料理とサウナと天然の川。札幌の駅チカな森で、冬こそ手軽に本格派アウトドアレストラン「mountainman」
札幌市南区の地下鉄真駒内駅から徒歩約10分。森に囲まれた一角に自然の中で山の暮らし方をエッセンスにしたレストランがあります。こだわりの食事とオプションで楽しむ自然の中でのサウナ体験をご紹介します。今回は、ランチタイムに訪れました。
暗号から始まる「mountainman」の冒険的楽しみ方
札幌市あるアウトドアレストラン「mountainman」は、札幌中心部から車で30分ほどの南区にあります。
冬以外は、地下鉄南北線「真駒内駅」から森の中を歩いてアクセスできる場所にあります。
都市部から気軽にアクセスできる距離ですが、白樺をはじめたくさんの木々に囲まれた自然豊かな駅チカの森。
ここで食事や食事のオプションメニューでサウナが楽しめます。
そしてワクワクするのは、mountainmanに向けて出発するところから。
mountainmanは、住所表記を公表しておらず、"42°59’13.9″N 141°21’38.6″E"の座標を頼りに探検気分でめざします。
mountainmanの敷地には、
- レストラン
- サウナ付キャンピングトレーラー
- hikki社製薪風呂「ボヘメン」
- 薪ストーブ
- 精進川の水風呂
- 自家農園
などがあります。
アウトドアレストランは、屋外のほか、寒い時期には屋内で楽しむことができます。
木材を基調にした山の暮らしのイメージをそのまま形にしたようなデザインです。
サウナの前後に、こだわりランチ。肉 or 魚の"メイン料理"+「発酵と免疫力」な"付け合わせ料理"
ランチメニューは、4種類のメインディッシュと注文後に”ストウブ(staub en France)"で炊き始めるご飯、そしてこだわりの"付け合わせ"に薬草番茶でいただく〆のお茶漬けです。
こだわりのメインに加え、付け合わせは北海道らしくもあり、山の暮らしの知恵を生かしたこだわりの調理法。
ロメインレタス・黄ニンジン・トマト・シイタケ・紅針ダイコン・レンコンなどのグリル野菜に人参。
いずれの野菜もアウトドア用薪ストーブでグリルしてあり、とりわけ人参は表面が黒くなるまで炭化させ、余分な水分をとばした「炭化野菜」としていただきます。
また、付け合わせは「発酵と免疫力」を意識した調理とラインアップです。
例えば、北海道の郷土料理のひとつ「三升漬」(さんしょうづけ・さんじょうづけ)は、麹を使った発酵食品ですが、これを薪火で燻した枝豆を使い、オリジナルの「枝豆三升漬け」として付け合わせにしています。
食べ応えがありつつ、北海道民が好きな三升漬けの風味の虜になりました。
また、「カブの風呂吹き」のみそだれは、麹と味噌、ビーツで作っており、一般的によく使われる砂糖などの甘みは加えていないそう。見た目に美しく塩味が利いたみそだれは、カブの甘さが引き立ちます。
そして笹の葉に乗った「熊肉のそぼろ」。ご飯のおともにぴったりで、食べると心なしか体がぽかぽか。
熊肉を食べると体が温まってくるように感じますが、今回も体が温まってきたのは、熊肉のエネルギーのおかげかもしれません。
そしてランチメニューにもれなくついているのは、炊き立てのごはんです。
ランチメニューを注文すると、テーブルまで研いだお米が入った"ストウブ"鍋が運ばれ、目の前でご飯を炊きます。
この日のお米は、岩見沢市産の無農薬"ななつぼし"。
料理が運ばれるまでの間、ご飯が炊ける香りが漂ってきます。
サーモンのムニエルは、北海道の郷土料理"チャンチャン焼き"風のクリームソースは、味噌の効果でまろやかかつコクがあり、サーモンの味引き立つ後をひくおいしさ。
北海道民にとっては、なじみ深いような、それでいてまったく新しい味わいにも感じるムニエルです。
こちらも北海道民にはとてもなじみ深いハンバーグです。
というのも、ラム肉の粗挽きひき肉を使ったハンバーグは、やわらかく食べやすいハンバーグ仕立てですが、お味はジンギスカンの旨味そのもの。
さらにタマネギ・醤油などをベースにしたシャリアピンソースには、さわやかさを出すためにオレンジを加えているそう。
ラム肉のおいしさと、オレンジでさわやかな風味のシャリアピンソースは、いつも食べ慣れているジンギスカンがとてもお洒落な味付けになった印象です。
さらに!牛・サーモン・羊に「ポーク」のメイン「上富良野ポークのポルケッタ」です。
北海道民にとっては、羊肉以上に親しみがあるポークをイタリア伝統料理のポルケッタスタイルで。
ハーブが味の決め手となるポルケッタですが、自家農園(桜山農園)で栽培したローズマリーなどを使うそう。
ポークの上に見えるローズマリーは、レストラン入り口(屋外)に鉢植えで越冬しているローズマリーがあったのですが、それを使っているそうです。
寒さに耐えているローズマリーは薫り高く、ポルケッタがとてもおいしい!
