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夏の滋賀で「涼」を感じられる場所を探しているなら、ぜひ訪れてほしいのが米原市醒ヶ井の地蔵川です。連日暑さが続くなか、一歩足を踏み入れると、そこにはひんやりとした清流が流れ、白く可憐な花々が水面に揺れる別世界が広がっています。
その花の名は「梅花藻(ばいかも)」。まるで水の中に咲く小さな梅の花のような姿から名付けられた水中花で、全国でも限られた清流でしか見ることができません。滋賀県内でも特に有名な群生地が醒ヶ井です。観光地としてはまだ比較的穴場で、ゆったりと散策しながら自然の美しさを満喫できるのも魅力。今回は地元在住者の視点から、これから見頃を迎える醒ヶ井の梅花藻と、あわせて立ち寄りたい周辺スポットをご紹介します。
醒ヶ井は、中山道61番目の宿場町として栄えた歴史ある町です。JR醒ヶ井駅から徒歩約10分。駅から旧中山道を歩いていくと、どこか懐かしい町並みの中を清らかな地蔵川が流れています。この地蔵川こそ、梅花藻が咲く舞台です。観賞は無料。川沿いを自由に散策できるため、気軽に訪れることができます。特に朝の時間帯は観光客も少なく、水面に映る空や木々が美しく、ゆったりとした時間が流れています。川のせせらぎを聞きながら歩いていると、まるで時間がゆっくりになったような感覚になります。自然に癒されたい人にはぴったりのスポットです。
梅花藻はキンポウゲ科の多年生水草で、水温約14度前後の清流にしか生育しない非常に繊細な植物です。地蔵川では年間を通して水温が安定しているため、美しい群生を見ることができます。花の大きさはわずか1cmほど。水面から顔をのぞかせる白い花は、まるで小さな梅の花のようです。流れに合わせてゆらゆらと揺れる姿は可憐そのもの。
見頃は例年7月から9月中旬頃。特に7月下旬から8月にかけて花数が増え、美しい景色が広がります。晩夏には百日紅(さるすべり)の花びらが川面に浮かび、梅花藻との共演を楽しめることでも知られています。
梅花藻を育む地蔵川の源流は「居醒の清水」。環境省の「平成の名水百選」に選ばれている名水で、加茂神社の石垣の下からこんこんと湧き出しています。古くは『古事記』や『日本書紀』にも登場し、ヤマトタケルノミコトが熱病を癒したという伝説も残されています。
透明度の高い水をのぞき込むと、ハリヨの姿を見ることができます。ハリヨは清らかな湧水環境でしか生きられない希少な淡水魚で、地蔵川の水質の良さを物語る存在です。梅花藻だけでなく、この豊かな生態系も醒ヶ井の大きな魅力といえるでしょう。
醒ヶ井散策の後は、少し足を延ばして伊吹山の麓にある、フレンチシェフが作るパン屋さん「プルースト」へ。伊吹山の自然に囲まれたロケーションに佇む人気のベーカリーです。ハード系のパンを中心に、素材の風味を活かした丁寧なパン作りが評判。店内に入ると焼きたてのパンの香りが広がり、思わずどれにしようか迷ってしまいます。テイクアウトして伊吹山を眺めながら味わうのもおすすめ。モーニングやランチのイートインでご利用の方は予約がおすすめです。
■ プルースト
住所:滋賀県米原市伊吹1840
アクセス:JR近江長岡駅から車で10~15分
営業時間:8:30~17:00
定休日:火・水・木曜日
URL:http://www.instagram.com/proust_bakery/
もう一つぜひ立ち寄ってほしいのが「アトリエニッカ」。
帆布鞄のアトリエでカフェもできる温かみのある空間が魅力。特に味わってほしいのがふわふわ食感のドーナツです。ひと口頬張ると軽やかで、優しい甘さが口いっぱいに広がります。散策後のカフェタイムにぴったりで、コーヒーとの相性も抜群。てしごとの雑貨に囲まれてまったりできる穴場です。
■ アトリエニッカ
住所:滋賀県米原市春照469
アクセス:JR近江長岡駅から車で10~15分
営業時間:10:00~17:00
定休日:火・水・木曜日
URL:http://www.instagram.com/naono.nicca/
醒ヶ井の梅花藻は、華やかな観光地とは違う静かな感動を与えてくれる場所です。透明な清流に揺れる小さな白い花、名水「居醒の清水」、そして希少なハリヨが暮らす豊かな自然。そこには滋賀ならではの美しい風景が広がっています。見頃を迎えるこれからの季節は、まさに訪問のベストタイミング。この夏はぜひ、米原市醒ヶ井でしか出会えない小さな水中花の世界を訪ねてみてください。