【英国ウェールズ】アングルシー島のパワースポット②新石器時代の埋葬室「バルクロディアド・イ・ガウレス」

壮大な崖の上に建つバルクロディアド・イ・ガウレスはウェールズ語で「女巨人のエプロン」を意味します。諸説ありますが、女巨人がエプロンの中に石を入れて、運んでる途中、いくつか落としていったのがこの場所だったとか。なんともウェールズらしい古代遺跡にまつわる伝説です。
そんな女巨人の石を使ったかどうかはわかりませんが、1952年に発見されたバルクロディアド・イ・ガウレスは「ドルメン遺跡」とも呼ばれる支石墓の一種で巨石を支柱にし、その上にさらに大きな蓋石をのせた墓でした。現在は一部復元され、その上を頑丈なコンクリート製のドームと天然芝で覆い、この貴重な歴史遺産を風化から守ってます。
埋葬場所として使用されただけでなく、先史時代の社会における儀式や信仰にも関わっていたと考えられているバルクロディアド・イ・ガウレスには謎めいた模様で装飾された石がいくつも点在。約4500年前にどんな人がどんな意味でこれを彫ったのか？想像力をかきたてられる場所です。

それでは、中に入ってみましょう！
入口には元の状態に基づいて、復元された約7ｍの通路があり、十字形の墓室へと続いてます。
ただし、墓室前には施錠された鉄格子が設置されているため、通常は格子の間から墓室内をのぞき込むだけとなります。

新石器時代の紀元前2500年頃、この地域に住んでいた農耕民によって建てられたとされる墓からは人骨や遺物が発掘されました。また、陶器の破片や焼けた骨なども見つかったため、火と供物を伴う儀式が行われていたことが考えられます。当時から、先祖崇拝や季節の祝祭があったのかもしれません。

そんな特別な場所だった墓室は大きな石の板で建てられていて、一部にはジグザグや螺旋、V字、菱形など複雑な模様が刻まれています。

案内人のリスさん曰く、これらの彫刻の謎はさまざまな解釈をもたらしたそうで、それらが象徴的な言語を表しているいう研究者もいれば、占星術的な意味をもつと信じている考古学者もいるんだとか。また、ただの落書きや芸術としての装飾と考える人もいて、本当の意味はいまだ解明されず謎のまま。今後もわからないかもしれないとのこと。ただ、その謎解きがまた面白く、魅力的で、誰でも自由に考えを述べることができるから、時に小さな子どもから、すごい発想やアイデアを聞かされることもあるんだそう。
さて、皆さんはこの謎めいた彫刻の意味をどう解釈されますか？

皆さんも実際にその謎めいた古代の装飾を間近でご覧になってみませんか？

この2025年の夏は9月のオープンデーに先駆けて、リスさんをはじめ、何人かのカドゥ公認ガイドさんが有料ツアーを企画してます。詳細や予約方法はカドゥのウェブサイトにてご確認ください。

■ Barclodiad y Gawres Chambered Tomb
住所：Ty Croes LL 63 5TE
URL： https://cadw.gov.wales/visit/places-to-visit/barclodiad-y-gawres-chambered-tomb

■ Barclodiad y Gawres Chambered Tombへの行き方
バンガー(Bangor)からホーリーヘッド行きの列車でRhosneigrへ。（所要時間約25分）
RhosneigrからはAberffraw行きの25番バスに乗車。最寄りのバス停Gate Houseまでは約15分。そこから、徒歩15分ほどで到着