かうと、広大な食品売り場が出現します。他のバザールでは目立つところに売られていない巨大な川魚や牛の臓物などが堂々と売られているのに愕然とすることでしょう。なかなか強烈な臭いが漂っているので、我慢できる方はぜひ見物してみてください。
ほぼ旅行者が来ないローカル度120%なバザールだけあり、一般の食品もシヨブバザールなどに比べると圧倒的に安く購入できます。

ナマズは生きたまま売られており、ときどきビチビチ跳ねている
ギョッとすること必至の牛の頭。ウズベクB級グルメ、カラポチャという料理に使われる
はちみつと怪しい自家製ワイン売り場

市場の西側は家具ゾーン。あらゆる家具が屋内屋外構わず所狭しと置かれ、客かも売り手かも分からない人々が売り物のはずのソファーで楽しくおしゃべりに興じている光景が見られます。
そしてラーダやモスクヴィッチなどの古めかしいソビエト車が、家具を載せてどんどん発車していく様子もまた見もの。これらの車は最近の車よりもずっと頑丈で、家具を運ぶにはソビエト車と相場が決まっているようです。おそらくサマルカンド市内で最もクラシックカーが密集しているであろう、車マニア垂涎の場です。

最低限訪れてほしい売り場やゾーンをご紹介しましたが、他にもシュールかつカオスな光景がどこでも見られるこの市場。ぜひ心行くまで満喫してください。あなたの琴線に触れる掘り出し物がここで見つかることを願っています。
私の個人ブログでは、この記事で紹介できなかったダルニーラーゲリバザールの売り場紹介や市場内の地図、写真などを載せていますので、ご興味を持たれた方はぜひあわせてご覧ください。
サマルカンドの蚤の市ダルニーラーゲリバザール攻略情報! – takumiの世界ふらふら街歩き

また私がJICA青年海外協力隊観光隊員として活動している観光案内所(103. 特派員が活動中のサマルカンド観光案内所ご紹介!学生スタッフがガイドする街歩きミニツアーも開催)では、地元の日本語ガイド学生がこの市場を徹底案内するミニツアーも販売しています。なかなか好評のツアーなので、ぜひご参加くださいませ。
(余談ですが、このツアーを担当する学生ガイドは、こんな地元の人間しか来ない場所に日本人のお客さんが来て喜んでくれるなんて…とガイドする度に驚いています)

白タクが当たり前のこの国ならではのタクシー行灯
便器売り場を練り歩く、観光案内所ミニツアーに参加されたお客様

なお上記でご紹介したアンティーク雑貨売り場や食器売り場はいずれも不定休で、日によってクローズする可能性もあるのでご了承ください。また50年以上前に作られたものは国外持ち出し禁止ということになっているのでご注意を(お店の人に尋ねるのが確実です)。

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

■ダルニーラーゲリバザールDalniyLageribozori

住所
Spitamenko’chasi,Samarqand
営業日
水・土・日曜(土日が最もにぎわう)
アクセス
レギスタン広場前からM3番バスで約40~50分、Hazoraバス停下車。またはタクシーで約30分
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