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【ハワイ】「Paris.Hawaii」の魅力を解明したら

小嵜 有美

小嵜 有美

ハワイ特派員

更新日
2025年6月30日
公開日
2025年6月30日

ハワイの食材、フランス料理の真髄とテクニック、そして和のおもてなし。そんな贅沢な魅力満載のレストラン「Paris.Hawaii(パリハワイ)」が、2025年5月にカカアコに再オープンしました。

ワイキキにあった店の閉店から4年越し。その間に「自分の中でも少し進化して熟成してきたかなと思えるようになってきました」と山中祐哉シェフは語ってくれました。

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Paris.Hawaii再オープンまでの道のり

2018年にワイキキでオープンし、地元のグルメ通や旅行客から高い支持を得ていた「Paris.Hawaii」。パリで研鑽を積んだ山中祐哉シェフが生み出す、ハワイの食材とフレンチの融合料理は瞬く間に話題に。2019年にはUSA Todayの「ベスト・ニュー・レストラン Top 10」で全米5位にランクインするなど、その実力は全米でも評価されました。しかし2020年、コロナ禍で惜しまれつつ閉店。以降、4年の歳月を経て、再びホノルルのカカアコ地区「SALT(ソルト)」にて復活しました。

山中祐哉シェフの経歴と想い

北海道・札幌出身の祐哉シェフは、中学生時代の料理大会出場をきっかけに料理の道へ。大阪の名門料理学校でフレンチを学び、大阪のフランス料理店で修行。その後、25歳でフランスへ渡り、パリやニースのビストロで腕を磨きます。中でもパリの11区にある「Le Crown Bar」ではスーシェフとして活躍し、「パリのベスト・ビストロ」と称される店へと成長させました。ハワイの自然に魅せられた祐哉シェフは、移住後にアイランドフレンチレストラン「Paris.Hawaii」をオープン。今では「自由に料理を楽しめる場」として、理想のレストラン作りを続けています。

カカアコ「SALT」で再始動、新たなParis.Hawaii

再オープンの場所に祐哉シェフが選んだのは、ローカルにも人気の再開発エリア・カカアコ「SALT」。多彩な飲食店や個性的なショップが立ち並ぶこのエリアに、10席のカウンターと4人掛けの2つのテーブルを備えたParis.Hawaiiが2025年5月にオープン。オープンキッチン形式で、シェフが料理をする姿を間近に見ることができます。決して華美ではありませんが、白を基調とした洗練された空間では、料理とワインが引き立ちます。

五感に響くParis.Hawaiiの料理演出

今回座ったのはカウンターの右端の席。

まず最初に驚かされたのは、お水を提供された時のグラスの薄さ。シェフがニューヨークまで出向いて選んだグラスは、極薄で飲み物の味を最大限に引き立てます。続くワインペアリングのグラスも同様に繊細なもので、香りや味わいを邪魔しない絶妙な厚みでした。

さらに、冷たい料理には冷たい皿、温かい料理には温かい皿という日本的な気配り。西洋料理ではあまり見かけないこの配慮が、料理をさらにおいしくしてくれます。

プリフィックスコース、全8皿の魅力

Paris.Hawaiiのコースは$85〜、ワインペアリングは3種$50、4種$80。メニューは2か月ごとに変わり、今回いただいたのは6月末までの限定メニューです。

自家製ジャーキーとクレソン、マグロと牛肉、サブレ:
ハワイ島産牛のジャーキーにシャキッとしたクレソンを合わせた一品。マグロと生牛肉を米粉で包んだ一口サイズ。サブレにはレモンクリームとハラペーニョが添えられていて、酸味と辛味のバランスが絶妙です。

カンパチとマンゴーのサラダ:
コナ産カンパチと甘いマンゴーをさっぱりしたソースで仕上げた冷菜。レストランのプランターで育てたキンレンカの葉がわさびのようなアクセントに。皿もキンと冷やされ、清涼感満点です。

自作スタイルのブイヤベース:
白いスープ皿に自分で具材を入れるスタイルがユニーク。オナガ(ハマダイ)、にんじん、ディル、シーアスパラガス、フィンガーライムなど、色とりどりの素材が香り高いブイヤベーススープと調和します。

オナガ、カリフラワーソース:
淡白なオナガ(ハマダイ)とたっぷりのウイキョウに、カリフラワーの軽いながらも濃厚な味わいのソースを添えて。温かい皿でサーブされ、旨味が際立ちます。見かけは地味ですが、筆者のイチオシ料理です。

自家製パンとシーアスパラバター:
パンに添えられたバターは、塩味と甘味が絶妙なシーアスパラガス風味。思わずおかわりしたくなる逸品です。

US和牛のテンダーロイン(+25ドルでアップグレード):
キアヴェ薪で焼いた肉は外はカリッと、中は超柔らか。ビーツとベリー系の赤いソースと合わせて、見た目も華やかです。シェフの焼き加減へのこだわりが伝わります。

ゴートチーズのリゾット:
オアフ島ノースショア産のゴートチーズを使用。濃厚でありながら、後味は軽やか。量も多くないので、コース後半でも重すぎずに楽しめます。

デザート2種:
アサイーといちごのグラノーラはヘルシーで口直しに最適。最後はチョコレートのテリーヌに自家製バニラアイスを添えて。濃厚なカカオの余韻が締めくくりにふさわしい一皿でした。

食を通じた体験と、名店への展望

「お客様にリアルな食事体験をしていただきたい。そしてじわじわと名店に育ってほしい」と語る祐哉シェフ。オープンキッチンは、ゲストが料理の過程を楽しめる場であると同時に、シェフもゲストの様子を見守る場所。

ハワイで唯一無二の美食体験を

Paris.Hawaiiは、ハワイの素材、フレンチの技法、和の感性が融合した、世界にひとつだけのレストランです。旅の記念日や大切な人とのディナー、特別な体験をしたい方にぴったり。ぜひ、次のハワイ旅行ではカカアコのParis.Hawaiiを訪れてみてください。忘れられない美食の夜になることでしょう。

◾️Paris.Hawaii(パリハワイ)◾️
住所:324 Coral Street, Honolulu, HI 96813
電話番号:808-752-2312
定休日:火曜日、水曜日
予約日時:17時または19時30分(木曜日〜月曜日)
予約:https://www.opentable.com/r/parishawaii-honolulu
インスタグラム:https://www.instagram.com/paris.hawaii/?hl=en

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