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サローム(こんにちは)!
このブログで今までこの国のお酒が飲めるレストランやバーを紹介してきたように、イスラム教徒が多い国なのにもかかわらずビールやワインを気軽に飲めるのがウズベキスタンの嬉しいところ。ブドウの栽培に適した気候のため特にワイン作りが盛んで、イスラム化以前に住んでいた民族ソグド人の遺跡からもワイン用の容器が見つかるそうです。町なかの酒屋で気軽に買うことができ、私はおすすめのウズベキスタン土産の一つとして推しています。
というわけで、ワイン好きの方々にはぜひこの国のワイナリーを訪れていただきたいのです。私のおすすめは、首都タシケントからのアクセスがいいウズムファーマー Uzumfermerのワイナリー。さっそくこのワイナリーについて紹介しましょう。
Uzumfermerのワイナリーがあるのは、タシケントの20kmほど東の町キブライの郊外。ちなみにUzumとはウズベク語でブドウの意味。タシケント中心部からはヤンデックスタクシーが利用でき、ものの3~40分ほどで到着することができます。なおこのキブライという町は同名のビールブランドで有名な町ですが、あいにくビール工場の見学はできないようです。もし見学ができたらお酒好きなら一日楽しめるはずなのに…。
敷地に入ると3階建ての建物が現れます。1階は受付で、ここでワインレッド色のオリジナルTシャツやロゴが入ったオリジナルグラスが売っています。ワインファンの心をくすぐる、なんと商売上手なワイナリーですこと。私も10万スム(2024年9月現在のレートで約1100円)でワイングラスを買ってしまいました。
ボトルワインもここで購入可能。
ここでは試飲のみも可能ですが(1人あたり25万スム、英語ガイド希望の場合5万スム追加)、これにワイナリー見学を追加することもできます。この場合の料金は平日40万スム、土日45万スム、英語ガイド希望の場合5万スム追加。申し込みは基本的に電話やWeb予約が必要で、私がWeb予約した時はホームページ内で完結せず、メッセージアプリ・テレグラムでのやりとりが必要でしたが、インスタグラムDMやワッツアップでのやりとりも可能かもしれません。空いていれば直接行ってその場で申し込むこともできるようです。
私の訪問時はせっかくなのでワイナリー見学を追加。さっそくブドウ畑を見せてくれるのかと思いきや、エキゾチックガーデンと名付けられた庭園を先にお見せしたいとのこと。庭園へ向かう途中、このワイナリーの歴史が始まったのは2008年、当時は果樹園用に1ヘクタールの土地を買っただけだったが現在は21ヘクタールまで敷地が広がり、この広い土地を利用してあらゆる種類のブドウを栽培してワインを作っている…などワイナリーについての基本的な説明を受けます。
庭園に入っていきなり案内されたのがここ。そう、いきなりの日本庭園のお出ましです。
聞くとこのワイナリーのオーナーは日本などアジア文化に陶酔を受け、ワイナリーの敷地内にアジアを表現する庭園を作ってしまったとのこと。日本庭園以外にも、中国をイメージしたらしい庭園やバリ島の寺院を模した建造物が次々と現れます。
こちらはイタリアンガーデン。オーナーはワイン修行でイタリアに行ったことがあり、その際も当地の文化に感銘を受けたようです。
この庭園を散歩することで、ワイナリーのオーナーが感受性豊かかつフィロソフィー溢れる方なのは大いに実感できましたが、私はそのオーナーに追随していけるほどの感受性もフィロソフィーもなく、呆気にとられるのみでした…。
その後やっとブドウ畑やワイン工場を案内してくれます。栽培しているブドウの品種はフランス産、アメリカ産、ジョージア産などさまざま。概して山と川に挟まれた土地で良質のブドウが育つといわれているようですが、ここも天山山脈の支脈ウガム山脈と大河シルダリヤの支流チルチク川の間にある、ブドウ作りに適した土地のようです。
こちらがワイン工場。工場では一般的なワインの他、あまりこの国のワイナリーでは作られていないオレンジワインや、ブドウの搾りかすで作られた度数の高い蒸留酒グラッパも製造しているとのこと。
ここで丁寧な説明を受けた後、最初の建物に戻ってお待ちかねの試飲タイム。試飲場所になっている建物の3階は、なんと周囲のブドウ畑がぐるっと見渡せるレストランになっています!このロケーションでワインをいただけるなんて最高の贅沢。
いただくワインはバリエーション豊かで、今回頂いたのは白ワイン4種、赤ワイン4種、フルーツワイン1種、そしてグラッパ2種。最後のグラッパは度数が40%と70%の代物なので、できるだけ余力を残して飲むようにしましょう…。
試飲が終わったらそのままここで食事を取ることもできます。メニューは町なかのレストランと比べても遜色なく、ワインに合う肉料理や魚料理が揃います。
さらにこのワイナリーはホテルも併設!レストランと同じ建物に客室があります。予約しておけば、万一酔いつぶれてもそのままベッドに倒れ込めばいいだけなので、安心この上ありません。
ホテル予約はワイナリーのウェブサイトからできず、大手宿泊予約サイト経由で行うことになります。宿泊料金は、時期にもよりますが1泊50ドルほど。オフシーズンはクローズになります。
ここに泊まるメリットはまだまだあります。朝食もレストランで取ることができ、気持ちいい眺めを楽しみながら朝ごはんを楽しむことができます。さらにブドウ畑やあの庭園で、好きな時に好きなだけ散策することも可能。
ちなみにこのワイナリー、9月末の収穫時には収穫祭イベントを開催し、太っ腹なことに料理やワインの食べ飲み放題を提供してくれるそう。日程はインスタグラムで告知し、今年の収穫祭イベントは9月28日とのことです。レストランにホテルにお祭りにと、なんと至れり尽くせりなワイナリーでしょう。心行くまでここのワインを味わい、楽しんでほしいという気持ちが伝わってきます。
なお同じタシケント近郊のパルケントという町にはシャトー・ハムコル・ワイナリー Chateau Hamkor Wineryというワイナリーがあり、こちらもワイナリーツアーを実施。またサマルカンドには、市内中心部にありワイン博物館も併設されているホブレンコ・ワイン工場 Hovrenko Wine Factoryと、郊外にあるバギザガン・ワイナリー Bagizagan Wineryという2つのワイナリーがあり、試飲が可能です(いずれも要予約。私の活動するサマルカンド観光案内所で対応可能)。ブハラにもShohrud Winery というワイナリーがあるそう。ワイン好きの方は、ぜひ行く先々でその土地のワインを味わいに訪れてみてください。
それではコルシュグンチャ・ハイル(また会う日まで)!