【ロンドン】由緒あるパブで伝統的なサンデーローストを堪能！

伝統的なスタイルのサンデーローストは、イギリスを訪れたらぜひ食べてみていただきたい料理のひとつです。その起源には諸説ありますが、案内してくれた友人によれば、かつて地主が毎週日曜日に使用人をご馳走でもてなすことで労をねぎらい、翌週からの働きを励ましたのが始まりなのだとか。その名残から、今でもこの料理はサンデー（日曜日）にしか提供されないのが一般的。少しレアな食体験といえるかもしれません。

今回訪れたザ・ステーブルハンドは、その礎となった歴史的ルーツを大切にしている正統派の英国式ガストロ・パブ。メニューにおいて伝統を重んじているだけでなく、食材にいたってもできる限りイギリス産のものを使うようにしており、それが叶わない場合はイギリスに縁のある産地から食材を調達している（例えばレモンはジブラルタル産）というこだわりようです。

そんな正統派パブでイギリスの伝統料理であるサンデーローストを味わうという貴重な体験に恵まれたので、その様子をお伝えします。

こちらではサンデーローストのメインをチキン又はビーフから選ぶことができます。私はビーフを頼みました。ビーフの場合はさらに、焼き加減をミディアム・レア又はウェル・ダンから選ぶことができました。

でき上がったお料理はサンデーロースト定番のスタイルで、お肉料理と付け合わせが全て一枚の大皿に盛りつけられて登場しました。コクがありつつも想像よりさらっとしたグレイビーソースが添えられ、熱々のお皿にたっぷりとかける瞬間が楽しかったです。お肉は厚みがありしっとりと味わい深く、付け合わせにはローストポテト、季節の野菜、そしてヨークシャープディングが添えられていました。

ヨークシャープディングは、かの人気小説シリーズ『ハリー・ポッター』の宴のシーンに登場するのですが、どのような味のものか分からないまま読み流しつつ頭の片隅で気になっていました（同じ思いをしている読者の方も少なくないのではないでしょうか）。シュークリームのシュー部分だけみたいなものと、いわれれば確かにそうなのですが、やはり少し違うような…百聞は一見にしかず、もとい、ひと口にしかず、ですね。今回はおいしいご馳走にありつけただけでなく、本で読んでもイメージできずにいたヨークシャープディングがどのような味わいか、メインのお肉料理とどのようなハーモニーを奏でるものかを知ることができた点でも大満足でした。

サービスも終始細やかで、ホスピタリティあふれるものでした。私たちのテーブルについてくれたAimeeは笑顔が素敵な朗らかな女性で、ちょうど良いタイミングで様子を見に来てくれたり、メニューの説明の聞き取れなかったところをていねいに繰り返してくれたりしました。久しぶりの外食で少し緊張をしていた私も、彼女のホスピタリティ（と1パイントのビール）のお陰ですっかりリラックスして食事を満喫する事ができました。

せっかくなのでデザートも。メニューにはBread and Butter Pudding （ブレッド・アンド・バター・プディング。ダイアナ妃のお気に入りの菓子だったという逸話があります）やSticky Toffee Pudding （スティッキー・トフィー・プディング）など、イギリスらしいスイーツが並びます。私はApple Crumble （アップル・クランブル）を頼みました。アップルパイの中身のようなりんごの甘煮の上に、ほろほろと崩れる細かいクッキー生地のような粒の「クランブル」をトッピングしたデザートで、一緒に注文したブラックコーヒーと相性抜群でした！　なお、ビール1パイント、サンデーロースト、デザート、コーヒーをあわせて、お会計はひとり当たり£50くらいでした。

いかがでしたか。お店のウェブサイトはとても見やすく作られており、オンライン予約もできるので、ご興味のある方は予約をしてから訪れることをおすすめします。

なお、このパブの名のステーブルハンドとは厩務員のことですが、今もパブの隣には乗馬体験ができるハイドパーク・ステイブルズという馬屋があり、至近のハイドパークで乗馬体験ができるプランもあるようですよ。

▪️The Stablehand
住所：4 Bathurst St, Lancaster Gate, Hyde Park W2 2SD
予約用電話番号：020 7499 1076
営業時間：月〜木曜日 12:00～23:30
金曜日、土曜日： 12:00〜24:00
日曜日12:00～22:30 ※
ウェブサイト：https://thestablehand.co.uk

※サンデーローストの提供は日曜日のみです