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ドジャース観戦の日は、試合開始よりずっと前から楽しみが始まっています。
まず向かったのは、リトル東京にあるスポーツショップ「Vantage(バンテージ)」。ユニフォームはもちろん、小物類も充実していて、ドジャースロゴ入りのボールペン4本セット(5ドル)は、ばらまき土産にもぴったり。自分用と友人用に、つい何セットか買ってしまいました。
リトル東京からユニオン駅までは徒歩約10分。おすすめは、1st St(ファースト・ストリート)を通るルートです。実はここ、ワールドシリーズ優勝パレードが行われた歴史的なコース。テレビで見ていた熱狂を思い出しながら歩いていると、スタジアムへ向かう気分も自然と高まってきます。
■バンテージ・スポーツショップ
住所:123 Astronaut Ellison S Onizuka St Suite 207, Los Angeles, CA 90012
電話番号:213-617-0875
定休日:日曜日(ドジャースのゲーム日は除く)
URL:https://vantagesportshop.com
ユニオン駅に到着すると、あちこちに「Dodger Stadium Express」の案内表示が出ています。初めてでも、迷う方が難しいほど。ロサンゼルスは夏場になると30度を超える日もありますが、待機列が涼しい駅舎内に作られているのもありがたいポイントです。バスは、ゲーム開始2時間前から運行開始で満員になり次第どんどん出発。長時間待たされるストレスもほとんどありませんでした。
スタジアムに到着後、まず向かったのは当日券窓口。ドジャース人気を考えると「本当に買えるのかな……」と半信半疑でしたが、窓口にはまさかの行列ゼロ。既に売り切れ?と不安になるほどでした。しかし実際は、驚くほどあっさり購入。係員のお姉さんも慣れた様子で、「一番安い席でいいわよね?」と、この日の最安値だった40ドルのリザーブ席を案内。オンライン購入だと地味にかかる発券手数料も、窓口なら不要。その分を球場グルメに回せるのは、旅人には嬉しいかぎりです。
まずは地元・ゴールデンロードブルーイングの「LA Dodgers Blonde Ale」で喉を潤します。720mlの巨大缶を片手に、気分はすっかりロサンゼルス。この日は先着4万人にTシャツが配られるプロモーションデーでした。サイズはMかXLの二択。後ろに並んでいた痩せ型のお兄ちゃんが、「普段Lなんだけど、どっちがいいかなぁ……」と真剣に悩んでいます。
思わず振り返って、「あなたはMサイズよ!」と、まるで大雑把な息子に言い聞かせる“かーちゃん口調”で断言。周囲がどっと笑いに包まれ、本人も「だよね!」とMサイズを選択。知らない人同士が自然に会話を始めてしまう、この空気感もアメリカの球場らしい魅力です。ちなみにドジャースタジアムの収容人数は約5万6000人。プロモーションデーは、かなり高確率でグッズをもらえる計算になります。
そして、実際入場すると驚くほど気持ちのいいボールパーク。「なんでこんなに気持ちいいんだろう?」の理由はすぐ分かりました。
ドジャーススタジアムは、想像していた「巨大コンクリート球場」とはまるで違ったのです。乾いた丘陵地に沿うように広がる場内には、ヤシの木、多肉植物、サボテン、色鮮やかな花木が美しく植えられ、まるで南カリフォルニアの植物園のよう。実はこのスタジアム、敷地全体が広大な「ボタニックガーデン」として登録されていることでも知られています。
しかも驚いたことに、庭園だけを巡る公式の「ガーデンツアー」まであるのです。5月のロサンゼルスは、紫色の花を咲かせるジャカランダの季節。アルゼンチン原産で、“世界三大花木”のひとつのこの花が、街のあちこちを鮮やかな紫色に染めていきます。ドジャースタジアム周辺でも、その風景がドジャーブルーによく似合っていました。
■ドジャースタジアム・ガーデンツアー(その他スタジアムツアー)
URL:https://www.dodgers365.com/tours/botanic-garden-tour
URL:https://www.mlb.com/dodgers/ballpark/tours#landscape
野球場という枠を超えた、心地よい解放感。美しい緑とローカルビール。そして、見知らぬ誰かとの小さなおせっかいな会話。群青色の空にライトが浮かび始める頃、スタジアムは昼間とは違う表情になります。
なんだか、試合が始まる前から、すでに忘れられない旅になっていました。