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【ベトナム】山の上のお宿で、北部山岳地帯に住む少数民族の文化に触れる旅

土佐谷 由美

土佐谷 由美

ベトナム特派員

更新日
2026年11月1日
公開日
2026年11月1日
©️土佐谷由美

常夏のイメージが強いベトナムですが、北部は日本と同様、四季があります。
2026年6月に書いた、ソンラ省にある山の上のお宿の記事を見た知人から、是非訪れてみたい、とリクエストがあり、再び訪れることになりました。前回は夏のソンラ省の自然を満喫しましたが、今回はこの地域に多く住む少数民族、モン族の文化を学びます。

◆前回(2026年6月公開)の記事はこちらからお読み頂けます↓
https://www.arukikata.co.jp/tokuhain/384525/

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1.今年2度目のスカイライン・ファームへ

10:00ハノイを出発。14:00過ぎには、ソンラ省、スカイライン・ファームに到着。オーナーのリンさん、収穫作業のお手伝いをしている農家さんたちとは、3ヶ月ぶりの再会です。前回は夕方にハノイを出発したので、到着した20:00頃。あたりは既に真っ暗でした。今回は夕飯まで時間があったので、リンさん自ら、初スカイライン・ファームの知人に園内を案内してくれました。3ヶ月も経つと、咲いている草花、旬の野菜もだいぶ変わるもの。今回で3回目の訪問となる私ですが、毎回、目と舌を楽しませてもらっています。

今回の新たな発見は、お茶。以前からファーム内でお茶を育てていることは知っていましたが、お茶の木も花を咲かせること、お茶の花は椿に似て、白いものだということを、生まれて初めて知りました。今回一緒に訪問した知人はお茶に詳しく、既に収穫を終えた茶畑から、柔らかそうな芽を摘んで、水気を取り、手で揉み、軽く煎って、「お茶会」を開催してくれました。手間暇を掛けなくても、手軽にお茶を楽しめるのは、驚きでした。

  • ©︎土佐谷由美 青い空と澄んだ空気は、最高のリフレッシュ。
  • ©︎土佐谷由美 お茶の花。椿の花に似ている。
  • ©︎土佐谷由美 いつも温かく迎えてくれる、オーナーのリンさん。
  • ©︎土佐谷由美 今回も毎食、採れたての有機野菜を使った料理が並ぶ。

2.ファーム内でのワークショップ

中日。宿のテラス席で朝ごはんを食べた後は、今回の旅のメインイベントのワークショップです。ファーム内でのんびり過ごしたい、という知人の希望を、事前にリンさんに伝えたところ、それでは、と2つのワークショップを紹介してくれました。

今回、“講師役”を買ってくれたのは、モン族のチュンさん。ファームから車で1時間半ほど離れた村から出張で来てくれました。チュンさんは藍染職人歴7年の27歳。既に結婚もしていて、子どももいるとか。1度は生まれ育った村を離れたものの、再び村に戻り、おばあちゃんたちにモン族に伝わる染色技術を教えてもらい、伝統を守っているのだそうです。

©︎土佐谷由美 今回のワークショップの先生、モン族のチュンさん。

①蜜蝋を使った絵付けと藍染体験

午前中は蜜蝋と藍染のワークショップ。藍染は、北部山岳地帯に住む、モン族、ザオ族の伝統的な文化のひとつです。小学生の頃、絞り染め(*1)を体験したことはありますが、蜜蝋(*2)は実物を見るのも初めて。蜜蝋はきれいなオレンジ色で、まるで天然石のようでした。それを必要な分だけ削り取り、火にかけ溶かします。冷めると絵付けができなくなるので、火から離した後は、熱した石炭を周りに敷き詰め、高温の状態を保ちます。

*1絞り染め:布の一部を縛るなどの方法で圧力をかけ染料が染み込まないようにすることで模様を作り出す模様染めの技法のひとつ。
*2 蜜蝋:蜜蜂が巣を作るために分泌する天然の蝋。  <Wekipediaより>

