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155. 旅行前に知っておきたいウズベキスタンのSIMカード・Wi-Fiなどインターネット事情

伊藤 卓巳

伊藤 卓巳

ウズベキスタン特派員

更新日
2024年8月23日
公開日
2024年8月23日
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サローム(こんにちは)!
日々サマルカンド観光案内所で活動していると、日本人旅行者の方から多くの質問をいただきますが、最近増えてきたのがSIMカードなどインターネット通信事情に関する質問。旅行前に知っておくか否かで旅の快適度が大きく変わるこのトピックについて、今回の記事で解説します。

まず大前提として、ウズベキスタンを旅行する際は現地でSIMカード(物理SIM)を買うことをおすすめします。日本でeSIMを買ったのに使えない…という問い合わせをよくいただきますが、ウズベキスタンで使えると銘打って売られているeSIMでも現地に行ってみると使えないことがしばしばあるようです。また現地の市内移動の際必須のヤンデックスタクシーなどのタクシー配車アプリを使うときも、国番号998から始まる現地電話番号があれば便利です。ただウズベキスタンだけではなく中央アジア全域で使えるというeSIMもあるようで、条件がよければ使う価値があるかもしれません。

SIMカードは簡単に購入でき、値段も安いので、まだ海外でSIMカードを使ったことがないという方もぜひ試してみましょう。ほとんどの旅行者の入国地点となるであろうタシケント空港では、この記事(72. タシケント空港国際線ターミナルガイド!市内へのアクセス・両替・お店情報etc)の通り到着ロビーのイミグレーションを出たところにSIMカードのカウンターがあります。ここでカードがすぐに作動すれば、ヤンデックスタクシーを使ってそのまま市内へ向かうことができます。サマルカンド空港にもSIMカードカウンターがあるほか、各都市に数多くの通信キャリアショップや携帯ショップがあります。主な通信キャリアはBeeline(ビーライン)、Ucell(ユーセル)、UZMOBILE(ウズモバイル)、mobiuz(モビウズ)の4つで、電波状況やSIMカードの値段にそれほど大きな違いはありません。ただ周りの知人たちに聞いたところ、UZMOBILEが一番繋がりやすい気がするという評判でした。
いずれも都市部でも地方でも問題なくデータ通信の利用や通話ができるはずですが、都市間を移動中に人家が途絶えると電波が入らなくなることもしょっちゅう。ちなみに私はBeelineを使っています。

各地に点在する携帯ショップや通信キャリアショップ。地図アプリで"mobileshop"や各通信会社の名で検索すれば見つかるはず
各通信キャリアはデータ容量などに応じて様々な料金プランを提供している。こちらはBeelineのツーリスト用プラン

ただ長期間ウズベキスタンに滞在したり、以前ウズベキスタンへ来たことがある方が再度入国したりしてSIMカードを使いたい場合、急にデータ通信が使えなくなってしまうことがあります。実はウズベキスタンに外国からスマホを持ち込むと1ヶ月以内にIMEI番号(携帯電話機種に紐付く識別番号)の登録が必要となり、これを怠るとデータ通信がストップしてしまうのです。これを解決するには、SIMカードカウンターと同じくタシケント空港の到着ロビーにある登録カウンター、またはウェブサイト(https://uzimei.uz/en)でIMEI番号を登録しなければいけません。いずれの場合もパスポートの登録と85000スムの支払いが必要。ウェブサイトで登録する場合はクレジットカードで支払います。
なお私の知る限り、このような措置を取っているのは世界でウズベキスタンとインドネシア、イランだけ。出来るだけ早く撤廃して欲しい面倒な措置ですね…。

またツーリスト用SIMカードではなく一般用SIMカードを購入した場合、多くの料金プランは1ヶ月の定額プランで、それ以上使いたい場合はチャージが必要となります。この場合は道端やあらゆる施設、商店などに置かれている料金支払機「PAYNET」で支払いを行います。SIMカードへのチャージは電話番号を入力し、紙幣を入れるだけなので簡単。その他電気料金や水道料金など、公共料金の全てをこの機械で支払うことが出来ます。ただしおつりは出ません。
この支払いを長期間行っていないと電話番号が別の利用者に行き渡ってしまうため、ウズベキスタンに久しぶりにやって来たから以前買ったSIMカードを使いたいと思ったけど使えなくなっていた…という事態がしばしば発生します。

SIMカードやeSIMを買わず、Wi-Fiだけでやり過ごすことは可能でしょうか。ホテルや都市部のレストラン・カフェなどでは概ねフリーWi-Fiが利用できるものの、他の場所ではなかなかWi-Fiが飛んでいなかったり、利用できたとしても現地携帯番号のSMS認証が必要となっていたりします。また看板列車のアフラシアブ号でもフリーWi-Fiが使えないほどなので、都市間移動中のインターネット利用は絶望的。この時間をデジタルデトックスと割り切って、ネットなしの時間を楽しむのもまた一興ですが…。
またウズベキスタンで使えるとされているレンタルWi-Fiサービスもあるようですが、こちらもeSIMサービス同様現地で十分作動する保証はないので、口コミなどをよく吟味して利用するようにしましょう。

Wi-Fiマークがあっても実際は飛んでないことも。これはサマルカンド近郊の巡礼地ですが、案の定繋がりませんでした…。

結論を言うと、冒頭で述べたとおりインターネットを使いながら快適にウズベキスタンを旅行したいなら現地でSIMカードを購入するといいでしょう。ただ滞在日数や手間暇、予算などを考慮し、どうやってネットを利用するか決めてくださいね。

それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!

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