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【インドネシア】コモド島ツアーで乗るボートの種類と選び方

SARA HASHIMOTO

SARA HASHIMOTO

インドネシア・コモド島特派員

更新日
2026年11月1日
公開日
2026年11月1日
©サラトラベルコモド

世界遺産コモド国立公園を観光する際に欠かせないのがクルーズボートです。コモドドラゴンが生息するコモド島をはじめ、雄大な景色が広がるパダール島、ピンク色の砂浜で知られるピンクビーチなど、国立公園内の観光地は広い海域に点在しており、島々を巡るには船でのアイランドホッピングのツアーに参加する必要があります。観光拠点となるフローレス島のラブアンバジョには、毎朝多くの観光船が集まり、ツアーの出発を待っています。近年はスピードボートの日帰りツアーが主流ですが、船の大きさや設備、乗船人数などによって、観光の行程や船上での過ごし方も異なります。今回は、コモド島観光で利用されているボートの種類と、それぞれの特徴についてご紹介したいと思います。

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混載ツアークルーズ

コモド諸島を観光する際、現在もっとも多く利用されているのがスピードボートです。複数の船外機を備えた高速船で、ラブアンバジョを早朝に出港し、夕方に帰港するツアーが主流です。主要な観光地を1日で巡ることを目的としており、メインのパダール島やコモド島だけでなく、眺めのすばらしいピンクビーチ、タカマカサル島、シュノーケルが楽しめるマンタポイントなどを訪れます。

ラブアンバジョからパダール島までは、スピードボートで1時間~1時間半ほどです。海況や船の性能によって所要時間は変わりますが、比較的離れた島々を1日でまわるには、この航行速度が欠かせません。高波の発生しやすいローシーズンにも対応できるよう3~4基の船外機を搭載したクルーズ船もあり、最近ではエアコン付きの客室やトイレを備えた中~大型のスピードボートが増えています。

それらの多くは、他の旅行者と一緒に乗船する混載クルーズです。現地では「オープントリップ」と呼ばれることもありますが、15~30名程度が乗船する中~大型のスピードボートを利用することが多く、通常は1名から参加できます。船内には座席が並び、屋根付きの客室や屋外デッキを備えたタイプも見られます。料金は1名ごとに設定され、クルーズガイド(英語)、昼食、シュノーケリング機材などが含まれるのが一般的です。他の乗客と同じ行程で観光するため、島での滞在時間や訪問順序はあらかじめ決められています。パダール島のトレッキング、コモドドラゴンの観察、ピンクビーチでの海水浴と、コモド国立公園を代表する観光地を1日でまわる行程で、自由度は少ないですが十分満喫できるツアーとなっています。

プライベートクルーズ

家族や友人同士など、グループだけで船を貸し切るのがプライベートクルーズです。混載クルーズと同じスピードボートですが、2~10名程度が乗船できる小型船を使うことが多く、参加人数に合わせて使用ボートは変わります。小型ボートの多くはエアコンやトイレを備えていますが、屋根付きの座席だけを設けた簡素なタイプもあります。船をチャーターしてまわるため、自分たちのペースで行程をこなすことができ、出港時間や立ち寄りスポットについても希望を相談できます。ただし、国立公園の入島時間や海況による制約があるため、すべての行程を自由に決められるわけではありません。

プライベートクルーズでは、定番のコモド島ツアーのほか、混載ツアーでは訪れないリンチャ島を訪れる行程や、シュノーケリングに時間をかけるプランなども組まれています。特にリンチャ島は、コモド島とは異なる景観のなかでコモドドラゴンを観察できる場所として知られ、コモドドラゴン見学を優先したい方向けのコースとして人気があります。

ただ、小型のスピードボートは船体が比較的軽く、小回りがきく半面、波の影響を受けることがあるため、船の大きさだけでなく、訪れる時期の海況や航行する海域も考慮に入れる必要があります。料金は1名単位ではなく、基本的に船のチャーター料金をもとに計算されるため、2名で参加する場合と6名で参加する場合では、1名当たりの費用にも差が出ます。また、人数が多いグループでは、中~大型の貸切船を使う場合もあります。

スローボート(木造船)

