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【スイス】チューリッヒの町が光に包まれる季節へ——2025年クリスマス最新レポート

スイス暮らしのアルパカ

スイス暮らしのアルパカ

スイス特派員

更新日
2025年12月11日
公開日
2025年12月11日
スイスの街、クリスマス

12月に入り、チューリッヒの町はすっかりクリスマス一色となりました。夕暮れが早まるこの季節、一歩町に出ればイルミネーションが光り輝き、カフェからはスパイスの香りがただよい、冬の訪れをしみじみと感じます。マーケットにはギフトにぴったりの雑貨や、見ているだけで心が温まるスイーツが並び、町全体が華やぎを増しています。

今年も中央駅構内には、スイスを代表するチョコレートブランド・Lindt(リンツ)による巨大クリスマスツリーがお披露目、旅人や地元の人々の目を楽しませています。今回は現地在住者の目線から、チューリッヒの最新クリスマス事情を詳しくご紹介します。

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光に包まれたチューリッヒ

12月に入り、チューリッヒの町はクリスマスモードに突入!

11月下旬に点灯したバンホフ通りのイルミネーション「ルーシー(Lucy)」は、今まさにもっとも美しい季節を迎え、町の中心に伸びる光のラインは、夜の散策を特別なひとときに変えてくれます。

旧市街(Altstadt)では、石畳の細い路地に温かいライトがともされ、小さなブティックやアンティークショップのショーウィンドウには、クリスマス仕様のデコレーションがぎゅっと詰め込まれています。

スーパーマーケットには季節限定の焼き菓子「Guetzli」や、冬だけの特別なパン「Grittibänz」が並び、買い物かごを手にした人たちが冬支度を楽しんでいる様子も見られます。

リマト川沿いは、冬独特の澄んだ空気に光が反射し、水面が静かに揺れるたびに町のイルミネーションが淡くきらめきます。12月のチューリッヒは、どこを切り取っても冬の物語のワンシーンのようです。

クリスマスマーケット&イルミネーション

ポーラー・ザウバー

©︎スイス暮らし

現在、中央駅構内では「ポーラー・ザウバー(Polerzauber)」が絶賛開催中です。

ポーラーザウバーの見どころは、中央にそびえる巨大ツリーなLindt(リンツ)のクリスマスツリー。巨大なリンツのチョコレートがオーナメントになった、迫力のあるツリーです。

また、今年は例年とは違い、会場にはチーズフォンデュ鉄道が設置されています。電車内でチーズフォンデュが楽しめる、レストランはぜひ友達と一緒にワイワイしながら楽しみたいですね。

©︎スイス暮らし

食品、手仕事雑貨、石鹸、アクセサリーなど、見ているだけで楽しい屋台が並び、平日の夕方でも人通りは多く活気にあふれています。

旅行者も地元の人も入り混じる、チューリッヒらしいにぎやかさが味わえる場所です。

 ▪️ポーラー・ザウバー
住所:チューリッヒ駅構内
開催期間:2025年11月20日〜12月24日
日〜水:11:00〜21:00
木〜土:11:00〜22:00
URL:https://polarzauber.ch/de

ルーシー

©︎スイス暮らし

バンホフ通りの「ルーシー」は毎晩点灯中。日没が早くなった冬は、この光のカーテンがとても綺麗に光っています。点灯式は、11月下旬に行われましたが、光が輝く瞬間を一目見ようと多くの人が集まりました。

ショッピングの帰り道にふと見上げると、頭上に広がる無数の光がきらめき、冬の夜をロマンチックに彩ります。クリスマス直前のこの時期は、町を歩くだけで気分が上がるチューリッヒらしい光景です。

 ▪️クリスマスイルミネーション「ルーシー」
住所:バーンホフ通り
開催期間:11月20日より
URL:https://www.zuerich.com/en/inform-plan/seasons-and-climate/christmas-in-zurich/christmas-lighting