  • ©︎土佐谷由美
  • ©︎土佐谷由美

蜜蝋で絵付けをする前に、まずは鉛筆で下書きします。せっかく“先生”がいるので、モン族に伝わる紋様を教えてもらいながら、それを描いていくことにしました。

<モン族に伝わる代表的な紋様>
・*(「アスタリスク」のようなもの):星
・大きな円:太陽
・ワラビのような渦巻:愛
・三角:山

ハノイ市内のお土産物屋さんでも、少数民族の方々が作った布や製品を見かけますが、単なるデザインではなく、暮らしを取り巻く自然を表現されているのは、とても興味深いです。
下絵を描き終えた後は、その上から蜜蝋を塗っていきます。使うのは、専用の絵付け道具。先は銅、柄は木でできており、これらは自作だそうです。まずはチュンさんがお手本を、それから自分たちも見よう見まねでやってみます。筆の代わりとなる銅と布の接地面の角度を変えることで、線の太さを調整できるのですが、小回りが効かないので、一定の太さで描くのが想像以上に難しかったです。蝋付の後は、染色しやすいようにブラシを使って、洗いながら余分な蜜蝋を取り除いていきます。

©︎土佐谷由美

藍染用の染液は、藍を3日間水に浸して発酵させ、その後様々な工程を経て作られますが、ここまでの作業は、事前に村で行ってくれており、当日運んできてくれました。藍染の作業は、1分ほど布を浸けて、乾かしての繰り返し。回数を重ねるほど、濃い藍色の製品に仕上がります。

最後は洗剤を入れたお湯に布を入れて、蜜蝋を洗い流し、干して乾燥させれば、オリジナル作品の出来上がりです。

  • ©︎土佐谷由美
  • ©︎土佐谷由美

②竹紙作りとファームで採れた草花の絵画制作

お昼を食べて、少し昼寝をしてから、午後のワークショップのスタートです。昔、牛乳パックを使った紙漉き体験をしたことはありますが、植物を使ったものはこれまた初めて。

モン族の紙作りは、使う竹からこだわり、1年で1番柔らかい8月の竹だけを使うそうです。外皮を剥き、割り、2日間灰を入れたお湯の中に入れて煮ます。その後、1ヶ月間、水を取り替えながら竹をふやかしていきます。ここまでは、予め村で準備をしてくれていて、私たちはこの後の工程から体験をさせてもらいました。
まずはふやかした竹を棒で叩いて、繊維を潰します。思いっきり叩くので、日頃のストレス発散にもちょうど良いです。
大きな繊維を手で取り除き、残ったものを水の中で揉んでいくと、みるみるうちに水の色が変わり、紙漉きの原液が出来上がります。モン族以外でも紙漉きの技術はあり、通常は原液に“つなぎ”を入れるそうですが、モン族の竹紙には“つなぎ”を入れないのが特徴だそうです

  • ©︎土佐谷由美
  • ©︎土佐谷由美

竹紙に敷き詰める草花は、もちろんファームの“採れたて”を使用。季節の草花を散りばめれば、旅の良い記念になること間違いなしです。
まずは、簀桁(すげた)に採ってきた草花を自由に並べます。そして、それらが動かないように、紙漉きの原液を厚さが均等になるように、ゆっくり掛けていきます。枠の端までしっかり原液を流し込んだら、あとは乾燥させて完成です。

  • ©︎土佐谷由美
  • ©︎土佐谷由美

中日の大半は、ワークショップで過ごしましたが、夕方は、いつものようにファーム内の散策です。太陽が山に沈んでいる時間は、何度見ても神々しく、徐々に漆黒に変わっていく様は地球と銀河の一体感を感じます。
そう言えば、前回のブログの最後に、次回は是非リベンジしたいと言っていたこと、を覚えている方はいらっしゃるでしょうか?過去2回見ることができなかったことできなかった、そう、満天の星空です!今回は…なんと…見ることができました!!!宿が山の頂上にあるため、まさに巨大なプラネタリウムにいるかのよう!満月に近い日ということもあり、空は明るかったですが、新月であれば、もっと多くの星が見えることでしょう。せっかくの星空を皆さんにもお裾分け!と写真を掲載したいところでしたが、カメラの腕が伴っておらず、撮った画像はほぼ暗闇。まだまだ修行が足りません。

  • ©︎土佐谷由美
  • ©︎土佐谷由美

スカイライン・ファーム (Vườn Trên Mây -Skyline farm & homestay)

住所 Van Ho, Son La
アクセス     ハノイ市内から車で約4時間半
電話 +84-96-366-3355
メールアドレス bphuonglinh@gmail.com
Facebook  https://www.facebook.com/VuonTrenMayMocChau/?rdid=W7NLqc3mawpiI8LK

*予約、その他問い合わせは、日本語対応可。最大で16名の宿泊可。
*希望者には、ハノイからファームの往復や現地観光のための車手配も可。宿泊とは別料金。
*ワークショップは、要事前相談。
*自然豊かな環境だが、インターネット環境は万全。

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