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【南アフリカ】独自通貨が流通する町・オラニアの歩き方

あんな

あんな

南アフリカ特派員

更新日
2026年7月17日
公開日
2026年7月17日

南アフリカ・北ケープ州に、「オラニア」という小さな町があるのをご存じでしょうか。ここは、オランダ系移民をルーツに持つ「アフリカーナー」が、自らの文化やコミュニティを守るために築いたユニークな町。独自の旗や銀行を持ち、町の中だけで使える「オラ」という独自通貨まで流通しています。さらに、将来的には南アフリカからの自治・独立を目指していることでも知られています。住民になるには「アフリカーナーであること」などの条件がありますが、観光で訪れるのは誰でもOK。 今回は、そんな世界でも珍しい町・オラニアの見どころや楽しみ方を、実際に訪れた体験を交えながらご紹介します。

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オラニアとは

オラニアは、多民族国家・南アフリカにおいて、アフリカーナーが自らの文化や価値観を守るために設立した、アフリカーナー限定の町です。人口は約3,000人と小規模ながら、人口も土地も拡大を続けており、住民の平均年齢は37歳と若い世代が多いことでも知られています。
この町最大の特徴は、徹底した自立性です。建設から清掃まであらゆる仕事を、外部の安価な労働力に頼らずすべて町の住民だけで担い、電力も国のインフラへの依存を減らす取り組みを進めるなど、独自の町づくりを続けています。
一方で、オラニアは国内外から多くの人が訪れる観光地でもあります。町の理念や暮らしを知ってもらうため、観光案内所やガイド付きバスツアー、宿泊施設など受け入れ体制も充実しています。

オラニアの旗

実際訪れてみて

実際に訪れてみると、ロゴ入りグッズが並ぶ観光案内所をはじめ、観光客向けのバスツアーや観光マップも用意されており、想像以上に観光客を歓迎する雰囲気でした。さらに印象的だったのが住民のフレンドリーさです。滞在中はすれ違う人のほとんどが笑顔で「ハロー」と声をかけてくれ、おすすめスポットを教えてくれたり、「オラニアをどう思う?」と話しかけてくれたりと、住民と交流する機会が多い充実した時間になりました。
さらに驚いたのは、町の入り口にセキュリティゲートも何もなく、誰でも自由に出入りできるようになっていたことです。「オラニアへようこそ」という文字と私有地である旨などが書かれた看板があるだけでした。

オラニアへようこそ(WELCOM IN ORANIA)

観光案内所

オラニアでまず最初に訪れておきたいスポットがこちらの観光案内所です。先ほどの「オラニアへようこそ」の看板のすぐ近くにあります。
ネット上に情報の少ないオラニア。「レストランはあるの?」「観光客として、どこにいって何をすればいいの?」など、ここに来ればスタッフの方が親切にどんな相談にも乗ってくれます。
後ほど詳しくご紹介しますが、オラニアには観光客向けの無料バスツアーがあり、ここが窓口になっています。
日曜日は定休日、土曜日は14時までなのでご注意を。

◾️オラニア・インフォメーションセンター(観光案内所)
【営業時間】
月曜〜金曜:8:00〜17:00
土曜:8:00〜14:00
日曜日:休み
住所:Pêrellaan-Wes 136, Orania, 8752
↑オラニアに車で訪れる際、カーナビにはこちらの観光案内所の住所を設定すると良いと思います。建物前に無料で駐車可能です。

Inligtingskantoor

入り口はこの看板の後ろ

観光案内所はオリジナルグッズ販売コーナーもあります。オラニアのマスコットキャラクター「リトルジャイアント」やオラニアの旗のマークが入ったグッズがたくさん並んでいました。

  • 旗やステッカー、ピンバッチ
  • Tシャツの品揃えも豊富

お菓子コーナーには手作りクッキーやヌガー、オラニアの特産品であるピーカンナッツがありました。特産品だけあって、ピーカンナッツは200gで約500円ととてもリーズナブル。オラニアを訪れたら必ず買っていってほしい1品です。

