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皆さんは、毎年どんな”年末年始”を過ごしますか?私は日本での年越しはもう10年以上していませんので、年々欧米化した年末年始になっています。反面、日本語放送の紅白歌合戦を観たいが為に放送契約しているお家にお邪魔するズーズーしい大晦日を過ごしていますが、日米の年末年始ってどんな違いがあるのでしょうか。
年末といえば、一年の埃を払う大掃除を頑張りますよね。でもこちらでは大掃除の季節ではないようです。なぜ年末に大掃除をしないのか?聞いてみたら「年末は忙し過ぎるからそんな時間ないよ!」ときっぱり。アメリカは、11月感謝祭のディナー準備から始まり、終わったらホリデーショッピングや最近はメールで済ませるとは言えグリーティングカードも送る。同時にクリスマスの飾り付けも着手しなければならない。クリスマスの豪華なディナーの準備があり、一家団欒を楽しんだ後は、大晦日の計画も待っている。とにかく感謝祭から大晦日までの約2ヵ月間、家族行事に絡んで猪突猛進。年末の大掃除・煤払いなんてする時間と心の余裕はまったくないのです。
ではいつ大掃除をするのでしょうか? 暖炉に溜まった煤払いを兼ねた「Spring Cleaning(春の大掃除)」と言うのがあったんです。煤で汚れた家を大掃除するアメリカにおける伝統的習慣のようですが、これも最近は環境への配慮などで、暖炉自体が使えないこともあって、また暖炉のある生活をしてみると、何せ手間がかかって面倒くさくて今じゃ部屋のインテリア…。この大掃除もあまり聞かなくなりました。
家族の一大行事であるクリスマスに比べ、大晦日はカップルや友人同士で集まってハメを外すイベントで、酒屋さんの話では一年で最もスパークリングワイン(シャンパーン)が売れるとのこと。気の置けない仲間たちが集まり、ド派手に飲んで騒いで「3・2・1ハッピーニューイヤー」。日本では”蛍の光”は卒業、閉店時、終わりのイメージですが、アメリカは、新年を迎える、新しいことが始まるお祝い的で、さしずめ終わりは始まりって感じで歌われます。1月1日はカレンダーにもニューイヤーズデーと記されているだけ。カウントダウンパーティーの疲れを癒す祝日です。
アメリカは、東のニューヨークから西のハワイまで、時差が5時間あり、カウントダウンが5回あるのは日本との大きな違いです。西海岸の9時前に、東海岸(NYあたり)のカウントダウン中継が始まり、中西部(シカゴあたり)、山岳地帯(デンバーあたり)とテレビでリレー中継。デンバーあたりの花火を見ながら蕎麦をすすり終わる頃。見物場所のフェリービルまで行って15分くらいの年越し花火を見に行く。もしくは、日本町で除夜の鐘を突きに行く。いずれにしてもハワイの皆さんごめんなさい、ハワイのカウントダウンライブは見たことがないのです。
いかがでしょうか?アメリカの年末年始は日本とずいぶん違いますね。
また、同じアジアでも他国は花火がガンガン上がり爆竹で賑やかですが、世界のカウントダウンで唯一音がなく静寂のうちに新年を迎えるのが我が日本。厳かに除夜の鐘で年明けを迎えます。花火とは裏腹な伝統を守り抜いてこそ”ニッポン”が世界中から愛されているんじゃないかなと思います。どんなにグローバル化が進んでも、残しておきたい日本文化。海外に住んでて、ことさら地味〜な年越しに郷愁を感じます。