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Tere!(こんにちは!)今年もエストニアの首都タリンで「タリンの日(タリン・パエヴ)」が開催されました。伝統の開門セレモニーを皮切りに、世界遺産の旧市街では旧市庁舎の無料開放や歴史ツアーなど、この日限りのイベントが目白押し。なかでも今年のハイライトは自由広場で行われた無料の大型コンサートです。伝統的なフォーク音楽と国民的人気ラッパー・ヌブル(nublu)らの最先端エレクトロが見事に融合し、会場は市民や観光客の熱気で包まれました。
「タリンの日」の朝、旧市街の「短い足の門(Lühikese jala värav)」では開門式が行われました。この門はトームペアの丘と下町をつなぐ小さな門で、かつては権力の中心だった上町と、市民が暮らした下町の境目として在りました。
式では国の長(首相)が門を訪れ、市長が門を開きます。たったそれだけのセレモニーですが、国と町、過去と現在が一瞬で溶け合うようなとても素敵で厳かな式でした。
なお、「タリンの日」は1248年5月15日にリューベック都市法が適用された(都市としての自治や商業の権利が認められた)ことにちなむもので、タリン自体は1219年デンマーク王に占領されることで誕生しています。現地では5月15日を「タリンの日」もしくは「タリンのお誕生日」と表現し、今年778回目のこの日をお祝いしました。
そして12時からは旧市街の中心にあるラエコヤ広場の旧市庁舎前でオープニング式典が行われました。市長の挨拶や警察オーケストラの演奏があり、何も知らない観光客の人たちも次第に集まり、写真を撮ったり音楽に合わせて体を揺らしたり楽しんでくれていました。
印象的だったことは、普段は外から眺めることの多い旧市庁舎が無料公開されたことで地元の人たちも観光客に負けじと列に並んだため、エストニアでは滅多に見ることのない大行列ができたことです。私もみんなと一緒に並んで建物へ入り、中世時代とほとんど変わらない階段を上ってさっきまでいたラエコヤ広場を見下ろしました。するとどうでしょう、いつもの旧市街がただの観光地ではなく、何百年も昔からずーっと人々が暮らし続けてきた町なのだと歴史の重みを持って実感することができました。目の前にあるこの広場、この建物、この石畳の上に中世の人たちが、そしてその子どもが、さらにはその子どもの子どもが現在に至るまでずーっと暮らしていたのですね。なんだか不思議なとってもあったかい気持ちになりました。
午後はさらに、トラムに乗っての歴史ツアーや子ども向けの読み聞かせ、ブラックヘッドの館での特別企画など、街の歴史をいろんな形で少しずつ楽しめるプログラムが並びました。旧市街をそぞろ歩くだけでも十分楽しい街ですが、この日はタリンの過去と現在を行き来できるような企画構成になっていて誰がどれに参加してもさほど時間を取られずご満足いただけたかと思います。
とはいえ14時からエストニアで大人気のヌブルの無料単独ライブが始まると旧市街は観光客だけ。市民は会場のテラス前で鈴なりになっていました。やっぱりそうなるよね!(笑)
夕方18時になると、雰囲気はさらにお祭りらしく。旧市街の自由広場では子ども合唱団のステージが始まり、Pirita、Kristiine、Nõmme など各地区でも無料コンサートが開かれました。どこか1か所に人を集めるのではなく、街全体でタリンのお誕生日を祝ったりみんなで歌ったりするというのは気持ちがとてもオープンになり、ひとりでもうきうきに。
そして夜20時には、と言ってもまだまだ太陽は元気に輝いている中、メインコンサートである「Nordic Amazonia」が自由広場でスタート。日中のあれこれ歴史を感じるプログラムや夕方のあちこちで歌ったり踊ったりする元気なハッピームードから一転、1つのステージへすべてが集約されていき、落ち着いていながらも華やか、上品でありながらも優しく包み込むような世界へ。
今回、世界的な指揮者クリスチャン・ヤルヴィがプロデュースしたこのコンサートは、ただ順番に歌手が歌うのではなく、アーティストたちの才能が複雑に絡み合う、この日限りの特別なリミックス。
まず会場を魅了したのは、世界的フォークシンガーのマリ・カルクン(Mari Kalkun)。彼女の神秘的な伝統歌唱が響き渡ると、広場は一瞬にしてエストニアの深い森の中のような幻想的な空間に。そこに近年国内で注目を集めているマリア・カッラスツ(Maria Kallastu)がお洒落で洗練されたモダンな歌声を重ね、一気に今年らしいエネルギッシュなリズムでみんなを圧倒。
極めつけは、夕方に無料単独ライブをしてくれたヌブル!彼のキャッチーなラップが炸裂すると、会場の若者や市民が一斉に飛び跳ねていました。 伝統の歌声に最新のエレクトロ、そこに現代のラップが重なる圧巻のステージ。まさにタリンの魅力を凝縮させた最高の夜でした。
もしよかったら来年お越しください♪お待ちしております!