
【新潟】新たなヒト・コト・モノに出会える神社
2025.5.2
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筆者が今からン十年前の食欲旺盛な高校生時代―下校途中によく食べたもののひとつが、新潟のファーストフードチェーン店「みかづき」の「イタリアン」です。新潟で大きなイベントが開かれた際、そこに出店していた「みかづき」の前で「えっ!パスタじゃないの?焼き…そば??えーっ!?」という県外の人の声…。
新潟県民にはおなじみ、しかし県民以外を困惑させる「イタリアン」をご紹介します。写真でお分かりでしょうが「トマトソースの乗った太麺焼きそば」といったところでしょうか。
「イタリアン」は、太い中華麺とキャベツやもやしを、特製ソースと一緒に炒めて粉チーズをふりかけ、トマトソースをかけたもの。付け合わせに「白ショウガ」が付くのも特徴です。
「みかづき」は新潟市内を中心に下越地方のショッピングセンターなどに20店舗を展開しています。今回は万代シテイにある「万代店」へ。さて「イタリアン」とひとくちにいっても「カレーイタリアン」「ホワイトイタリアン」など4種類あり、さらに季節限定の「チーズハンバーグイタリアン」もあるので迷うところですが、スタンダードな「イタリアン」(税込み440円)を注文。
目の前で調理してくれたアツアツのイタリアンは、太くてもちもちの麺にキャベツともやしのシャキシャキ感…、さらに濃厚なソースとトマトソースのハーモニーがたまりません。付け合わせの白ショウガが適度な刺激をしてくれ、あっという間に完食!
さて、なぜ「イタリアン」が生まれたのか? 時は高度経済成長期-、新潟市の繁華街古町通8に1908(明治42)年創業の甘未喫茶「三日月」がありました。経営していたのは三日月晴三さん。お店は料亭や待合などが立ち並ぶ花街(かがい)にあったので、若い古街芸妓さんも「あんみつ」などを楽しんでいたのでしょうね。
三日月さんは芸妓さんをはじめ若い女性が「気軽に食べられる軽食を提供したい」と考えていました。そして59(昭和34)年、東京で「焼きそば」に出合います。「これだ!」と思った三日月さんは、翌年の60(昭和35)年から「“粋”な花街に出すには、ただの焼きそばじゃつまらない」と、ミートソースと粉チーズをかけてフォークで食べる“焼きそば”を考えました。名前は喫茶店などで提供していた「ナポリタン」に対抗して、「イタリアン」にしたとのこと。
新潟県内ではふたつの会社がイタリアンを販売しています。これまで紹介してきた「みかづき」、そして「フレンド」という会社です。「フレンド」は、花火で有名な長岡市のある中越地方が主な商圏です。2社は社長同士が親友だったことから、「みかづき」に続いて「フレンド」もイタリアンを販売するようになったそうです。ふたつのイタリアンは違いがあるので、食べ比べを楽しむのもいいですね。
遠方の方には「冷凍イタリアン」をネット通販もしているので、ぜひ新潟の「庶民の味 イタリアン」をお試しください。
■みかづき万代店
住所:新潟市中央区万代1-6-1
電話:025(241)5928
URL:https://www.mikazuki-italian.com