値札は全て独自通貨の「ORA」表記

独自通貨オラ

オラニアには、この町内だけで使える独自通貨「オラ(Ora)」が流通しています。価値は南アフリカの通貨「ランド」と連動しており、町ではランドもオラも両方使えます。ただし、法律上、民間が独自の通貨を発行することはできないため、実際には地域限定で使える「クーポン」のような仕組みです。
そんなオラはたびたびデザインが刷新されており、2026年5月には新シリーズの利用が始まったばかり。観光案内所には巨大サイズに拡大されたオラが展示されていました。過去に使われていたオラも額に入ってずらりと飾られており、ちょっとしたオラ展示室のようになっていました。

こちらが新オラ
  • 古いオラ

今回のリニューアルで注目されたのは、新たに500オラ紙幣が登場したことです。これまでの最高額面は200オラでしたが、500オラの発行によってさらに高額な取引にも対応できるようになりました。ちなみに南アフリカのランド紙幣も最高額面は200ランドのため、それを上回る額面の紙幣が誕生したことになります

500オラ

両替体験

銀行で両替

オラニアを訪れたら、せっかくなので独自通貨「オラ」を手にいれてみたいですよね。オラをゲットする方法は主に3通りあります。観光案内所で両替銀行で両替お店でお釣りでもらう、この3つです。
私は今回、銀行で両替しました。オラニアにはOSKという独自の銀行があり、観光案内所からは徒歩10分程です。銀行の窓口で、オラに両替したい旨を伝え、200ランドを渡したところすぐに200オラに両替してくれました。書類の記入や身分証明書の提示など煩雑な手続きは一切なく、ランドを渡して、オラを受け取る、それだけのシンプルな手続きでした。
地元の銀行に外国人が現れたら嫌がられないかな・・と若干不安だったのですが、銀行員の方もその場にいた他のお客さんも「観光?楽しんでいってね」とみなさん温かく声をかけてくれました。

ゲットした200オラ

お釣りでオラをゲット

観光案内所でのお買い物はもちろん、町のレストランや他のお店でも、オラで支払ってオラのお釣りをもらったり、ランドで支払ってお釣りはオラでもらったりすることができます。
オラを使ったお買い物体験も、オラニアだけでできる貴重なアクティビティのひとつです。
お土産としてオラを持ち帰る観光客も多いそうです。使わないオラはそのままランドとして町の収入源になります。私も10オラだけ記念に持ち帰りました。

お釣りで細かいオラをゲット

観光の目玉! バスツアー

オラニアには観光客向けのバスツアーがあり、なんと無料で利用することができます。オラニア最大の見どころは「この町の仕組みそのもの」であり、目立った観光施設があるわけではないので、町を解説付きで周ることができるこのバスツアーはオラニア観光には欠かせないアクティビティです。観光案内所の前から出発し、約1時間かけて町全体を巡りながら、ガイドがオラニアの仕組みや住民の暮らしについて説明してくれます。
参加するには事前に観光案内所へ電話で予約が必要です。メールで問い合わせた際は返事がなかったため、電話での予約がおすすめです。
開始時間は電話で相談して決定します。公式サイトには定められた出発時間が記載されていますが、実際の予約時にはそれ以外の時間を提案されることもあり、ガイドの都合に合わせて柔軟に運用されているようです。
◾️オラニアバスツアー詳細
https://orania.co.za/begeleide-toere/
予約用電話番号:053 207 0004

全て住民が自分たちで建設した住宅街

バスツアーでは、軽量鉄骨の会社や、ピーカンナッツを栽培している農場を通ってオラニアの収入源について学んだり、学校でどんなことを教えているかなどが説明されました。若者が多いオラニアでは職業訓練にかなり力を入れているそうです。
さらには小さい飛行場、モデル学校、乗馬教室、ゴルフ場、ラグビー場などあらゆる施設があることが紹介されました。現在は巨大ショッピングモールを建設中で、町は今後もどんどん拡大していくのだそうです。

  • 軽量鉄骨の会社
  • ピーカンナッツ
ショッピングモール建設中

モニュメント

オラニアにはアフリカーナーの文化を象徴するモニュメントがいくつかあり、こちらもバスツアーで見学することができます。

クークスター(お菓子)

