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【韓国・水原】イ・サン(正祖)が築いた韓国で最大級の行宮-「華城行宮&西将台」

なかしまかずえ

なかしまかずえ

韓国特派員

更新日
2026年4月2日
公開日
2026年3月26日

京畿道水原市は、江南駅から地下鉄で約1時間、ソウル駅から地下鉄で約1時間南に下りた場所にある京畿道の道庁所在地です。
水原といえば、ユネスコ世界文化遺産に登録されている「水原華城」が有名で、水原カルビや水原トンダク(フライドチキン)などのグルメも有名な街ですが、今回は水原華城とともに訪れてほしい場所として「華城行宮」をご紹介します。

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華城行宮は、水原華城の中心に位置する、李氏朝鮮時代で最も規模の大きい行宮(仮の御所)です。
ドラマ「イ・サン」でも知られる朝鮮王朝第22代王・正祖(イ・サン)が、父親である思悼世子の墓がある顕隆園に出かける際に仮の御所として利用するために1789年に建設されたもので、祖父であった朝鮮王朝第21代王・英祖により悲劇的な死を遂げた父親の思悼世子の陵を、即位後に風水地理的に最もよい場所とされる水原(現在の華城市近く)に移し、陵の近くに暮らしていた住民を八達山の麓の現在の水原の位置へ移住させ、街と城郭を築いたとされています。
陵を移した後、1800年1月から12年間のあいだに13回も訪れたといい、1795年には正殿の奉寿堂で母親の恵慶宮洪氏の還暦の宴を披いたともいわれています。
行宮としては576間という李氏朝鮮時代で最大級規模で、かつその美しさと雄大さから、正祖の思悼世子に対する思いが伝わってきます。

華城行宮の最も表にある建物が、「新豊楼」です。
1790年に建設された当時は「鎮南楼」と呼ばれていましたが、1795年に正祖によって「新豊楼」と改名されたと言われています。

新豊門をくぐると、右手に樹齢約600年のケヤキの木があります。
華城行宮が建築される前からあったケヤキで、一度火災により破損したそうですが、2003年からの保全活動により現在の状態(高さ30m、幹の周囲6m)を維持しているそうです。

新豊門の入った右手には、国王が使用する筆や墨、硯などの設備や備品、宮中の鍵を管理していた「執事庁」の建物があり、正面には2番目の門「左翊門」があり、それをくぐると正殿を守る「中陽門」が見えます。

奉寿堂の内部

中陽門をくぐると、華城行宮の正殿に当たる「奉寿堂」があります。
正祖が母親の恵慶宮洪氏の還暦の宴を披いた場所で、正祖が恵慶宮洪氏の長寿を祈り、「万年の寿(よわい)を奉って祈る」という意味を込めて「奉寿堂」という堂号を付け、扁額を書かせたといいます。
1789年9月25日に完成し、日本統治時代に破壊しましたが、1997年に復元されました。

奉寿堂を正面に左手に進むと「景龍館」があり、景龍館を右手にして少し進んだ左手に「維興宅」があります。
景龍館(写真右)は、奉寿堂の南側に位置し恵慶宮洪氏の寝殿として使用されていた「長楽堂」の外門として使用された建物で、「景龍」とは帝王を象徴する大きな龍を意味し、唐朝の第2代皇帝「太宗」が居した宮殿の名からつけられた建物です。
維興宅(写真左)は、普段は華城留守が生活し、正祖が訪れた際には正祖がこの建物を使用し家臣と接見していた場所です。詩経の「周の国が天命を受け、国を大きくし家を与えた」という一節を引用し、正祖が「華城留守を任命して送り出す場所」という意味を込めて「維興宅」と名付けられたとされています。

その他、行宮の奥御殿にあたり正祖が訪れた際に滞在していたとされる「福内堂」や軍士たちの会食や特別科挙試験など様々な行事が行われ華城行宮の中で唯一崩壊せず残った「洛南軒」、正祖が王位を退いた後の隠居生活のために建てられたとされる「老来堂」などの建物を観ることができます。

「外整理衙門」という扁額が掲げられた場所は、歴代王が行幸する際の行事を準備を担当する官庁で、維與宅の前にあります。その中の「起層軒」の扁額が掲げられた建物には、行事の際に使用される打楽器などが保管されています。

華城行宮の裏にあたる小高い後苑には、1790年に建てられた東屋「未老閑亭」や「内鋪舎」があり、未老閑亭は名前のとおり正祖が「将来、老いてから閑静に過ごす東屋」として建てられたとされています。

華城行宮の観覧が終わった後に、一緒に訪れてほしいのが、国家遺産でもある「西将台」です。
華城行宮から徒歩22分のところにある八達山の頂上にあり、水原市内の景色を一望することができます。

西将台

華城行宮のチケット売り場を右折し、次の道をさらに右折して進むと、八達山の頂上へとつづきます。
八達山は標高145.5mなので、少しきついぐらいで登ることができます。
西将台に掲げられた「華城将台」という扁額は、1974年に西将台が完成した際に正祖によって書かれたもので、この文字を書き終えた後、その喜びを詩にした扁額も西将台にかけられています。

西将台からは、目の前に広がる水原市内の景色を楽しむことができます。

華城行宮は、正祖を主人公にした韓国ドラマ「イ・サン」をはじめ、「宮廷女官チャングムの誓い」での水刺間(調理場)でのシーンやチャングムが医学を学んだり王に料理を運んだりするシーンなどが撮影されています。
また、ドラマ「雲が描いた月明り」では未老閑亭の近くで、ドラマ「その年、私たちは」では華城行宮の城壁沿いや華城行宮に隣接した行理団キルがロケ地として使用されています。

ユネスコ世界遺産に登録されている「水原華城」とともに、韓国で最も規模の大きい行宮「華城行宮」も是非観覧してみてください。

■華城行宮
住所:京畿道水原市八達区正祖路825
アクセス:水原駅前「梅山市場」停留所から11、35番乗車、「八達区庁、華城行宮、水原聖地」停留所下車。徒歩3分
入場料:2000ウォン、(13~18歳)1500ウォン、(7~12歳)1000ウォン
利用時間:9:00~18:00(入場は、17:30まで)
休み:無休

【西将台】
住所:京畿道水原市八達区南昌洞

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