ラブアンバジョ港発着の観光船には、スピードボートのほかに、インドネシアの伝統的な木造船も数多く見られます。現地では一般にスローボートと呼ばれ、船体の大部分が木材で造られた、エンジン付きの観光船です。上部に屋根やデッキを備えた船が多く、ベンチやテーブル、トイレなどが備えられています。木造船には大小さまざまな種類があり、スピードボートと比べて航行速度が遅いため、日帰り観光では訪問先を限定した行程が中心になります。高速船による1日ツアーが普及したことで、コモド島やパダール島など、ラブアンバジョから離れた観光地へは、スピードボートで向かうのが一般的になりました。

また、あまり知られていませんが、コモド島やパダール島には「リンタ海峡」と呼ばれる海域があり、時に激しい潮流が発生します。高波によりコモド島近海への航行が禁止されることがありますが、これが原因です。そのため、コモド島やパダール島方面を日帰りで訪れる場合、スローボートの利用はおすすめできません。一方、ラブアンバジョ近郊のケロール島やリンチャ島、カロン島などをめぐる航路では、現在でもスローボートが利用されています。

宿泊付きクルーズ(ライブアボード)

コモド国立公園には、船内に宿泊しながら島々を巡る「ライブアボード」と呼ばれるクルーズもあります。サンセットとサンライズのいずれも海上から眺められ、ゆったりと船旅を楽しめることから、欧米からの観光客に人気が高く、その多くは1泊2日から3泊4日程度の行程で、インドネシアの伝統的な木造帆船「ピニシ船」などが利用されています。ピニシ船は大きなマストが目立つ外観ですが、現在の観光船はエンジンで航行しています。船内には客室や食堂、シャワー、トイレなどが設けられ、船の規模や設備によって料金も大きく異なります。近年は豪華な客室を備えたラグジュアリークルーズも運航し、これらが停泊する景色はラブアンバジョを代表する景観のひとつとなっています。

ただ、ラブアンバジョ周辺では観光船の事故が繰り返し発生しており、2025年にはラブアンバジョを拠点とする観光船の事故が18件発生しています。同年12月にはパダール島近くの海域で宿泊付きの木造観光船が沈没する死亡事故も起きています。船内で長時間を過ごすライブアボードでは、船体の整備状況や安全設備、乗組員の経験、運航管理などを十分に確認する必要があります。前述した通り、コモド島近海を木造船で航行することには、安全上の問題があると思いますし、コモド島やパダール島などの高波が発生しやすい海域で夜間停泊するのは、リスクが高いと考えます。

コモドのボートの選び方

コモド島ツアーのボートを選ぶ際には、まず訪れたい観光スポットと、誰とまわるのかで検討するとよいでしょう。主要な観光地を1日でめぐるのであれば、スピードボートを利用したアイランドホッピングが基本となります。混載クルーズに使われる船は大きめのものが多く、船内の座席や設備も比較的充実しています。ただ、行程時間や立ち寄り先の融通はききませんので、ご年配の方やお子様連れの方には向きません。シュノーケリング初心者や泳ぎの苦手な方にも不向きと言えます(船上待機であれば問題ありません)。

一方、プライベートクルーズは、少人数での貸切チャーターや行程調整を希望する場合に利用されています。家族連れの方、特に小さなお子様がいる場合やご高齢の方で、トレッキングやシュノーケリングが不要だが、コモドドラゴンを見たいという方や、周りの人に合わせてまわるのは嫌だといった場合には、プライベートで訪れるのがベターでしょう。

また、アイランドホッピングのツアーに申し込む際には、ボートの料金とは別に、コモド国立公園の入域料やレンジャー料金などが必要になる場合があります。ツアー料金に含まれるものを確認し、出港時間と帰港予定時刻、訪問する島々、シュノーケリングの有無なども、事前に確認してください。

コモド諸島のツアーでは出発が早朝となることが多く、ラブアンバジョのホテルに前泊する行程が一般的です。どのエリアのホテルだと送迎してもらえるのか、ホテル送迎は混載車か専用車か、ツアー中に現金は必要か、飲み物は含まれているかなどのツアーに関する質問も必ずしておきましょう。

ちなみに、上の写真はあるクルーズ運航会社が導入した救命ボートです。こういった点は旅行者の目に触れない部分ですが、安全航行を順守した運航サービスを提供するクルーズを選ぶというのも大切だと思います。ラブアンバジョでは多くのコモド島ツアーが催行されていますが、安全なツアーを選択するというのが、もっとも重要なポイントであるのは間違いないでしょう。

なお、コモド国立公園では季節によって海況が大きく変わるため、波が高い時期には観光船の運航が制限されることもあります。船の種類にかかわらず、現地の海況や運航状況を十分に確認し、安全を最優先に考えてツアーを選びましょう。

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