そしてもうひとつ、おいしいポイントは、隣接する桜山に自生する山葡萄をソースに使っているところ。
プルっとしたポークにハーブと山葡萄のアクセントが利いています。
ちなみに最初の写真の牛ステーキは、やわらかい肩ロースをニンニクと一緒にいただくご飯がすすむ一品です。
最後に自分で作るmountainmanオリジナルの「〆茶漬け」です。
少し残しておいた炊き立てストウブご飯にドクダミなどが入った"薬草番茶"を注ぎます。
そして薬味は、キュウリ・ダイコン・ゴボウを刻み、自家農園で育てたシソの葉と穂ジソの塩漬けが入ったもの。
野菜の食感とシソの香り、そしてかすかに薬草が香る番茶の香ばしさが三位一体となって、いくらでも食べられそうなやさしく滋味深い味です。
いただく前は、ドクダミの香りが気になるかと思っていたのですが、実際にいただいてみると、おいしい!
お茶漬けをいただいたあとに残った"薬草番茶"は、すべて飲み干しました。
ランチメニュー(税込価格)
- 山男の粗挽きラムハンバーグ~オレンジシャリアピンソース~ 3,850円(+フィールドチャージ330円)
- サーモンのムニエル~chanchan-yaki風クリームソース~ 3,850円(+フィールドチャージ330円)
- 牛ステーキ~森のガーリックソース~ 3,800円(+フィールドチャージ330円)
- 上富良野ポークのポルケッタ~桜山山葡萄ソース~ 3,850円(+フィールドチャージ330円)
いずれのメニューにも付け合わせのほか炊き立てストウブご飯、生姜玉葱麹のコンソメスープ、野菜番茶の〆茶漬けがついています。
最後におまけでご紹介します。
ボリュームたっぷりのランチメニューを全部食べられない、という子ども限定(中学生以下)メニューです。
「マウンテンマン ホットドッグプレート」(アップルジュース付き/1,100円)。
自分で作るホットドッグです。
野菜もソーセージもしっかりいただけて、ケチャップもトマトの味がする味わい深いケチャップです。
しかも、ソーセージはイベリコ豚のソーセージだそう!
自分で作るホットドッグには、もうひとつのハイライトがあります。
デザートの「枝マシュマロ」。
特大サイズのマシュマロとクラッカーがセットになっており、食後のデザートとして、屋外の焚火で炙っていただきます(思わず大人も撮りたくなる楽しいイベントに)。
お好みで、マシュマロとセットになっているクラッカーに挟んだ「スモア」をデザートに。
「枝マシュマロ」は、スイーツメニューとして単品(330円)でも注文できるので、大人も一緒に楽しめます。
札幌ならではの冬のアクティビティ。森の空気と雪と精進川で"ととのう"サウナ
そして食事をすると、利用が可能(要予約)なスペシャルオプション「コンテナサウナ」と「テントサウナ」。
コンテナトレーラーをサウナにした日本製のコンテナサウナです。
コンテナにはドレッシングルームとサウナがあり、サウナは2面が窓!
真っ白な(夏なら深緑の)世界を前に貸し切りでサウナを楽しめる極限の贅沢体験です。
アウトドアサウナは初めてで、サウナウェアの持ち合わせもなく、どうなることかと思っていましたが、mountainmanさんのアドバイスで自宅にあるものでそろえてみました。
- サウナポンチョ→大判スポーツタオル
- サウナ水着→長袖Tシャツ+トレーニングスパッツ
- サウナハット→夏用麻製ハット
- スポーツサンダル→革製ペタサンダル
あらかじめサウナ用として用意していたウェアを着て行ったので、準備はカンタン!