クークスターとは、アフリカーナーの伝統的なお菓子です。揚げたパンを冷たいシロップに漬け込んだ、甘いお菓子です。このお菓子を焼いて売ることでコミュニティや家族を支えてきた、アフリカーナーの女性への敬意を込めて建てられました。

モニュメント・ヒル

小高い丘の上に、アフリカーナーの歴代の偉人たちと、オラニアのマスコットキャラクター「リトル・ジャイアント」の像が旗とともに静かに佇む「モニュメント・ヒル」はオラニアを代表する人気スポットです。丘の上からは町全体を一望できます。
リトル・ジャイアントはオラニアのシンボルで、「体は小さいけれど、野望は大きい」という意味が込められています。袖をまくった姿は、「さあ働くぞ」という意気込みを表しているのだそうです。
また、リトル・ジャイアントが偉人たちの前に立っているのは「未来」を、背後に並ぶ偉人たちは「過去」を象徴していると言われています。過去から未来へと続くオラニアの歩みを表現したモニュメントなのです。
なお、モニュメントが建つ丘の頂上へは徒歩でしか行くことができません。そのため観光バスツアーでは丘の下から見上げるだけになります。私は間近で見てみたかったので、ツアー終了後に改めて訪れました。観光案内所から徒歩圏内なので、自力でも気軽にアクセスできます。

銅像は常に町を見守っている
リトル・ジャイアント

元首相ヘンドリック・ヴェルヴォールト

南アフリカの元首相、ヘンドリック・ヴェルヴォールトの像があるこちらの建物は、彼の妻が晩年過ごしていた家で、現在はヘンドリック・ヴェルヴォールトの遺品などが展示された博物館になっています。

ローカルバスに乗ってみよう

町には住民の移動手段としてのローカルバスがあり、観光客でもチケットを購入すれば乗ることができます。1時間ほど住宅街を1周して出発地点に戻ってくるので、どこかで降りて帰りのバスに乗り換える必要はありません。私たちの他にももう1組の家族が、観光目的で1周していました。
バスのチケットは観光案内所で購入します。大人1名R10(約100円)です。時刻表は専用アプリをダウンロードしないとみられないのですが、観光案内所の方に聞けば次回の発車時刻を教えてくれます。乗り場は観光案内所のすぐ隣にある、ガソリンスタンドの前です。
1番後ろの席がオススメです。ここだけ窓ガラスがないため、より疾走感が味わえます。バスに乗っていても、歩いている住民はすれ違うとみんな手をあげて挨拶してくれました。先ほどのバスツアーとは違い、ガイドの説明がないので自分のペースでのんびり町を眺めながら過ごすことができます。

見た目も可愛いローカルバス

レストラン

オラニアにはレストランもたくさんあるので、食べる場所には困りません。町を歩いていると、オープンテラスの居心地の良さそうなおしゃれなカフェやレストランがたくさん目に入ってきます。町にはビールの醸造所があり、オラニアオリジナルパッケージの地ビールも飲めます。
レストランのメニューは英語ではなくすべてアフリカーンス語で書かれていることが多いので、翻訳アプリのご準備をお忘れなく。

  • とてもおいしかったチーズビザ
  • ラムチョップ

オラニアへの行き方

オラニアの最寄りの空港はキンバリーです。私は今回、ヨハネスブルグから空路でキンバリーへ移動し、キンバリーの空港でレンタカーを借りて、そこから約2時間かけてオラニアへ向かいました。
キンバリーからオラニアまでの道のりは快適でした。終始電波が途切れなかったため地図アプリも問題なく使えました。道路も舗装されていたため運転しやすかったのですが、オラニア到着直前は路面の陥没が多かったのでそこは注意が必要です。
私は今回キンバリーに宿泊したため、オラニアを訪れた翌日はキンバリーの有名な観光地「ビックホール」の見学もできました。ヨハネスブルグやケープタウンから長時間ドライブでオラニアを訪れる人も多いそうですが、キンバリーを拠点にオラニアを訪問するコースはラクで尚且つ充実した観光ができておすすめです。

合わせて立ち寄りたい、キンバリー名物「ビックホール」
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