オペラハウス前の「Wienachtsdorf」

オペラハウス前に広がる人気のマーケット「ヴァイナハトドルフ(Wienachtsdorf)」も開催中です。中央に聳え立つ、煌びやかなクリスマスツリーが夜の暗闇の中、温かい光で包んでくれます。

本格的なラクレットやホットワインはもちろん、国際色豊かなストリートフードもあり、仕事終わりにふらりと立ち寄る人の姿も多く見られます。

広場全体に広がる楽しい空気感は、旅行者にもぜひ体験してほしいスポットです。

 ▪️ヴァイナハトドルフ
住所:
Zürcher Wienachtsdorf Bellevue 8001 Zürich
開催期間:11月20日〜12月23日
URL:https://www.wienachtsdorf.ch/

シンギング・クリスマスツリー

©︎スイス暮らし

チューリッヒの冬の名物として人気の「シンギング・クリスマスツリー」も現在公演中。

ツリーの形をしたステージに並んだ合唱団が、クリスマスソングを美しく歌い上げるユニークなイベントで、観客から自然と拍手が起こる温かい雰囲気が魅力です。

街歩きの合間に立ち寄ると、チューリッヒのクリスマスらしい音の風景を感じられます。

▪️シンギング・クリスマスツリー
住所:
Werdmühlepl 8001 Zürich, Switzerland
コーラス開催日程:
月〜木・17:30 / 18:30
金・17:30 / 18:30 / 19:30
土・14:30 / 15:30 / 17:30 / 18:30
日・ 14:30 / 15:30 / 17:30 / 18:30
URL:https://www.singingchristmastree.ch/programm

スイス流のクリスマスの過ごし方

スイスでは、クリスマスは“家族で静かに過ごす最も大切な祝日”とされています。日本のお正月に近い感覚で、多くの家庭が12月24日の夕方から家族だけの時間を過ごします。

家々では、アドベント期間中に準備したリースやキャンドルが飾られ、リビングには本物のモミの木で作られたクリスマスツリーが置かれます。

「イブに初めてツリーの灯りをともす」という習慣が根強くあり、24日の夜、家族が揃ってから灯りを点ける家庭も少なくありません。

料理は地域によって違いはありますが、チーズフォンデュフォンデュ・シノワーズ(肉のフォンデュ)を囲む家庭が多く、鍋を囲みながらゆっくりと語らうのが定番です。

そのほかにも、ラクレットを楽しむ家庭もあります。いろいろな野菜を添えることができるので、家族が集う日にもぴったりの食事です。

食事のあとにはプレゼント交換。スイスでは日付が変わる前に渡すことが一般的で、暖かい部屋の明かりの下で、大切な人に「Frohe Weihnachten(メリークリスマス)」と声をかけ合う時間は、どの家庭でも大きな楽しみのひとつです。

また、クリスマス前の期間には、家庭で 「グッツリ(Gutzli)」と呼ばれるクッキー を大量に焼き、家族や友人に配る習慣も健在。キッチンがバターとシナモンの香りで満たされ、子どもも大人も一緒になって焼く様子は、いかにもスイスらしい冬の風景です。

夜が深まると、静かな街に教会の鐘が響き、家庭ではチョコレートやお茶を片手に余韻を楽しみます。外で盛大に騒ぐのではなく、家族と温かい時間をゆっくり分かち合う–これが、スイスの一般的なクリスマスの過ごし方です。

 

まとめ

12月のチューリッヒは、町中が光に包まれ、クリスマスマーケットや音楽イベントで華やぎながらも、その奥には“家庭で静かに祝う文化”が息づいています。外ではイルミネーションや賑わいを楽しみ、家に戻れば家族とゆったり食卓を囲み、ツリーの灯りの下で一年をふり返る。そんなふたつの表情を持つのが、スイスのクリスマスの魅力です。

旅行で訪れる方にとっても、マーケット巡りや街歩きだけでなく、スイスの人々が大切にしている“静かな祝日”を想像しながら過ごすと、より深くこの国の冬を味わえるはず。チューリッヒで迎えるクリスマスが、みなさまの旅の思い出を温かく彩る時間になりますように。

 

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