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今年はサンフランシスコのみならず、アメリカのクラフトビールファンにとって悲しい年となりました。クラフトビールの元祖アンカースティームが127年の歴史に幕を閉じたのですから…そんな年の終わりにサンフランシスコ歴史協会(博物館)で、アンカーブルワリーの特別展示のパーティがあり、ついでにサンフランシスコの歴史まで案内してもらったラッキーな話と、”(残り少ない)アンカースティームを飲み干そう”とソーマ地区のスポーツバーでパーティがあり、とってもアンカーな週末でした。
訪問した「サンフランシスコ歴史協会(San Francisco Historical Society)」は、サンフランシスコとベイエリアの歴史の保存や紹介を目的とした非営利団体です。大きくコマーシャルをしているわけではないので、あまり知られていません。しかし思考をこらしたプログラムがあったり、ウォーキングツアーも実施しています。知る人ぞ知るニッチな博物館なのです。
入るだけでも価値がある建物。フィラデルフィアの次、西海岸で最初のアメリカ造幣局(US Mint)で、国の歴史的建造物にも指定されています。今じゃチャイナタウンの一角っぽいですが、ファイナンシャルディストリクト”西海岸最初の金融街”は、ここから始まったと言っても過言ではありません。
地形的には、半ブロック先のモンゴメリーストリートが海岸線だった場所になります。今じゃダウンタウンの中心みたいなチャイナタウン、当時は端っこだったんです。
ボランティアの方々が着ていたエプロンには、1896-2023アンカーの創業期間が記されていました。誰かが亡くなった時、英語で「R.I.P.」と使いますが、Rest in Peace安らかにお眠りくださいと言ったところでしょうか。モノが壊れたり無くなった時の残念という時にも使います。アンカーブルーイングの終焉はまさにR.I.P.
実は、このイベントに申し込んだ時、年齢の質問がありました。ビールのイベントだから確認したのだろうと思い込んでいました。まさか博物館でお酒が出るわけもあるまい。しかしこれがサプライズでスナックとアンカースティームが振る舞われました。また、ラッフルゲームもあり、サンフランシスコの古い地図やアンカーブルーイングのビンテージコースター、オフィシャルブックやビールセットがありました。くじ運なかった…
*ラッフル(raffle)とは、クジの一種で、主催者がギフトを用意し、参加者に数字の書かれた半券を買ってもらい、もう片方の半券は主催者側で保管し抽選します。半券の数字とマッチした人が当選者で景品がもらえます。今回はラッフルチケット一枚1ドルでした。このラッフル、募金活動に使うこともあります。
博物館にボランティアとしてお手伝いしているマークさんが、10分ほど案内をしてくれました。造幣局だけあって20cm以上あるレンガの壁は分厚く、地下部分はなんとなく圧迫感を感じました。ゴールドラッシュから博覧会を中心に古き良きサンフランシスコの繁栄を垣間見れる小さい博物館です。
週に3日しかオープンしていませんが、時間があったら訪問してほしい場所です。
【San francisco Histrical Society】
住所:608 Commercial St, San Francisco, CA 94111
tel: 415-537-1105
オープン時間:木〜土10:00〜16:00
定休日:日〜水
WEBサイト:https://www.sfhistory.org
その二日後、今度は、もう製造されていない”アンカースティームビール”を飲み干すパーティーがソーマ地区でありました。開始から2時間後に到着したのですが、目的のタップのスティームビール(tap/サーバーから注ぐ)は既に飲み干されており、瓶しかない!出遅れた敗北感を感じましたが、他にもラガー、IPA、ヘイジーIPAはまだあったので一杯飲んで帰ってきました。(16oz12ドル+チップ2ドル=14ドル払いました)
12月の名物サンタコンの日だったので、サンタの格好が目立ったダウンタウンあたりですが、ここはポツポツくらいでした。サンタよりアンカーでしょうか。
朝は、寒かったけど、午後からはポカポカ小春日和で、サンタコンで弾けて盛り上がっているので、そーじゃない方達ややまったり感が漂っていました。
存在し続けたなら見過ごされそうなコレクションは、今となっては取っておいてよかったと思えるお宝。ノベルティーやら王冠やら展示されていたテーブルです。ミッドセンチュリーの頃のグラスは、ebayで幾らだろって値段も気になるところです。家にアンカーのコースターあるのですが、帰宅してから別箱で保存(苦笑)しちゃいました。
その隣のテーブルでは従業員さん達がアンカーブルワリー復活に向けての募金(fundraising)をやっていました。塵が積もって山となりますように5ドル… 第二のフィリッツ・メイタグ氏も現れますように…
*フィリッツ・メイタグ氏は倒産寸前のアンカーを復活させた方
こちらでもラッフルしていました。景品は、勿体なくてとても飲めそうにない”アンカークリスマス・エール”のマグナムボトル(約1500ml=ワインボトル2本分≒日本酒の一升瓶くらい)「こんなに並んだクリスマスエール見納めだよぉ〜インスタ載せる人、SNS用に撮影時間とりまぁ〜す」とDJ氏がアナウンスしたら、ワサワサと集まり、お互いさまなので順番に撮影でした。アンカーファンには悲しいけど素敵な思い出になりました。
この店、よく見ると市内ではとっても珍しくNFL(アメリカンフットボールリーグ)のカンザスシティー・チーフス(Kansas City Chirfs)のユニフォームが飾ってありました。49ersファンにとっては宿敵みたいなスポーツバーです。チーフスのゲームは盛り上がるんだろうなぁ…
*チーフスのクオーターバック(QB)は、若き天才QBパトリック・マホームス(Patrick Mohomes)
12月は、NFLもレギュラーシーズンも大詰め、プレーオフ云々と話題になっています。これからがスポーツバーがスーパーボウルに向かって最も熱くなります。ダウンタウンからは少し離れていますが、今度チーフスのゲームの時行ってみようと思います。
最後は話がアンカーとは関係なく横道にそれまくりましたが、アンカーでサンフランシスコの歴史を探訪した週末でした。
Cheers! Go Niners!