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今年は、60年に一度めぐってくる丙午(ひのえうま)の年。古くから人々の暮らしや願いに寄り添ってきた馬。その存在は、神さまに願いを届けるものとして、また厄を祓い、幸いを招くものとして、大切にされてきました。午年にちなんで、奈良で馬にゆかりのある神社を訪ねます。
奈良市中町にある「大和国 鹿島香取本宮」。住宅地の中にありながら、境内に一歩入ると、どこか凛とした空気が漂う神社です。
こちらで祀られているのは、武甕槌命(たけみかづちのみこと)と経津主命(ふつぬしのみこと)。鹿島神宮・香取神宮にゆかりのある二柱の神さまで、古くから武の神、勝負の神として信仰されてきました。
大和郡山にゆかりのあった豊臣秀長公の時代に鎮守の森として鹿
この神社の大きな特徴が、神さまにお仕えする「神馬」がいること。境内で馬の姿に出合える神社は、県内でもめずらしい存在です。鳥居をくぐると広い駐車場があり、その奥には白い神馬の姿が。神社の神馬として、参拝者を静かに迎えてくれています。
ただ、天候や神馬の体調により馬屋を閉めている場合も。会えるタイミングや見学については、参拝前に神社へ確認しておくと安心です。
参道の途中にある手水舎にも、思わず足を止めたくなる仕掛けがあります。水が流れる先に小さな竹筒があり、そこへお賽銭を投げ入れる「運試し」ができるのです。うまく入れば、ちょっと幸先のよい気分に。 参拝前の小さな楽しみです。
ゆるやかな坂を上ると、本殿が見えてきます。こちらでは靴を脱いで拝殿に上がり、参拝します。参拝のあとは、拝殿内でお守りを選ぶこともできます。
お守りにも、この神社ならではの特徴がありました。先を見通して「うま(馬)くいく」ように祈願された透明な神馬守りや、蹄鉄のお守りなど、馬にちなんだお守りが並びます。私は本革製の馬蹄のお守りを購入しました。
帰り際にも神馬にそっと挨拶を。午年に訪れる神社としてはもちろん、奈良で馬にゆかりのある場所を訪ねたい人にも印象に残る一社です。
■大和国 鹿島香取本宮
住所:奈良県奈良市中町2238
電話番号:0742-45-2535
アクセス:近鉄学園前駅より「西千代ヶ丘2丁目行き」バス乗車、 千代ヶ丘2丁目下車 徒歩5分
営業時間:9:00~17:00(年末年始等を除く)
URL:http://kashima-katori.com/index.html
続いてご紹介するのは、生駒市に鎮座する「往馬(いこま)大社」。約1500年の歴史をもつ、奈良でも有数の古社です。
往馬大社の境内を包み込む鎮守の杜は、奈良県の天然記念物に指定されています。鳥居をくぐると、まちなかにいることを忘れるほど木々の緑が深く、古くからこの地で守られてきた自然の豊かさを感じます。
往馬大社は、火をつかさどる神さまとして信仰されてきました。その信仰を今に伝える行事として知られるのが、毎年10月、スポーツの日の前日に行われる「火祭り」です。古くから受け継がれてきた伝統行事で、奈良県の無形民俗文化財にも指定されています。
祭りの一週間前に起こされた火は、祭り当日まで絶やされることなく守られ、クライマックスでは高座で点火。燃え盛る松明を担いだ火取り所役の2人が、7段の石段を一気に駆け上がる場面は迫力満点です。
境内でひときわ存在感を放つのが、ご神木の「雷杉」。かつて落雷を受けたと伝わる杉ですが、今も青々と枝葉を茂らせています。火をつかさどる神さまを祀る往馬大社らしく、雷に打たれてもなお生き続けるその姿からは、強い生命力を感じます。
往馬大社は、絵馬発祥の地のひとつとも伝えられています。境内には、馬にちなんださまざまな絵馬が並んでいます。なかでも印象的だったのが、2つで一組になった絵馬。ひとつは神社に奉納し、もうひとつは自宅へ持ち帰ることができる仕組みです。この絵馬や一部のお守りのデザインは、地元のアート作家によるもの。どこか現代的でありながら、神社の空気に自然と溶け込んでいます。
カード型の「馬ク往ク守(うまくいくまもり)」も印象的です。かさばらずお財布に入れて持ち歩けるサイズで、日常のお守りとして身につけやすいのも魅力です。そのほかにも、馬にまつわるおみくじが多数あります。
■往馬大社
住所:奈良県生駒市壱分町1527-1
電話番号:0743-77-8001
アクセス:近鉄生駒線一分駅より徒歩7分、または、中菜畑2丁目バス停より徒歩約5分
営業時間:(3〜10月)8:00〜17:00 (11〜2月) 8:00〜16:30
URL:https://ikomataisha.or.jp
神馬に会える大和国 鹿島香取本宮、絵馬の伝承にふれられる往馬大社。どちらも観光地のにぎわいから少し離れた場所にあり、落ち着いて参拝できるのが魅力です。午年の今年、馬にゆかりのある奈良の古社をぜひ訪ねてみてくださいね。