スタッフの方から30分置き程度に薪をくべる、やけどを避けるために気を付けること、などの説明を受け、早速、サウナーなり切り体験。
サウナストーブは、サウナの本場、北欧・エストニア製だそう。
ロウリュもでき、サウナストーンのなかには"トントゥ"もいます。
「15分ほどサウナ、その後15分ほど屋外などでクールダウン」を何度か繰り返すのが基本とのことで、それに倣おうとしたのですが、おそらく15分も経たずして熱くなってきたので、自分の鼓動の速さを目安に早めにクールダウン。
日頃の運動不足もあり、あまり汗をかいていないようにも思いましたが、外気にさらした全身からは、自分でも驚くほどの湯気が立ち上ります。
イスに腰掛け、気温約6℃(この時期の札幌としてはかなり高い気温)の中でクールダウン。
実は、イスに座ってクールダウンをする前に目の前を流れる小川"精進川"にも足を踏み入れてみました。
水温は2℃ほどとのこと。
足を浸けると意外に大丈夫だと思いましたが、わずか3秒ほどで足の皮膚がジンジンとしてきたので早々に退散し、外気でクールダウンへ。
少し涼しくなってきたと感じたところで、再びサウナへ戻りました。
そしてサウナの中では1回目よりも早く多く汗が出始め、15分まではいきませんでしたが、熱く感じ始めるまでの時間が最初よりも長くなり、鼓動が早くなる前に再びクールダウン。
今度は、冷たさに耐えられるのか半ばびくびくしながら雪の上に倒れこんでみました。
なんと、雪の冷たさが心地よい!
写真↑は、雪上に仰向けに倒れこんだときの視界(木の梢・サウナトレーラーの屋根・サウナストーブの煙突・空)です。
このあともマイペースでサウナとクールダウンを繰り返し、ふと気づくと体の芯から温まっていることを実感。
それまでは全く意識したことがありませんでしたが、体が芯から温まっている状態、アウトドアサウナの楽しさ、"ととのっていく"という感覚、これらを思いがけず、深く実感していました。
そしてもうひとつ、サウナのオプションサービスで体験したのが「薪風呂」(8,800円)です。
なんとなく寒さが苦手、という方や子どもと一緒の場合には薪風呂があれば安心です。
お湯は、マイナス気温でもしっかり温まることができるくらいの温度で、クールダウンしながら足湯として入るのも気持ちがよいです。
サウナ(11:00~21:00)利用料金 (食事の利用者のみのオプションサービス)
- コンテナサウナ 19,800円(2時間・4名まで利用の場合/5人目以降ひとり2,500円追加)
- テントサウナ 11,000円(2時間・5名まで利用の場合/6人目以降ひとり2,500円追加)
- オプション薪風呂 8,800円
- 薪1束 770円
森で"ととのう"「mountainman」ライフ
すっかりサウナに夢中な時間を過ごしていると、サウナ利用時間の2時間はあっという間に過ぎました。
「肌をある程度露出したサウナウェアのほうが熱を感じやすいのでおススメ」との前情報も聞いていたのですが、個人的に初心者(筆者)には、サウナの熱さと、クールダウンの際の寒さ・冷たさをストレートに感じ過ぎない長袖とスパッツが心地よく感じました。
アウトドアサウナ初体験のあまりの心地よさに、エンドレスで楽しみたい衝動に駆られたほどで、北欧の人が日常的にサウナを楽しんでいる意味がわかった気がします。
北海道の冬の森、天然の冷たい川、そして雪。
まるで異国にいるかのような体験になりました。
夜にはさらに雰囲気がよくなりそうですが、同時にさらに気温が下がった夜のサウナ体験もしてみたくなりました。
欲をいえば、「全天候で楽しめるのでは」との推測のもと、雪が降っているときのコンテナサウナも体験してみたいと思いました。
サウナを利用する場合、予約時間によって食事とサウナの利用順序が変わりますが、どちらが先でもあとでも、満足過ぎる充実体験ができると思います。
冬の北海道旅行にこそ、ぜひ体験してみてください。
なお、「桜山の地下水コーヒー」(660円)をはじめソフトドリンク・アルコール・ノンアルコール・スイーツなどのメニューを楽しめるカフェ利用もできるので(クローズタイム有り)、ぜひ一度アクセスして「mountainman」の雰囲気を感じてみてください。
mountainmanのデータ
- 名称
- mountainman(マウンテンマン)
- 住所
- 札幌市南区真駒内駅周辺の森(42°59'13.9"N 141°21'38.6"E)
- TEL
- 011-581-1100
- 営業時間
-
ランチ 12:00~15:30
ディナー 17:00~21:00
サウナ 11:00~21:00(サウナは食事をする場合のオプションメニュー) - 定休日
- 月曜・火曜(詳細は月初までに公表するmountainman_sapporo(Instagram)をご確認ください)
※地下鉄真駒内駅周辺の森にあります(42°59'13.9"N 141°21'38.6"E)。
筆者
北海道特派員
市之宮 直子
小樽生まれ、江別育ち、札幌在住のフォトライター。三度の飯より北海道を撮ることが好きな道産子北海道Loverです。
【記載内容について】
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