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【アメリカ】チャプスイー移民が生んだもう一つの中華料理

美丸(Mimaru)

美丸(Mimaru)

アメリカ・カリフォルニア州特派員

更新日
2026年5月4日
公開日
2026年5月3日

アメリカで「中華料理」を頼むと、中国本土では見かけない料理に出会うことがある。たとえば、ブロッコリービーフやチャイニーズチキンサラダだ。甘みのある味付けやたっぷりの具材が特徴で、いわゆる“アメリカ風中華料理”と呼ばれているもの。代表格は「チャプスイ(Chop suey)」。これは中国料理がそのまま広まったものではなく、移民たちがアメリカ社会の中で再構築した料理と言われている。その経緯や背景を見てみると、遠い異国の地で生き抜いた人々の知恵と工夫が見えてくる。

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①移民が作ったもうひとつの中華

  • チャプスイの名が表示されている。アメリカ風中華は根付いている
  • メニューの一角に並ぶチャプスイ。定番料理となっている

1849年のカリフォルニアゴールドラッシュ、その後の大陸横断鉄道建設を背景に多くの中国人がアメリカへ渡ってきました。勤勉な中国人は建設仕事以外にも商売を始める者もいましたが、言葉の問題や人種差別があり、就ける仕事は洗濯業や飲食業など限られていました。都市部の中華料理店では、お客さんの多くが炭鉱や鉄道で働くアメリカ人労働者で、中華料理は馴染みのない存在だった。そのため彼らの味覚に合わせて変化していく。こうして生まれたのが、チャプスイやアーモンドチキンなどに代表される“アメリカ風中華料理”である。

②チャプスイ誕生ー真相には諸説あり

  • とろみのある具沢山の一皿。八宝菜のような構成だ
  • スープ付きチャプスイ。ご飯の上に乗って中華丼風

チャプスイは、広東省台山地域の家庭料理に近い料理が原型の一つと考えられている。肉や野菜を炒めてとろみをつける料理は、八宝菜にも似ている。現在の形はアメリカで再構築されたも。その誕生には、清朝の政治家・李鴻章(り・こうしょう)の逸話など複数の説が語られているものの、いずれも裏付けははっきりしていない。一方で、1880年代にはすでにアメリカで「チャプスイ」という名称が確認されており、19世紀末には広く知られていた料理だったことが分かる。

③進化し続けるアメリカ風中華料理

  • チャイナタウンの一角。伝統的中華とアメリカ風中華が共存している
  • 地下の中華料理店では中国語が飛び交い、異国情緒いっぱい

1990年代以降になると、アメリカの中華料理はさらに多様化し、洗練されていく。西海岸ではカリフォルニア料理の影響を受け、新鮮な野菜や様々な食材を取り入れたフュージョン中華が広がり、町中華からハイエンドなチャイニーズレストランまで幅広くなった。ブロッコリーや玄米、トルティーヤを使うなど既存の枠にとらわれない柔軟な発想も特徴的だ。今では本格的な中国料理とアメリカ風中華が共存し、チャイナタウンはバラエティに富んだ食文化が交差する場所となっている。

④まとめ

アメリカのチャイナタウンを訪れたら、ぜひ一度チャプスイを試してみてほしい。野菜もたっぷりで私たちにとってもどこか親しみやすい味わいだ。そしてなんと言っても“もう一つの中華料理”の歴史が詰まっている。その土地でしか味わえない食の体験も旅の楽しみです。

  • カラフルな小龍包。現代の中華は見た目でも進化
  • 北京ダック付け合わせも多種多様。季節の食材も使っている

<訪れたお店>
▪️施設名:New Wofy Loy Gofy(同楽飯店)

住所:699 Jackson St, San Francisco, CA 94133

電話番号:415-399-0733

定休日:火曜日

▪️施設名:Palette Tea House

住所:900 North Point St, San Francisco, CA 94109

電話番号:415-347-8888

定休日:なし

URLhttps://paletteteahouse.com

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